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士業の集客について(紹介編 総論)


はじめに

過去に公開している「士業の集客について(概論)」の中で、
“集客手段としては、長期的な効果を見込んでの紹介によるという方法も考えられますが、通常は紹介者との人間関係の構築が必要であるため、実際に集客の効果がでるまでに時間を要し、しかもこれを主たる手段とする場合には、さらに紹介者をある程度の人数確保する必要があるなど、別途考慮すべき点が多いことから、また別の機会に述べることにします。”
としていました。

今回は、この紹介による集客ついて、述べたいと思います。
内容的に長くなるので、総論各論に分けて述べることにします。
今回は、その総論です。
今回も、少しでもみなさんのお役立つようにと、できる限り再現性のある内容にするよう、また具体的な内容にするよう工夫をしていきたいと思います。

紹介の仕組み

紹介による集客を考えるにあたっては、まずはどのようにして士業に対する紹介が発生するのかを分析してみましょう。
これについては、あなたが紹介する立場に立った場合を想定すると分かり易いと思います。

あなたが、あなたの顧客なり知り合いから、弁護士を紹介するよう頼まれた場合のことを考えてみます。
まず、あなたは、あなたが付き合いのある弁護士や知っている弁護士の顔を頭に思い浮かべるでしょう。
そして、もし複数の弁護士が思い浮かべば、その中から今回誰を紹介するのが最も良いのかを考え、複数の弁護士の中から一人を選ぶか、少なくとも紹介していく順番を決めるでしょう。
そして、実際に弁護士に連絡をして、紹介しても良いかどうかを確認するという流れになるのではないかと思います。

ここから分かることは、あなたが紹介するのは、まずはあなたが知っていて、頭に思い浮かぶ弁護士であるということ。
次に、あなたが何らかの基準で選んだ弁護士だということ。
そして、実際に連絡のできる弁護士であるということです。

実に当たり前のことなのですが、これらをきちんと認識しておく必要があります。
それは、あなたが誰かに紹介してもらう場合、その誰かも同じようにして、あなたを紹介することになるからです。
つまり、あなたは、その誰かの頭に思い浮かべてもらい、選んでもらい、連絡をしてもらわなければならないのです。

それでは、一つ一つ順に見ていきましょう。


提供するサービスと紹介者ターゲットの選定

あなたには士業として提供しているサービス、あるいは提供したいサービスがあります。
なので、あなたが紹介して欲しいのは、そのサービスを求めている顧客だということになります。

ここで、あなたの提供しているサービス、提供したいサービスが、一種類しかなければ、紹介を求めるのは、その一種類のサービスを求めている顧客ということで、特に選定は必要ないかもしれません。
しかし、通常、士業は、複数の種類のサービスを提供しています。
そして、その中から、紹介を求めるサービスを選定する必要があります。
何故これが必要かというと、そのサービスの内容によって、紹介者になってもらうターゲットが変わってくるからです。

極端な例ですが、弁護士が離婚事件の顧客となりうる者の紹介を受けたいときに、損害保険会社に紹介者になってもらおうとアプローチしても、紹介を受けることは難しいでしょう。
紹介者を作ろうとするときには、自分が提供するサービス、提供したいサービスの顧客となりうる者を紹介することが可能な、その顧客となりうる者と繋がりのある相手をターゲットにしなければ意味がないのです。
そして、そのターゲットを選定するためには、前提として提供するサービスないしは、提供したいサービスを選定しておく必要があります。


認知してもらう

こうして、あなたが顧客の紹介を望むサービスを選定すれば、その結果、紹介者になってもらうターゲットも選定ができます。
それは、同業者であったり、他士業であったり、ある特定の業種の方であったりと様々でしょう。
それが、これからあなたが紹介者になってもらうために働きかけるターゲットになります。

まずは、そのターゲットと何らかの形で接触をしなければなりません。
その方法は、ターゲットによって様々ですが、交流会への参加、SNSでの交流、オンラインサロンへの参加、各種団体への参加などが考えられます。
ここまでの選定をしっかりとしていないと、目指すべきターゲットのいない集まりに漫然と顔を出して、時間と費用を浪費することになります。

そして、あなたが紹介者になってもらうために働きかけるターゲットと接触するのは、あなた自身をそのターゲットに認知してもらうためです。
そもそも、認知してもらえなければ、そのターゲットにとってあなたは存在しないのと一緒で、あなたがそのターゲットから紹介されることは未来永劫ありません。

ここでは、確実に、そのターゲットにあなたを士業として認知してもらう必要があります。


覚えてもらう

あなたが、ターゲットにあなたを士業として認知してもらえたなら、次にあなたがやることは、そのターゲットにあなたを覚えてもらうことです。
そのターゲットが紹介を求められたときに、あなたのことを思い出して、頭に思い浮かべてもらえなければ、やはりあなたが紹介を受けることはありません。

ここでは、どうやって、ターゲットにあなたを覚えてもらうかです。
一回の接触で難しければ、複数回の交流を持つようにしなければなりません。
また、どうすれば覚えてもらえるのか、覚えてもらいやすくするための様々な工夫も必要です。
少なくとも、士業という肩書きだけで覚えてもらうのは困難でしょう。
何かしらの特徴なり、印象に残るようなものが必要です。
それは、珍しい特技、少し変わった趣味のようなものなど様々なものが考えられます。

そして、当然、あなたとあなたの提供しているサービスをセットで覚えてもらう必要があります。
あなたを思い出し、頭に思い浮かべてもらうためには、あなたの存在とともに、ターゲットが紹介を求められている内容に合致したサービスをあなたが提供しているということもセットになっていなければなりません。


選んでもらう

ターゲットにあなたを(あるサービスを提供している)士業として覚えてもらえたなら、今度は、同じサービスを提供している複数の同業者の中から、あるいは類似のサービスを提供している者の中からあなたを選んでもらう必要があります。
なので、選んでもらうための要素には、最低限、提供するサービスに関する何らかの情報は必要です。
それは、あながそのサービスを専門にしているとか、そのサービスの分野ではあなたが第一人者であるといったようなものです。

それにプラスして、あなたの人となりなども選ばれる要素の一つになります。それは、親しみやすい、誠実そうであるといったようなものです。コミュニケーション能力の高さなども有力な要素です。
これらは、紹介する側からすれば、紹介した相手から自分がクレームを受ける恐れがないかどうかの判断材料になるからです。

また、あなたの経歴や現在の業界でのポジション、これまでの実績といったものも有力な要素です。
要は、あなたが紹介する側に立ったときに、どうしてその人を選んだのかの理由となるような何かです。


連絡してもらう

紹介者になってもらうターゲットがあなたを選んだ場合、当然あなたに連絡をしようとします。
このとき、あなたへのレスポンスが悪ければ、そのターゲットはあなたへの紹介を断念して、やめてしまう可能性があります。
ここで考えてもらいたいのは、果たして、ターゲットは、あなたの名刺を探し出したり、あなたをネットで検索してまで紹介しようとしてくれるでしょうか、ということです。
あなたが紹介する立場に立った場合のことを考えてみてください。
ここでは、紹介者になってもらうターゲットに、できる限りあなたに連絡するための手間をかけさせないことが重要です。

そのためには、ターゲットがいちいち名刺を探し出したり、ネット検索などしなくても、簡単に連絡してもらえるようにしておく必要があります。
たとえば、SNSで繋がっておき、DMなりメッセージを直ぐに送り合えるようにしておくなどの方法が考えられます。


まとめ

以上のように、紹介による集客のためには、最低限、次のことをやっておく必要があります。

0.提供するサービスと紹介者ターゲットの選定
及び
あなたが紹介者になってもらうために働きかけるターゲットに
1.認知してもらう
2.覚えてもらう
3.選んでもらう
そして、
連絡してもらう
ために、必要となる行動です。

今回は、紹介による集客についての総論について述べました。
各論については、また別の機会に述べたいと思います。





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