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東京都交響楽団コンサート

2021.10.31
『東京都交響楽団コンサート』
 白河文化交流館コミネス

アントニン・ドヴォルザーク🇨🇿
・チェロ協奏曲 ロ短調
・交響曲第8番     ト長調

指揮:小泉和裕
チェロ:佐藤晴真
東京都交響楽団

この大好きな2曲を、最高のソリスト、指揮者、オーケストラで聴くことができるというコンサートに行ってきました。

チェコが好きな自分にとってドヴォルザークは特別な作曲家。しかもチェロ弾きにとってはドヴォルザークのチェロ協奏曲はチェロを代表する名曲中の名曲。交響曲第8番はチェロが大活躍する自分も学生時代に演奏した思い出深いプログラムとなりました。

ソリストの佐藤晴真さんはNHK-BSP『クラシック倶楽部』で観てから、ずっと聴いてみたかったチェロ奏者。

東京都交響楽団は初めて聴くものの、『ドラゴンクエスト』のオーケストラCDを全て録音収録しており、今まで私はCD、ゲーム含めとんでもない回数を聴いてきました。

そしてほぼ地元、新しい仕事場である白河開催。

これは自分のために準備されたコンサートだと思い自意識過剰気味にチケットを購入したのでした。


そして当日。

郡山から白河まで電車で移動。
白河駅から歩いてすぐの白河コミネスはアクセス抜群。できて5年の新しくて綺麗なホールです。

開場したと同時に1番でホールに入り、誰もいないステージやホールの写真を撮ったり、プログラムノート(曲目解説)を読んだりする至福の時間。

スタッフの方に桜をイメージした観客席と教えていただきました。とても綺麗な客席。

開場から開演までの1時間で充実した時間を過ごすことができるようになったのは、きっとJリーグ観戦(ベガルタ仙台のユアスタ)の経験が活きているのだと思います。スタジアムの写真を撮ったり、選手名鑑を見直したりする時間のようなもの。

ちなみに予約した座席はソリストとチェロが1番よく見える下手側(左サイド)。

舞台裏からそれぞれの楽器の音が鳴り始め、いよいよコンサートが始まります。

1曲目はドヴォルザークのチェロ協奏曲。
オーケストラが入場してから、指揮者、そしてソリストの佐藤晴真さんが入場。

ほとばしるオーラ。

ドボコンは演奏が始まってからは、オーケストラが主題を演奏するのですが、演奏していない晴真さんを観ていました。そしていよいよソリストの演奏がオーケストラに加わります。

もの凄い躍動感。

そこからは3楽章まで一気に引き込まれまして、本当に至福の時間でございました。

ステージから聴こえてくる音が最高なのはもちろん、フレーズを弾き切った時の弓の動きがカッコよくて演奏の雰囲気含めて完全にファンとなりました。

佐藤晴真さんは2019年ミュンヘン国際音楽コンクール/チェロ部門において日本人として初優勝。現在23歳。これから世界で大活躍する演奏家をこんなに近くで観ることができて本当によかった。

鳴り止まない拍手の中、佐藤晴真さんは颯爽とステージから降りていったのでした。

20分の休憩。

その後始まったのはドヴォルザークの交響曲第8番。この曲は印象的なチェロの序奏から始まります。4楽章もチェロは大活躍。

今回の演奏会は何度も聴いてきた2曲ということもあり、あえて録音は全く聴かず『ボヘミアバロック』を1週間ほど聴き続けました。ドヴォルザークの出身地、チェコ🇨🇿のバロック時代の音楽です。

ドヴォルザークはプラハからちょっと離れた町の生まれの肉屋の息子なのですが、プラハで成功を収め、ウィーン、ロンドン、モスクワ、そしてアメリカと大都市を渡り歩く超売れっ子作曲家となっていきました。そのルーツを考えると『ボヘミアバロック』という曲があったというところに行き着きまして、通勤時間などで聴いていたわけです。

すると聴き慣れてきたはずの交響曲第8番がとても新鮮に感じられて、更に面白さが増してきました。ここボヘミアっぽい。民族的とか思いながら聴いていました。自分は日本人なんですけど。

交響曲第8番も大きな拍手に包まれて終演。

東京都交響楽団の皆様も素晴らしい演奏でした。
そして指揮者の小泉和裕さん。とても分かりやすい指揮で最高でした。指揮者というより、周りのオーケストラ、ソリストが目立つという、奏者は絶対弾きやすいだろうなという指揮でした。

アンコールは無し。
自分はアンコール無しのコンサート好きです。

ここまではインスタに投稿した内容です。
ここからはnoteに思い出として追記します。


終演後、白河駅で帰りの電車を待っていると30分待ち。

駅の改札でコンサートの余韻に浸りながら電車を待っていると、ヴァイオリンや管楽器を持った方々が続々と登場。

なんと東京都交響楽団の皆様が白河駅に集結してきたのです。徐々に増えていくメンバーたち。そしてその中にいる自分。日曜の白河駅、夕方に電車を待っている人はほとんどいないため「自分+都響の皆様」という状況となりました。(思い込みもあるかも)

この状況は何だろうと思いながら、ここで話かけるのが私なので、後から駅のホームに向かっていったチェロを背負っていた方に思い切ってお声がけさせていただきました。その方はドボ8の時に1番観ていたチェロ奏者。弾き方や合わせ方も凄いなと思いながら終始観ていました。駅のホームで突然の見知らぬ男性からの声かけにも関わらず、とても親切で優しく話をしていただきました。

「突然すみません。先程のコンサートにお伺いした者なんですが..」

から話が始まり、

コンサートが素晴らしかったこと、白河コミネスのこと、ドラクエの都響録音のCDのこと、すぎやまこういち先生のこと、追悼演奏の都響による「ドラクエⅡ レクイエム」をYouTubeで観たこと、次回演奏するワーグナーのオペラのこと(4時間を超える大作)、バッハのマタイ受難曲のこと(こっちは3時間超え、今年初めて配信で観たことを伝える)、マタイの面白かった点、BCJのこと、鈴木優人さんのこと、ラジオ『古楽の楽しみ』のこと、自分もチェロを弾いていること。

あっという間に時間は過ぎていき、
BACHと数字の関連についての話を教えて頂いている時に帰りの下り電車がホームに到着。

「今日はありがとうございました」

とお伝えし、帰りの電車に乗り込みました。

自分が感想を伝えたいということ思いがあったので声をかけさせていただいたのですが、思い切って話してみて本当によかった。とても充実した時間となりました。

後で東京都交響楽団のサイトを見たところチェロの「長谷部一郎」さん。プロフィールを隅々まで読んで、改めて凄い方と話することができたんだなと、帰りの電車で話した内容を振り返っていました。

演奏会翌日、更にソリストの佐藤晴真さんにもSNSで感想をお伝えしたところ、直接お返事をいただくというまさかの展開が起こり、演奏会後も余韻に浸り続けています。

長谷部一郎さんにもSNSで感謝のメッセージをお伝えし、それぞれの白河駅から撮っていた夕陽の写真を送り合うという粋な交流をさせていただきました。おそらく長谷部さんはカメラに詳しい。

自分はアマチュアではありますが、演奏会が終わった後に感想を伝えて貰えるととても嬉しい。

コンサートに行った時はなるべく直接感想を伝えたりアンケートも答えるようにしているので、今回はそういったところも含めて満喫することができました。

長くなりましたが、コンサートの感想は熱が冷めないうちに。自分にとって、これからも記憶に残り続ける演奏会となったことは間違いないです。

本当に最高のコンサートでした。

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