卒業宣言

小学校の卒業式で、卒業証書を受け取る前に、将来の夢を大きい声でいってから受け取るというのがあった。卒業宣言と呼んでたと思う。
当時、既に「自分でこれがしたい」よりも「人にこれを求められてるからする」が強い小学生だった僕には非常に難しいお題だったと思う。

サッカー選手になりたい訳ではないし、教師や学者やなにか特定の職業に憧れてもない。何よりそんな事を人前で宣言してなにか期待されてもリスクだ。みたいな事を考えていた。

その結果として、「誰かの役に立てる人になりたい」という、抽象的で意味のない宣言をした。そんな宣言を選んだ自分のことを嫌ったけど、周りの大人は存外喜んでくれた。

それから15年が経って今になっても、その場に立ったときに同じセリフしか言えない気がしている。あの頃より大人になって更に外からの目線に敏感になった僕は、あの頃よりさらに当たり障りない言葉を述べるだろう。

だけど、今それをやっても、周りの大人はもう喜ばない。そろそろ自立した、自分の意志で動く人間になる必要がある歳だから。

自分の興味も、言ってしまうことの怖さにもちゃんと向き追わないといけない。

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