首都圏の高校生に敗北する地方公立高校の生徒。首都圏の高校生が旧帝大に大量合格。

大学通信などの調査を分析すると、旧7帝国大学に合格した東京圏(東京、千葉、埼玉、神奈川)の高校出身者は2008年度から23年度入試(23年4月入学)までの15年間で1・68倍に急増していた。東京大以外の地方6大学で合格者数を増やしており、東京圏で人気が高まる中高一貫校が合格実績を伸ばしたことなどが影響した。

毎日新聞

よく、東大早慶の合格者数のほとんどが首都圏出身になってきたので「地方の受験生の地元志向」と説明されるが、完全な間違いだろう。首都圏の一流大学も、旧帝大も、両方とも首都圏出身者が勝利しているのが正しい現状認識だろう。実際、東北大学の合格者の地域別の内訳は、東京都が1位、そして首都圏出身は30パーセントを超えており、東北地方出身(20パーセント)よりも多い。

首都圏、そして京阪神の一部の進学校は、東大だけではなく、旧帝大などにも侵食しているのだ。そのため、地方の高校生は、駅弁大学にしか合格できなくなりつつある。例えば、三重県立津高校は、昔は東大合格者を出していたが、最近はずっとゼロだ。そして、三重大学の合格者数は77人だ。県内トップクラスの公立高校だが、しょせん自称進学校ではこの程度なのだ。早慶もそれぞれ一桁の合格者数にとどまる。逆に目立つのは、近畿大、名城大などだ。関関同立ですら厳しいらしい。

本当に、このままでは、首都圏や京阪神の超一流進学校出身者による階級社会になってしまう。共通テストも難しくなり、本来は地元の国公立大学に進学したい地方の高校生が都会から受けにきた高校生に敗北し、入学できなくなる。特に東北大学は首都圏から新幹線で受けに行けるので、露骨な結果になったと思われる。


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