Akari Hanano

Branding / Direction / Community Architect …

Akari Hanano

Branding / Direction / Community Architect 本業では場作り、ライフワークでブランド作りや文章を書いてます。

最近の記事

「美しい」の研究報告(9月)

Taste愛する人たちが出会うとき 代々木八幡にあるbruttoはお気に入りのお店の一つ。広々として落ち着いた、でもカジュアルで活気のある空間がとても好きだし、ここのパンとオムレツが大好き。この日、親友夫婦と、そして私の彼と初めてご飯を食べた。大好きな人と大好きな人が、出会うこと、みんなで美味しいものを囲むこと、初めまして、と会話が始まること。その様子が、嬉しくて、照れ臭くて、くすぐったくて、ずっとずっとこの時間が続いたらいいなあ、なんて考えて飲み過ぎる夜。また会おうね、

    • 「美しい」の研究報告(8月)

      PlaceMAKINA NAKIJIN 束の間の休暇で訪れた沖縄で、美しい場所に出会った。 今帰仁村(なきじんそん)にあるプライベートヴィラ「MAKINA NAKIJIN」。 手つかずの大自然と昔ながらの沖縄らしい景色が残る今帰仁村。 その一角にあるこの場所は、扉も玄関も看板もない。南国の草木が生い茂る小道を進むと、まるで壮大な自然の中に佇む美術館のような場所が広がる。 「自然に合わせて暮らすという贅沢を味わってほしい」オーナーさんのその言葉をなぞるように、都会では到

      • 「美しい」の研究報告(7月)

        Tasteまいにちの食卓での食事 何気ない自宅での食事が、美味しく楽しく感じられるようになり始めた7月。実のところ、私は友人や恋人と外食をすることが大好きだが、それと同じくらい自宅で食事をすることが怖い。これはきっと、過去に行ってきた過度なダイエットの影響だろう。自宅で食事をとることや、お腹いっぱいになることに、何となく罪悪感を感じ、うまく食べられない時がこれまで多々あった。うまく食べられないことにも罪悪感があった。しかし、食事は生命維持だけでなく、大切な人と共に時間を共

        • 「美しい」の研究報告(6月)

          Time旅をするということ 一週間と少し、一人でデンマークとスウェーデンへ出掛けたのが6月。 海外へ一人旅するのは生まれて初めてで、思いつきで出掛けたので人と会う予定以外はほぼノープラン。前日にざっと何をするか決めて、当日は目的地に向かって歩きつつもその道中の偶然を楽しみ続けた旅だった。この旅のスタイルが私にはとても合っていて心地よかった。道中の思いもよらぬ出会いに心躍らせたり、ちっちゃな不運にびっくり笑っちゃったり、見知らぬ人の優しさにときめいたり。これぞ旅の醍醐味と感

        「美しい」の研究報告(9月)

        マガジン

        • 「美しい」の研究報告
          20本

        記事

          「美しい」の研究報告(5月)

          Taste地元のカフェ 地元で唯一愛用していたカフェが閉店した。下町情緒溢れる地元には珍しく、若いオーナーさんが営む小粋なカフェ。私にとってそこは昔からオアシスのような存在で、仕事や人間関係に悩んだ時、いつもここに来て過ごしてきた。そんな沢山の思い出が詰まった場所がなくなってしまうと知り、慌てて訪れたある日。大好きなアメリカーノとチーズケーキを注文して、お気に入りの席でそれらをいただく。悩みを抱えていた私はいつもこの席に座って、内省したり、がむしゃらに作業したり勉強したり

          「美しい」の研究報告(5月)

          「美しい」の研究報告(4月)

          TasteKabi 4月のある週末、東京・目黒にある「Kabi」に訪れた。Kabiはコペンハーゲン帰りのシェフとメルボルン帰りのソムリエが日本帰国後、2017年に立ち上げたレストラン。北欧の風がほんのりと漂う店内は、海外のカジュアルダイナーのような活気があり、その場にいるだけでの異国の地に来たような気分になる。この日はチーズサンドとワインのイベントだったので、それらを一つずつ注文し頬張った。春の陽気と店内の活気ある雰囲気、それらが溶け合う空間で食事するのはなんとも幸せで沢

          「美しい」の研究報告(4月)

          「美しい」の研究報告(3月)

          Taste愛が美味しいを生み出す 雨の日が続いた3月のある週末、生まれて初めて山梨県を訪れた。甲州の方へ車を走らせ辿り着いたのは山梨県・塩山にあるワイナリー「98wines」。雲一つない空の下、春の風を感じながらいただいた、甲州ワインとゴルゴンゾーラチーズケーキの味が忘れられない。芳醇なワインと甘じょっぱいチーズとのマリアージュ、なんと美味しいものか。静かで開けた丘の上にあるこの場所は、元々は公民館だったそうだ。老若男女問わず多くの人が集っていた場所を改装し、現在は新た

          「美しい」の研究報告(3月)

          「美しい」の研究報告(2月)

          Tastebrutto 2月の週末、代々木八幡にある「brutto」に訪れた。そこはずっと気になっていたお店。お料理ももちろん美味しかったのだけど、空間がとても心地よかったのが印象的だ。「ライブキッチン」といって、同じテーブルでお客さんは食事をして、シェフは料理をする。そんな調理と食事の境界が溶けている空間が私にとってとても好みで、活気に溢れた雰囲気にその場にいるだけでワクワクする。ちょうど座っていた席が目の前で焼きたてのパンが焼き上がる席で、パンの美味しい香りに包まれな

          「美しい」の研究報告(2月)

          「美しい」の研究報告(1月)

          Taste食卓の快楽 年始、大切な友人とともに京都にある「canavon」へ食事に行った。1月の京都、突き刺さすような冷たい空気をくぐり抜けてお店に入る。年始の挨拶から始まり、2023年の出来事と会話に花を咲かせながら、美味しい食事をふたりで分け合う。「美味しいを分かち合う時間が何よりも幸せだ」年末年始の休暇中に読んだ「美味礼讃」をきっかけにより一層そう思うようになったのかもしれない。その本の中に書かれていた印象的な一節に「食の快楽と食卓の快楽」というものがある。食の快楽

          「美しい」の研究報告(1月)

          「美しい」の研究報告(12月)

          Tasteナチュラルワインと優しいごはん 今年最後に出会った「美味しいお店」のお話を。先日、友人と京都にある「MUL」へ食事に行った。キムパと自然なおかずとナチュラルワインのお店。二階建ての小ぢんまりした店内に灯る穏やかな光、柔らかく温かみのある木の色合い、愛らしい絵柄を纏ったお皿の数々。雰囲気、お料理、器含めてとても好みなお店だった。ワインは好きだし飲みたいのだけど、イタリアンとかの重めのお料理だとちょっと疲れちゃう。そんな年の暮れが近づき外食が増えるこの時期だからこそ

          「美しい」の研究報告(12月)

          「美しい」の研究報告(11月)

          Tasteただいま、美味しいお店 食欲の秋と言わんばかりに、美味しいものに沢山出会った11月。その中でも特に心に残っているお店を一つだけ。東京・蔵前にある「anno」での食事が忘れられない。ナチュールワインと日本酒、そして季節のお料理が味わえるお店。完全予約制で、店内の撮影は手元のみ可という情報から、敷居の高い場所なのかな…とドキドキしながら伺うと、まるで実家に帰ってきたような温かな空間が広がっていた。美味しいお料理と心温まる接客。ここにいれば間違いなくいい時間を過ごせる

          「美しい」の研究報告(11月)

          「美しい」の研究報告(10月)

          Taste記憶を美味しくいただくこと 10月は気のおけない大切な友と軽井沢へ。生年月日が一緒の友とお誕生日旅行と題して始まった旅行は今年で二回目。誕生日である12月はお互い忙しすぎるので、全く関係のない10月にただただご褒美旅行をした今年。ディナーで訪れた「ピレネー」で過ごした時間がとても美味しい時間だった。冷たい軽井沢の夜をくぐり抜けると、そこに広がるのは外国の田舎町のホリデーディナーを思わせる温かくも心躍る空間。そして、気さくで丁寧な接客と美味しいお料理。素敵な場所に

          「美しい」の研究報告(10月)

          「美しい」の研究報告(9月)

          Time9月の空に、秋を読む 心身の健康のために、毎朝できるだけ堤防に行って歩いたり走ったりしている。 少し前まで朝6時でもジリジリと暑かったのに、9月に入り一気に秋の涼しさが漂うようになった朝の堤防。 人肌の穏やかな優しい風を心地よく感じながらも、夏の暑さとともに眩しい記憶たちが季節の影に姿を潜めてしまったようでなんだか切ない。 季節の境目に立つといつも、四季がある日本がいいなあと思う。たとえ一つ前の季節に悲しいことがあっても新しい季節が全て掻き消してくれるような、新

          「美しい」の研究報告(9月)

          「美しい」の研究報告(8月)

          Taste淡路島の恵みたち 広い海を背中に、坂を登った先にある美しいレストラン。 淡路島にあるLA CASA VECCHIAでランチをいただいた。淡路島で採れたお魚、自家製の果物、自家製粉で作られたパスタ。食材だけでなく器も全て淡路島で生まれたもので生み出される空間。一つ一つに思いが込められたお料理に愛と情熱を感じた。大阪生まれ大阪育ちの私は、幼い頃から頻繁に淡路島に訪れていて、その地を知ったつもりになっていたけど。淡路島にはまだまだ知らない魅力が眠っているのだ、と気付

          「美しい」の研究報告(8月)

          「美しい」の研究報告(7月)

          Tasteほぐれる、を味わう 7月の休日。友人と共に鎌倉にある「enso」へ行った。ensoはOSAJIが展開する食と香りを体験できる場。真夏の鎌倉にひっそりと佇むこの場所は、時の流れがゆったりと流れ、優しい木の匂いが空間を包む。そこで味わう地元・鎌倉の食材をふんだんに使ったお料理たち。一つ一つ口に運ぶたびに笑みが溢れ、自分の中の凝り固まったものがゆっくりとほぐれていく。自然と会話も穏やかになる。美しい食体験は、料理だけでなくそれが出される空間の質によって左右されるのだ、

          「美しい」の研究報告(7月)

          「美しい」の研究報告(6月)

          Taste美味しい季節 仕事終わりの一杯が美味しい季節がやってきた。先日、東京・代々木にある飲食店「寄」に行ってきた。食とカルチャーが融合した東京のイケてる立ち飲み屋。食だけでなくファッションアイテムやレコードが販売されていたり、アートも展示されていたり。明るい時間からサクッと飲めるのもいい。テラス席ではペット同伴OKらしい。この街の人々の理想が詰め込まれたような場所。ビール片手に楽しそうに会話するお客さんたちの声が音楽のように心地よく空間に華を添える。心地よい、日曜日の夕

          「美しい」の研究報告(6月)