〈東根の風物詩〉
今朝、さくらんぼ収穫のお手伝いをした。一年ぶりの作業。
早朝涼しい田舎の朝。
基本的にAMラヂオが主流だが、少しでも若い人が作業員としていると、勝手にチャンネルを変えて、FMラヂオがBGM。
朝露に濡れる靴。
頭に巻いた手拭い。もんぺ。
腰に縛るビク。
葉っぱの裏に隠れる赤い宝石。
がらもぎ。
脚立を颯爽と昇り降り。
コンテナを裏返し椅子にして休憩。
御年配の方達との交流。
世間話。
全身運動。
滲み出す汗。
上限の無い空。
土の匂いと柔らかさ。
澄んだ空気。
研ぎ澄まされる思考。
そこから湧き立つ世間への疑問。
自問自答。
未来を想像する思考。
管理も責任も無い、ただただお手伝いする農作業。
色んなことを思い出すもぎ取り作業。
脚立のてっぺんより頭から落下したけど怪我ひとつ無かった。
発泡ケースをひっくり返して収穫したさくらんぼをばら撒いたこと。
昼休憩前に必ず聴いていたAMラヂオの人生相談。
灼熱の太陽の元、草刈り作業でメガネに滴り落ちる汗。
蜜蜂を串刺しにしたアブに追いかけられた記憶。
休憩所の効かないエアコン。
そんな事が思い出された今日の畑時間。
人の間を生きるなら、人生一度は、経験するべきだ。
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