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独立事業主としてのプロコーチの特質 その1ー労働集約型産業であること

サラリーマンからプロコーチとして独立する場合、初めて独立事業主(自営業)になるケースが多々あります。

周りに自営業の方がおられると少しは心構えもできていますが、予備知識無しで独立し、「こんなはずではなかった・・」と戸惑う方もおられます。

今回と次回に分けて、独立事業主という側面でのプロコーチ業についてお話したいと思います。


プロコーチという職業を収入という観点で考えてみると、その特質は2つあります

  • 労働集約型産業であること

  • Sクワドラントであること

2つとも聞きなれない言葉かもしれませんね。

今回は1つめのテーマ、労働集約型産業であることについてお話します。
(労働集約型産業とは何か?についてはこちらをご覧ください)

プロコーチの収入の方程式

コーチングに限らず、独立事業主の仕事の多くは、給与と違って、働けば働くほど収入が増える図式になります。

つまり実働時間が収入と直結する訳ですが、別の言い方をすると、時間の切り売りとも言えるでしょう。

収入の方程式もシンプルです。

コーチングの月収=1回当たりの平均セッション代(単価) × 1ヶ月のセッション回数(人数×頻度)

これで算出できます。

例えば、コーチングの料金体系を以下のように設定したとしましょう。

  • 一回のコーチング代は10000円

  • 一回のセッション時間は1時間。

  • 一ヶ月で2回コーチングセッションを受けることを原則とする

クライアントの人数が10人だとすると1ヶ月の収入は、
月収= 1万円 × 20回(クライアント数10名×2回/月)

月収は20万円となります。

コーチングの収入を増やしたい場合、どうすればいいでしょうか?

シンプルに言うと、以下の答えになります。

  1. セッション1回当たりの単価をあげる(1万円→1万5千円)

  2. クライアント数を増やす(10人→20人)

  3. 一ヶ月のセッション頻度を増やす(例 月2回→月3回)

仮に上の例にあげたとおりになると、
1万5千円×20人×月3回=90万円 です。

もちろん、実際にはこんなふうに単純に増えることはありません。
まず単価を上げると、契約を打ち切られることもあります。

コーチング代を上げる際、継続クライアントの代金は据え置きで、新規クライアントから新しい料金体系に適用するという話もよく聞きます。

あと収入を増やすというと、2.クライアントの数や3.セッション回数を増やすという手段をまず思い浮かべがちですが、そこは慎重にしていただきたいです。その理由をお伝えしていきます。

プロコーチ業は、労働集約型産業であること

プロコーチ業は、自分が働く時間数によって収入が変動する仕組み、つまり労働集約型です。

確かに多くのクライアントがいれば、コーチングのセッション時間も増え、それに比例して収入も増えるでしょう。

しかし、収入が増えさえすればいいのかというと、一概にそうとも言えません。

家族との時間、学びの時間、趣味の時間・・・といった自分の自由時間を増やしたいと思って独立したにも関わらず、売上をあげようと頑張った結果、勤めていたときよりも時間が取れなくなった。そんなジレンマに陥る話はよく聞きます。

また心身が健やかであることは、私たちが提供するコーチングセッションの質を保つためには欠かせません。
なので、寝る間も惜しんでセッションに励むのも考えものでしょう。

巷では「ワーク・ライフ・バランス」が盛んに言われてます。
日々の労働時間(どれだけ働くのか)とそれ以外の時間、そして収入との兼ね合い、そのバランスをいかに取るかは、独立事業主にとって永遠のテーマです。

一人ひとりの状況によって、収入の方程式は異なる

プロコーチの収入の方程式、そこに正しい答えはありません。
お一人お一人、プロコーチ業に費やせる時間数が異なるからです。

駆け出しの頃はとくに経験を積むため、とにかくクライアント数、セッション時間を増やすのもアリだと思います。

また、家族の状況によっても変わるでしょう。
お子さんが小さい、ご家族で介護が必要な方がいるといった事情でも、コーチング以外にどれくらいの時間を確保すべきかが違ってきます。

ただ収入の方程式は時間数からだけでなく、必要な収入の観点からも考える必要があります。

つまり、月々でどれだけの収入が最低限必要なのかです。
扶養家族の有無、住宅ローンの有無や子供の教育費などによって変わってきます。

ご自身の状況を加味しながら、現地点で望ましいプロコーチ業の収入の方程式を導き出してみてください。

次回はもう一つの特質、「Sクワドラント」からみた、プロコーチ業についてお話します。


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