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びびり倒し初ひとり海外① 日本→スペイン編

2022年の秋にひとりでスペインとフランスに行った。といっても友達やこの旅で友達になってくれた人たちが一緒にいてくれたので、ひとりだったのは移動のみで済んだ。彼らには心から感謝している。
でもやっぱり旅にはハプニングがツキモノで、毎日のように何かしらやらかした。これはそんな私の冒険のショボエピソード集である。

出発前、遠かった成田

まず出発のその日に、飛行機が出る3時間前に空港に着くつもりで家を出たけど、バスが理想より1本遅くなってしまった。でもまあ大丈夫だろうと思って電車に乗って東京駅へ。ここで予定とは違うけど上野からスカイライナーに乗るほうが早そう、と思ったのでそのまま山手線に乗り換えた。無事上野駅に着いたけど、なんか違和感を感じると思ったらスカイライナーが止まっていた。急いで山手線の逆回りに乗り直して東京駅に戻る。着いて成田エクスプレスのホームに行ったら、ちょうど電車が出発しそうな状態で、乗れそうかなと思ったら指定席特急券が必要ですとのアナウンスが流れていてその電車は見逃した。券売機を探して上の階に戻ったら、券売機が長蛇の列だった。とりあえず並びつつどうするか考える。他に券売機ないんかい、と思って駅員さんに聞こうと思ったけど、そのために列を外れて並び直すのももったいないし、そういうときは他にオプションがなくてその状態になっていることが多い(と思い込んでいた)ので、並んで待った。でも、次の電車の時間が近づいても列は一向に縮まらず、ん?これはまずい、次の電車乗れなかったら飛行機間に合わんよ…と焦り始めた。やっとあと5組くらいになったとき、駅員さんが他にも券売機があるので併せてご利用くださいと大声を出し始めた。いや、もうちょっと早く言ってよ…と思いつつ、でもせっかく並んだしと思って列は抜けずに、駅員さんにとりあえず電車に乗ってしまっていいですかと聞く。駅員さんも混乱していそうだったけど、乗ったら車掌が来るので車内で購入していただけますと言われた。もう時間がなくて慌てて電車に乗ったけど、立っている人がいっぱいで、車掌さんが来る余裕もないくらいで、入口すぐのところで1時間立っていた。飛行機間に合いますようにと願いながら震える手でオンラインチェックインを済ませた。

駅に着いて、乗客がどっと降りる。改札には特急券が必要だったことを理解していない外国人がいっぱいで大混乱状態になっていた。なんとか列の前の方に行けたので、駅員さんに大声で切符が買えなかったことを伝えた。いつも声が小さいと言われる私が、こういうときなら声出るんやな、とどこか俯瞰したように思った。急いでターミナルに向かい、途中で両替を済ました。3万円だしたらあと数十円で〇〇ユーロになりますと言われたけど、本当にお札しか持っていなかったので両替してもらえるお金が少し少なくなってしまった。それはいいとして、そのやりとりにかかる時間も惜しいくらい焦っていたので、余分にお金を持ってこればよかったと思った。

手荷物預かりのカウンターには同じ電車で来たらしい人が並んでいて、外国人同士が自分の状況を伝えあっていた。ドキドキしながら待っているとビジネスクラス用のカウンターも開いて、なんとか手続きできた。そのあとはスムーズで、出発ロビーに着いたのが集合の20分前。肝を冷やした。ここまで尿意が完全に消えていた。すごく早く着いて優雅にラーメンでも食べようと思ったのに、と思いながら売店でクリーム玄米ブランを買って、ベンチでモソモソと食べながら待った。新婚旅行らしきカップルが添乗員から説明を聞いているのを横目に、ほっとして大きく溜息をついた。

マドリードの駅のトイレ

アブダビでのトランジットもなんとかうまくいって、マドリードのバラハス空港に到着した。一度来たことがあるのを思い出しながらrenfe(日本でいうJR)に乗り換える。電車は空いていて、無事AVE(都市間を移動する特急)への乗換ターミナル駅に着いた。ここで少し時間があるので周辺を散歩しようと思い、荷物を預けたかったが、ガイドブックに書いてあったロッカーがどこにもない。駅員に聞いたがないと言われ、ないんかい!となった。重いけどそのまま引いて散歩することにして、その前にトイレも行きたかった。トイレが有料なのは知っていたが、きれいそうだし試しに使ってみたい。と思ったが小銭がちょうどなくて、しかもクレジットカードもタッチ式のものしか使用できないようで、うまく支払いができなかった。まごまごしていたら、清掃員の人が見かねてこっそり自分の入場カード的なやつをかざして中に入れてくれた。トイレは明るくてきれいで、座ると少し気分が落ち着いた。

この辺りにロッカーがあると思っていた

そのあと少し散歩して、AVEに乗りセビージャに向かった。スペイン語の先生のアドバイス通り静寂車両を選択して座席を購入していたので、車内は静かだったが、しばらくすると隣の席の男性が普通に電話をし始めて他の乗客に注意されていた。それでもなんか言い返していたのでちょっと面白かった。

日本を出発して約30時間、やっと今回の1つ目の目的地、セビージャに着いたのだった。

セビージャの夜の睡魔

セビージャに着くと今回お世話になる友達が待っていてくれた。会えたことに一安心し、車に乗せてもらって家に向かった。

車がバンバン走る道路でなぜか大道芸をする人

家に着くと、トイレやお風呂などを紹介してくれて、滞在中の数日間は部屋一つを丸々使わせてくれると言ってくれた。なんとありがたい!と思いつつシャワーをさせてもらって、夜予定があったけどそれまで少し眠らせてくださいと言ってベッドで寝た。

起こされて、ん?と思ったらもういい加減行かなくてはいけない時間だった。呼んでも揺すっても起きないから死んだかと思ったよ、と言われてそうとうぐっすり眠ったことが判明して申し訳なく恥ずかしかった。急いで準備して出発した。

その日の行き先はフラメンコが見れる場所で、でも出発が遅れたせいで到着した頃には観客がいっぱいになっていた。入口の担当者がもう入れませんと言っていたので、残念だけど仕方ないかなと思った。でも、粘り強く待ったらあと一人入れてくれるとのことで、私だけ中に入ることになった。私が寝すぎたせいでそうなったので連れて行ってくれた友達には申し訳なかった。でも素晴らしいライブだった。

ライブのあとは興奮が残りつつも旅の疲れと時差ぼけに負けて睡魔が襲ってきた。加えて空腹だったのでケバブを食べて帰った。この時点で日付が変わっている。バスが残っていなかったので、タクシーに乗って帰った。夜の街を眺めながら少し眠ってしまった。

セビージャの朝のトイレ

セビージャ2日目は目まぐるしくもハプニングは起こらず無事過ぎた。

3日目、この日は朝早く出発する必要があり、バルに朝食を食べに行く時間がなかったため家で朝ごはんを作ってもらい、ありがたくいただいた。私は食事の際に飲み物を摂る習慣のない家で生まれ育ってしまったため、食べながら飲むことに慣れていない。でも目の前にあれば飲む。ただ、ヨーロッパでは不思議なことにコーヒーor紅茶と一緒にジュースも出す習慣があるようで、このときも紅茶とオレンジジュースをいただいた。本当にありがたいしすごくおいしかったのだけど、これが私には過多だったようで、家を出て10分足らずでものすごくトイレに行きたくなってしまった。バス停に着いたけどバスがなかなか来ず、これからバスが来ても乗って何十分も我慢できない…と思ったので近くのバルに走って借りられないか聞いてみた。なんとか伝わって快諾してくれたので事なきを得た。トイレは無駄に広くてきれいだったのを覚えている。そしてちょうどよくバスが来たので、本当にすんでのところで助かった。

その日は半日をイベントに費やし、たくさん食べて夜は散歩をした。疲れ切っていたが充実していて、せっかくスペイン語が耳慣れたし名残惜しかったけど次の日はフランスに移動ということになった。この移動ではいろんなことが次々と起こった。その話はまた稿を改めたい。


セビージャ最後の夜の景色

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