見出し画像

40日目:不動産の取引

40日目は、不動産の取引について学んでいきます。


1.宅地建物取引業法

1️⃣宅地建物取引業法とは

宅地建物取引業法とは、宅地や建物の売買や貸借などの取引を業として行う者(宅地建物取引業者)に対して、免許制度や業務規制などを定めた法律です。この法律の目的は、宅地建物取引業の適正な運営と宅地や建物の取引の公正を確保するとともに、宅地建物取引業の健全な発達を促進し、購入者などの利益の保護と宅地や建物の流通の円滑化を図ることです

2️⃣宅地建物取引士とは

宅地建物取引士とは、宅地建物取引業法に基づいて国土交通大臣から宅地建物取引士証を交付された者のことです。宅地建物取引士は、宅地建物取引業者の業務に関する法令や契約書の作成などの専門的な知識や技能を有する者として、宅地建物取引業者の業務の適正化や購入者などの利益の保護に貢献する役割を担っています。宅地建物取引士になるには、宅地建物取引士試験に合格し、宅地建物取引士登録を行う必要があります。

3️⃣媒介契約

媒介契約とは、宅地建物取引業者が、宅地や建物の売買や貸借などの取引に関して、売主や貸主などの一方の当事者から、他方の当事者を探して取引を成立させることを依頼され、その報酬を受けることを約束する契約のことです。媒介契約には、次の3種類があります。

  • 専属専任媒介契約:宅地建物取引業者が、一定期間内に他の宅地建物取引業者と媒介契約をしないことを約束し、かつ、自らも他の当事者を探さないことを約束する契約です。この契約では、宅地建物取引業者は、他の当事者を探してきた場合にも、その報酬を受けることができます。

  • 専任媒介契約:宅地建物取引業者が、一定期間内に他の宅地建物取引業者と媒介契約をしないことを約束する契約です。この契約では、宅地建物取引業者は、自ら他の当事者を探してきた場合には、その報酬を受けることができますが、他の宅地建物取引業者が他の当事者を探してきた場合には、その報酬を受けることができません。

  • 一般媒介契約:宅地建物取引業者が、他の宅地建物取引業者と媒介契約をすることや、自ら他の当事者を探すことについて制限がない契約です。この契約では、宅地建物取引業者は、自ら他の当事者を探してきた場合にのみ、その報酬を受けることができます。

4️⃣宅地建物取引業者の報酬限度

宅地建物取引業者の報酬限度とは、不動産の売買や賃貸の仲介や代理を行う際に、宅地建物取引業者が依頼者から受け取ることのできる報酬の上限額のことです。この報酬限度額は、国土交通大臣が定めた「報酬額表」によって決まります。報酬額表は、取引の種類(売買・交換・貸借)、取引金額、契約の形態(媒介・代理)などによって異なります。

5️⃣重要事項の説明

重要事項の説明とは、不動産の売買や賃貸の契約を締結する前に、宅地建物取引業者が依頼者に対して、物件や取引の条件に関する重要な事項を書面と口頭で説明することです。これは宅地建物取引業法によって義務付けられた手続きで、依頼者の権利を保護するために設けられています。重要事項の説明には、物件の登記状況、法令上の制限、インフラ整備、契約の解除や違約金、金銭貸借、瑕疵担保責任などの内容が含まれます。

2.不動産の売買契約に関するポイント

1️⃣手付金

手付金とは、不動産の売買契約を締結する際に、買主が売主に支払う金銭のことです。手付金は売買代金に含まれるもので、契約の成立の証拠となります。手付金の額は、売買代金の5~10%程度が一般的です。手付金は、契約解除や違約の場合によっては、返還されたり、放棄されたり、倍額になったりする可能性があります

2️⃣危険負担

危険負担とは、不動産の売買契約において、物件が自然災害などで滅失・毀損した場合に、その損害を負担する責任のことです。危険負担は、原則として、物件の引渡し時に所有権とともに買主に移転します。つまり、引渡し前に物件が滅失・毀損した場合は、売主が危険負担を負い、契約は解除されます。引渡し後に物件が滅失・毀損した場合は、買主が危険負担を負い、契約は履行されます

3️⃣担保責任

担保責任とは、不動産の売買契約において、売主が買主に対して、物件に瑕疵(かし)がないことを保証する責任のことです。瑕疵とは、物件に欠陥や障害があることで、通常の使用に支障がある状態のことです。担保責任は、売主が瑕疵の有無について知らなくても発生します。担保責任の期間は、引渡し後1年間が一般的です。担保責任の内容は、契約書で定めることができます

4️⃣住宅の品質確保の促進等に関する法律

住宅の品質確保の促進等に関する法律とは、住宅の品質を確保し、住宅の利用者の利益を保護することを目的とした法律です。この法律により、住宅の新築や改築を行う者は、住宅の構造耐力上主要な部分について、住宅性能評価機関による評価を受けることが義務付けられました。また、住宅の引渡し後に瑕疵が発見された場合に、住宅の施工者が責任を負う期間が、従来の2年から10年に延長されました

5️⃣壁芯面積と内法面積

壁芯面積とは、壁の内側の面積のことで、住宅の床面積の基準となります。内法面積とは、壁の外側の面積のことで、建物の外観や構造に関する計算の基準となります。壁芯面積と内法面積の差は、壁の厚さによって異なりますが、一般的には約5%程度です。壁芯面積と内法面積のどちらを用いるかは、契約書に明記する必要があります

※FP3級試験練習問題

以下は、不動産の取引に関するFP3級の試験問題と回答の一例です。実際の試験では、正誤問題と三択問題が各5問ずつ出題されます。

正誤問題(全5問)

問21:宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、契約書に報酬の額や支払い時期などを記載しなければならない。 ✓

問22:宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、契約書に契約の解除に関する事項を記載しなければならない。 ✓

問23:宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、契約書に媒介の対象となる宅地や建物の所在地、面積、構造、価格などを記載しなければならない。 ✓

問24:宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、契約書に媒介の期間を記載しなければならない。 ✓

問25:宅地建物取引業者は、媒介契約を締結する際に、契約書に契約の種類を記載しなければならない。 ✓

三択問題(全5問)

問51:宅地建物取引業者が、一定期間内に他の宅地建物取引業者と媒介契約をしないことを約束し、かつ、自らも他の宅地建物取引業者に委任しないことを約束する媒介契約を何というか。

  1. 専属専任媒介契約

  2. 専任媒介契約

  3. 一般媒介契約 答え:1

問52:宅地建物取引業者が、一定期間内に他の宅地建物取引業者と媒介契約をしないことを約束する媒介契約を何というか。

  1. 専属専任媒介契約

  2. 専任媒介契約

  3. 一般媒介契約 答え:2

問53:宅地建物取引業者が、他の宅地建物取引業者と媒介契約をすることや、自ら他の宅地建物取引業者に委任することについて制限がない媒介契約を何というか。

  1. 専属専任媒介契約

  2. 専任媒介契約

  3. 一般媒介契約 答え:3

問54:宅地建物取引業者が、媒介契約に基づいて、売主や貸主などの一方の当事者から受け取ることのできる報酬の上限額を何というか。

  1. 報酬限度額

  2. 報酬額表

  3. 報酬基準額 答え:1

問55:宅地建物取引業者が、媒介契約に基づいて、買主や借主などの他方の当事者から受け取ることのできる報酬の上限額を何というか。

  1. 手数料限度額

  2. 手数料額表

  3. 手数料基準額 答え:1

以上が、不動産の取引に関するFP3級の試験問題と回答の一例です。このように、不動産の取引に関する知識や用語を理解することが、FP3級の試験に合格するために必要です。不動産の取引に関する試験には、様々な問題が出題されます。例えば、以下のような問題があります。

  • 不動産の売買契約における危険負担の移転時期

  • 不動産の売買契約における売主の瑕疵担保責任の期間

  • 不動産の売買契約における手付金の取り扱い

  • 不動産の売買契約における契約解除の条件

  • 不動産の売買契約における重要事項の説明の義務

  • 不動産の売買契約における住宅の品質確保の促進等に関する法律の適用

  • 不動産の売買契約における壁芯面積と内法面積の違い

  • 不動産の賃貸契約における定期借家契約と普通借家契約の違い

  • 不動産の賃貸契約における更新拒絶の条件

  • 不動産の賃貸契約における敷金と礼金の違い

  • 不動産の賃貸契約における借地借家法の適用

  • 不動産の賃貸契約における定期借地権と事業用定期借地権等の違い

  • 不動産の賃貸契約における定期建物賃貸借契約と普通建物賃貸借契約の違い

  • 不動産の賃貸契約における賃料の支払い時期

  • 不動産の賃貸契約における賃料の見直しの条件

不動産の取引に関する試験に合格するためには、不動産の取引に関する知識や用語をしっかりとインプットし、実際に問題を解いてみることが大切です。不動産の取引に関する勉強方法やコツについては、以下のサイトが参考になるかもしれません 。

この記事が参加している募集

習慣にしていること

最近の学び

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?