みんな、BOØWYになりたかった -バンドブーム、レコード店内の秘蔵写真を大公開!
「日本を代表するバンド」と聞いて、あなたはどのバンドを思い浮かべますか。
若い方なら‘ヒゲダン’や‘ワンオク’、King Gnuと答えるでしょうか。‘アラフォー’世代の方ならGLAYやラルクアンシエル、X-JAPANの名前を挙げるかもしれません。もっと上の世代の方なら、はっぴいえんどなんてシブい答えを出す方もいるでしょう。
今回のエピソードの主役は、この質問にもしかしたら「BOØWY」や「プリンセス・プリンセス」、「THE BLUE HEARTS」と答えるかもしれない、1980年代、とくにその後半である昭和60年代から平成初期の「バンドブーム」の波に、全力で乗った若者たちです。
1970年代後半に英米で興った、セックス・ピストルズなどを旗手とする「パンク」ブームと、その後の「ニュー・ウェイヴ」ブーム。これら英米の音楽ブームを「まずはリスナーとしてとらえ、そこから培われた『音楽的自我』をもとに、自分自身の音楽へと変換する者」として1980年代に続々とデビューを果たしていくのが、プリンセス・プリンセス、ブルーハーツなど、日本の「バンドブーム」の主役となる若きバンドマンたち。彼らがヒット曲を連発する1980年代後半は、生産枚数でも販売枚数でもCDがレコードを逆転する時期と重なるため、日本のバンドブームは、音楽のニューメディアたるCDにとって最初のブームでもありました。
奥居香(現:岸谷香)率いる昭和時代のガールズバンドの代表的存在「プリンセス・プリンセス」、氷室京介と布袋寅泰という2枚看板が熱狂的な支持を集め、人気絶頂のうちに解散した「BOØWY」、他にも甲本ヒロト率いる「THE BLUE HEARTS」、プリプリと共にガールズバンドを背負って立った「SHOW-YA」、男女ツインボーカルが特徴だった「BARBEE BOYS」、平成元(1989)年2月から放送を開始したテレビ番組『三宅裕司のいかすバンド天国』を勝ち抜いてデビューを果たした「イカ天バンド」と総称されるバンドなどがヒットを飛ばし、日本のロック百花繚乱と言える時代でした。
これらのバンドに影響・触発される形で、アマチュアミュージシャンたちの活動も活発に行われていたようです。当時から練習スタジオを経営している方は、このように振り返ります。
憧れのBOØWYやブルーハーツの曲たちが、演奏してみると「ちょっとコードを知っていれば、一応の格好はつく」。これは新居浜・西条に限らず、日本中のアマチュアバンドにとって大きなモチベーションになったことでしょう。
一方で、このようなバンドブーム期の話をすると異口同音に聞こえてきたのが、2023年現在の「今」をときめくバンドの話。それは、バンドブームのバンドたちの「ときめき」方とは少し質が異なるようです。
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