神南

ジンナン。原宿と渋谷の間にあるにも関わらずあまり主張のないその街は、相も変わらず存在している。
渋谷でいいとか、原宿じゃないかとか、なにかとまとめられてしまう。でも、そんな狭間感が好きなのだ。

どちらから近いか……これは難しい。しかし、渋谷から足を踏み入れるという人が大半ではないだろうか。
なぜなら「渋谷モディ」辺りまで行けば、既にそこは神南だからだ。原宿からは「国立代々木競技場」の方に向かうだけではあるものの、わざわざあちらの方に行くことは少ない。せいぜいイルミネーションを見に行く時ぐらいのものだ。

狭いエリアではあるものの一丁目と二丁目があり、「渋谷モディ」の辺りが一丁目、「国立代々木競技場」の辺りが二丁目となる。狭いというよりは細長いという方が正しいか。
人の流れが常にあり原宿と渋谷から地続きの立地なので、歩いている時は意識することなくシームレスに切り替わっている感覚だ。

スポットが当たりづらい一因としては、やはり駅が無いことだろう。
例えば代々木とか神泉とか、近くの大きな街（新宿や渋谷）と一括りすることも不可能ではないのに、独立したエリアとして一定のネームバリューがあるのは駅の存在が大きい。
では神南駅の必要性はというと、渋谷と原宿で十分事足りるというのが現実である。
しかし、全く交通手段が無いわけではない。そう、バス停である。
正式名称は「神南一丁目」で、京王バスのバス停の一つ。訪れる際はバスで来るのもいいのではないだろうか。尤も、渋谷からは歩きで行ける範囲なので使う機会も少ないかもしれないが……。

オマケのように扱われがちだけど、店舗も充実していてショッピングが楽しい、魅力の詰まったエリアだと思う。
原宿や渋谷にだって負けないぐらい推せる街、それが神南。