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スイートスポットトレーニング(SST)について理解を深める

今回はFTPを高めることに効果的なスイートスポットトレーニングについて解説してくれている海外記事をご紹介します。

記事を書かれている方は度々ご紹介しているHurleyさんで、trainerroadのホームページより参考にさせて頂きました。

いつもながら意訳、要約を行っていますので予めご了承くださいね。




◆ご紹介する記事


スイートスポットトレーニングとは何か?

スイートスポットトレーニングは88-94%FTPほどの強度で行うトレーニングで、FTPに近い強度でインターバルを行うものです。

スイートスポットトレーニングは比較的高いパワーを長時間継続し、疲労耐性を高めることを目的に行われ、結果FTPの向上が望めます。

主観的疲労強度(RPE)は7/10(=かなりきつい)ほどに該当するため、狙いとする強度(88-94%FTP)は高く、決して楽にこなせるものではありません。

しかし100歳を越えるご年齢であろうとも、競技力の高いトライアスリートであろうとも、スイートスポットトレーニングは効果的です。

このトレーニングのパワーゾーンは88-94%FTPほどになり、つまりテンポゾーンと閾値ゾーンにまたがった領域です。

この領域では筋肉に過大なダメージを与えることなく筋疲労を起こすことが可能です。


なぜスイートスポットトレーニングは効果的なのか?

スイートスポットトレーニングは週に数回行うことで有酸素能力を高め、筋持久力を養います。

特にベーストレーニング期間に行えれば、毛細血管網の発達が起こるでしょう。

このことは必要とする酸素や栄養分を血液に乗せて筋肉へ多く運べることを意味します。

また、ミトコンドリアの強化も狙えます。ミトコンドリアが強くなるほど、有酸素能力は向上します。

同様に心臓や脂質代謝などの向上ももたらされるでしょう。これら体の適応は並行して実現されます。

筋に必要な酸素がより多く運ばれることで、より多くの有酸素エネルギーを生み出すことがで、その結果FTP以上のレッドゾーンに立ち入ることなく高いパワーを維持することができるようになります。

つまり、より速く走れるようになるのです。


どのような人がスイートスポットトレーニングを行うべきか?

スイートスポットトレーニングはほとんど全てのサイクリストに推奨できます。

何故ならトレーニングストレスを徐々に高められることが出来るからです。

プロ選手においてもレースシーズンの前にはスイートスポットトレーニングを実施しています。

どのようにスイートスポットトレーニングを取り入れるかは確保できるトレーニング時間によって変わりますが、ベーストレーニング期に行うことが効果的です。

ベーストレーニング期には2つの方法が考えられます。

一つ目はゾーン2での低い強度を選択する方法です。これは伝統的なアプローチで、かなりのトレーニング量が求められます。

この伝統的なトレーニング方法は週に10-20時間のトレーニングが必要でしょう。

しかしながら、私たちはそれほど多くの時間をトレーニングに充てることは難しいですね。

それを解決するものがスイートスポットトレーニングで、週に5時間ほどのトレーニング時間で計画を進められます。

この時間的な利点が、スイートスポットトレーニングをおススメする理由です。


どのくらいの頻度で行うべきか?

それは有酸素能力をどの程度向上させたいのかによって左右されます。

また、あなたに必要なスイートスポットトレーニングの量はあなたのトレーニング経験によっても変わってきます。

例として、3つの方法をご紹介しましょう。

◆Low-volume plan
トレーニングを始めたばかりの人であれば、少ない量から始めることをおススメします。

例えば週に3回のトレーニングプランです。週に1~3.5時間ほどスイートスポットの領域を実施します。

◆Mid-volume plan
このプランではエンデュランスや閾値強度のトレーニングもミックスされ、週に5回トレーニングを実施します。

典型的には、週に3.5時間ほどスイートスポット領域でトレーニングを行います。

このプランはトレーニング量の確保とスケジュール調整の両面でマネジメントがしやすいものです。

◆High-volume plan
このプランではより多くの時間をスイートスポットゾーンに充てます。

週6回のトレーニングのうち5回を、60-120分のスイートスポットゾーンに費やします。

ただしこのプランは豊富な経験のある、回復能力の優れた競技者向けのものです。

栄養管理や休息の効果的な実施方法を知っていることが前提で、中程度の量では今以上のパフォーマンス向上が望めないような選手に向けて提案するものです。


スイートスポットトレーニングの実施方法は?

まずはFTPテストを実施して、現在のFTPを確認してから実施することが大切です。

Ericsson

ご紹介記事より参照

Ericssonは1時間のスイートスポットトレーニングです。

それぞれのインターバルは8分間88-94%FTP強度、4分レストで4セット実施し、合計32分間スイートスポット強度に費やすことになります。

トレーニング難易度は段階的に高めていきましょう。

トレーニングが進むに従ってインターバルは長くなり、その分辛さも高まります。

まずはEricssonのようなトレーニングから始めて、段階的にインターバルの継続時間を長くしていきましょう。


Carson

ご紹介記事より参照

CarsonはEricssonの次に行うと良いトレーニングです。カールソンは5-7分間88-94%FTPを維持します。


Eclipse

ご紹介記事より参照

次にご紹介するのはEclipseです。こちらは20分間スイートスポット領域を維持するインターバルを3セット実施します。

以上このように、段階的に実施できるトレーニングを持ち合わせていることが望ましいでしょう。


スイートスポットトレーニングの5つのTips


スイートスポットトレーニングは辛いものです。しかし、このトレーニングをいくらか易しいものにする工夫もあります。

適した栄養補給と道具によって、トレーニングを効率的に進めていきましょう。

1.炭水化物の摂取
スイートスポットトレー二ングは主に糖質がエネルギー源となります。

そのため3~4時間前に炭水化物が多く含まれるものを摂取しておきましょう。

もし減量目的であっても、トレーニングに必要な分は摂取しましょう。

また、トレーニングが長時間にわたる場合は実施中も炭水化物をとりましょう。


2.水分補給
1時間に少なくとも1ボトル(恐らく500ml)は水分補給を行いましょう。

糖質や電解質の含まれたスポーツドリンクを選択するのも良いでしょう。

また、氷を入れておくことで体温調整にも役立てられます。


3.冷却を忘れずに
トレーニングの辛さを軽減するために最も効果的なことは体を冷却することです。

扇風機などで体に風を当て、体温を下げられる環境を整えましょう。


4.音楽を聴く
音楽はトレーニングの辛さを軽減してくれます。好みのアップテンポな曲を選んでみてください。


5.仲間と共に
仲間と実施することで、トレーニングは短く感じるものです。お互いに励ましあいながら実施すると、より効果的でしょう。



ご紹介した海外記事にあるように、スイートスポット領域(FTPの88%~94%)は決して楽なトレーニングではありませんが、息がゼーゼーと苦しくなるほどの強度でもありません。

私はしっかりとこの強度でトレーニングが行えた日は、「よし、今日もいいトレーニングが出来たな」とメンタル的にも良い影響を感じます。

皆さんもスイートスポットトレーニングを取り入れながら、是非日々のトレーニングを豊かなものにしてみてください。

今回も最後までお読みくださりありがとうございました。

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