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kogabun
ココア
寒い冬の朝。時間潰しに入ったパン屋で、ココアを注文した。朝は珈琲と決まっている。カフェインと珈琲の香りで朝の憂鬱な気持ちを奮い立たせる。けど、今日は目に入ったホットココアの名前に惹かれて注文した。
「今日はココアなんですね」
顔見知りになった店員さんのスマイルに少しドキッとした。
席について一口すする。
口の中に甘いチョコが広がった。肩の筋肉がほぐされて下に下がっていく。
――ああ、脱力。
「甘い」に身体が歓喜している。
「甘い」に脳が幸せをたくさん出している。
「甘い」に僕は飢えていた。
「美味しかったですか?」
返却棚にトレイを持って行った際に、定員さんが言った。
「ええ、とても」
僕ほスマイルで返した。
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