インド1人旅 5

バスの急停車と
車内のゴソゴソした物音で目が覚める。
カーテンを開けると人だらけの車内。

通路に座る人々

きっと、次の目的地アグラに着いたのだろう。オフラインマップで位置情報を確認してみると、中心部から少し離れたところに降ろされている。インドの中長距離のバスは基本的に街の中心部には止まらない。
バスから降りた後にその乗客を引き取るように、トゥクトゥクドライバーが何台も待ち合わせており、次々と客を目的地まで連れてこうとする。こうしてインドのトランスポーテーションビジネスは回っているんだろう。目星をつけていたゲストハウスからは距離にして約5キロほど。歩いて向かうか。基本的に選択肢に歩くということが常に当たり前にあり、物価は安いけどトゥクトゥクを使う選択肢はあまりない。まぁ時間はあるし、寝起きで少し霧がかった街の中を歩くのも悪くはないだろう。
途中チャイを挟む。インドも慣れてきたな。
きっとチャイは3口くらいで終われるこの量だからいいんだろう。

この街で泊まるゲストハウスに到着。
値段の割には小綺麗で、シャワーもしっかりとした湯圧だった。
少し仮眠をとった後に、明日向かうタージマハル近くまで歩いたけど、途中でコスタを発見したのでカプチーノをオーダーする。(カードが使えるコーヒーショップは自分の中ではノーカウント。でもスタバとかコスタは行くのは本当に最小限にするとは決めてる。これはその1回)
途中韓国人の男が韓国人かと思って話しかけてくれた。(この旅で50回くらい、韓国人?って聞かれました)彼は学生時代インドにバックパッカーに来た後、韓国でインストラクターをしていたが、コロナ禍で自分を見つめ直した後、世界一周を決めたらしい。インドには1ヶ月ちょいいるみたいだ。
自分を見つめた後に海外に出る人は多い。どんな理由でも期間でも、時間と距離はかけるほど、価値は重くなる。でも、それよりも何処かに行くことが重要なのではなくて、そこで何を感じたり、考えたりすることのほうがよっぽど大切な気がしてならない。

お腹の調子がほんと少しずつだけど戻ってきたので、近くの屋台で、チョーメン(いわゆるインド風塩味の焼きそば)を食べる。めちゃくちゃ脂っこいとは聞いてたけどさっぱりしてたな。

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翌朝、タージマハルへ。
ムガル帝国第5代皇帝であるシャー・ジャハーンが亡くなった愛妃のために22年もの歳月を費やして建てた白大理石でできた世界一豪華絢爛な墓である。妻のムムターズ・マハルは遺言で「後世に残る立派なお墓に入れてほしい」という遺言を残しており、輪廻転生の文化を信じるヒンドゥー教徒にとってお墓は文化として作ることはないが、大切な人のために皇帝が作った墓なのだ。すぐ近くを流れるヤムナー河畔に建つ白亜のドームは時間や文明が経つにつれて、その建築と1つの大切な人を思う気持ちとしての美しさは増しているように見える。
タージマハル自体は外側からは見えず、入場して大きな門をくぐろうとすると目の前に一気現れる。

息を呑むとはこういうことなのかもしれない。


雲ひとつない青い空とのコントラストが
綺麗だ。今日は天気にすごく恵まれていたな。


観光終わりに近くの安いレストラン入ると、
アジア人がたくさん来訪した後がある。メニューを見てみるとオムライスもあった。

手作りのオムライス

ホテルに戻りパッキングをしなおし、次の目的地のバスストップへ。途中マーケットの間を通っていく。子供達が元気に手を振ってくれる。
振りかえすとこちらに走ってきて、
「どこからきたのー?」
「なまえはなにー?」
とその屈託のない笑顔で話しかけてくれる。
その子のことなんて全く知らないのに、でも確かにまっすぐで、正直なことがわかるようだった。裏がないっていう安心感ってあるよな。
その子達を見ていると、人がいつだって欲しいのは誠実さなのかもしれないと考える。
でも、その測ることのできない深さをつくるのは相手を信じる強さではなくて、自分を信じることなのかもな。

カラフルな街並み

夕暮れ時、バスストップに到着したけど、
本当にここであってるかわからなかったが
あとから大柄のドイツ人のメルク(適当)が来た後にここがあってるとわかる。バスはここに止まらないらしく、2人でバス会社が用意したトゥクトゥクで別のバスステーションに移動する。

物置みたいな場所

少しカビ臭くて、小汚いバスは、次の街へ。

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