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#7-11 わたしのあし 『にげてさがして』

間違いなく、わたしが今読むべき1冊でした。

あまりに心を揺さぶられて、包み込まれて、許されて、思わず涙しました。

どうしようもない悲しみや、苦しさが迫っていると気付いていても、どうしても立ち向かおうとしてしまいます。立ち向かえと言われて、正しいと信じて、育ってきた気がします。

世の中にいろいろな人がいる以上、すべての人と仲良く楽しく生きていくなんてことは理想論だと知っていながら、いつもどこかで期待してしまう。期待したせいで裏切られた気持ちになる。わがままな自分がいます。

何度もボロボロになって、涙を流して、それでもこころに鞭打って、次々にやってくる「今日」にあしを踏み出してきました。


わたしのあしは、わたしのために、動くためについています。

わたしの足は、逃げるために、変えるために、変わらないためについています。

今、わたしの動ける範囲はとてもとても限られていて、すぐに逃げられるようなやさしいものではありません。

それでも、いつか、いよいよ動こうと決意した時に、寝たきりになってしまっていないように、少しずつ、にげて、さがしてを繰り返して、そのいよいよに備えようとおもいます。

赤ちゃんの時には、ずっと動いて、歩く練習をしていたはずなのに、いつの間にかそれが当たり前になってしまっていました。

しゃがみ込み、蹲るためではなく、探し回り、避けながら、動き続けるために、じぶんの足を使おうとおもいます。


当たり前だったはずなのに、忘れてしまっていたことに、そっと気付かせてくれる1冊でした。

本当にありがとうございました。



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