「キャリアのVSOP」にもとづく戦略的キャリア形成
今回も、あなたの人生をウェルビーイングに導く思考のヒントをお伝えしていきます。
今回のテーマは「キャリア形成」です。
この記事では、仕事やキャリア形成が上手くいかない原因が、あなた自身の信念や価値観が悪いわけではなく、たまたま今の年齢や時代、環境と現状のあなたがマッチしていない(相性がよくない)だけであることを明らかにします。
そのなかで「キャリアのVSOP」(Variety, Specialty, Originality, Personality)という考え方を紹介しながら、あなたのキャリア形成、しいては人生を成功に導くための戦略的思考のヒントをお伝えします。
あなたは間違っていない
いまあなたの仕事は順調ですか?
望み通りのキャリア形成ができていますか??
この質問に自信をもって「YES!」と答えられる人はおおくはないでしょう。だれだって何かしら自身のキャリア形成について不満や不安をもっているものです。
ここでまず強調したいのは、そのうまくいかない状況を生み出している原因は、あなた自身ではないということです。決してあなたの信念や価値観、行動が悪いわけではないのです。
悪いのはタイミング
ではなぜうまくいかないのか?
この疑問を解くカギは「タイミング」です。
仕事やキャリアの成功には「タイミング」の要素が強く関与します。この「タイミング」とは、言い換えると「あなたの年齢と周囲の環境とのマッチング」のことです。
たまたま今のあなたの年齢や現在の時代背景がうまくマッチしていないことで、あなたが苦しみ悩んでいるのかもしれないのです。
キャリアのVSOP
「キャリアのVSOP」を知っていますか?
1978年に刊行された以下の本で紹介されている考え方です。
ブランデーの等級をあらわす「VSOP」という言葉にひっかけながら、各年代でどんなキャリアを積んでいくべきかをアドバイスした内容になっています。
その内容をざっくりと解説すると、以下の通りです。
20代はVariety(バラエティ)
バラエティは多様性を指します。
20代ではとにかく多彩な経験を積むことが大事です。
何事もやってみないと、向き不向きや得意不得意がわからないものです。
20代の若いうちは、異なる経験やスキルを積極的に取り入れておくのがよいです。それが将来いきてきます。
30代はSpecialty(スペシャリティ)
スペシャリティは専門性を強化することを指します。
20代で経験したことのなかから「オレはこの分野で勝負する!」と決めて打ち込むのです。自身の得意分野を深化させ、専門性を高めていくのです。
これをうまくやるには、20代のうちに自分の適性を明らかにしておく必要があります。だからこそ、20代のうちはバラエティ豊かな多様な経験を積んでおくことがよいのです。
40代はOriginality(オリジナリティ)
オリジナリティは独自性を強調します。
40代になると専門性だけでは勝負できなくなります。同じだけの専門的知識や経験をもった若手や異業種の人たちと対峙(ときには競争)しなければならないからです。
ここで大事になってくるのは「自分らしさ」です。
高い専門性を土台に「自分らしい、あなただけの」新しい視点やアイデアをもつことが求められる世代が40代なのです
50代はPersonality(パーソナリティ)
パーソナリティは人格、人間性を指します。
つまり、50代にもなると人間がすべての領域になるのです。これはつまり「あの人と仕事がしたい」と思われる存在になるということです。
50代になれば、経験や専門性があるのが当たり前になる年代です。そのうえで人間的魅力があることが勝負の分かれ目になってくるのです。
「正しい努力」は変化する
「キャリアのVSOP」を読んでわかる通り、年齢・年代によって求められることややるべきことが変わってくるのです。これは、「正しい努力」は変化すると言い換えられます。
過去に正しかったあなたの思考や行動も、今の年齢・年代では正しくない状態になっているケースもあるのです。20代の頃と同じやり方をくり返していては、30代や40代以降になって周囲から求められるものと自分の提供価値とがずれてくる場合があるということです。
これをふまえると、わたしたちが望むキャリアを手に入れるには、年齢・年代にあわせた「正しい努力」を見極めることが大事だとわかります。年齢・年代という各ステージにあった最適な戦略を採用することが、キャリア形成しいては人生成功への近道なのです。
さいごに
さいごにまとめると、キャリアの成功要因は「あなた自身」(の信念や価値観そのもの)に規定されるのでなく、あなたの年齢・年代やその時代、周囲の状況との「相性」で決まるということです。
ここで、あなた自身の思考や行動を「内部」、あなたをとりまく環境や周囲の状況を「外部」ととらえてみましょう。内部環境と外部環境との最適なマッチングを考えることを「戦略」と呼びます。これに当てはめると、あなたの思考や行動を時代や周囲にあわせて変化させていくことは、一種の「戦略的行動」だといえます。
自分のキャリアを「戦略的」に進めることで、成功への道が開かれます。そしてウェルビーイングな人生が手に入ります。
そのためには、現状に悩む必要はありません。あなたの思考や価値観、哲学を無理に変える必要もありません。周囲の環境にあわせる「微調整」(チューニング)の力を養うことさえすればよいのです。
「キャリアのVSOP」戦略を理解し、「正しい努力」の変化を受け入れ、タイミングを見極めて自分を変化し続けていきましょう!
そうすればきっと、ウェルビーイングで幸せな人生が待っています。
応援しております♪
今回は以上です。
この記事が、あなたの人生をちょっと良くするきっかけになればうれしいです。
今日という日が、あなたにとって最高の一日になりますように。
それでは、Have a great day !!!
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【参考文献①】
「キャリアのVSOP」について紹介されています。
【参考文献②】
技能を身につけて熟達するプロセスを「遊」、「型」、「観」、「心」、「空」の五つの段階に分類して解説しています。
これが「キャリアのVSOP」とシンクロする部分がおおくてびっくりです。
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