見出し画像

「 都庁プロジェクションマッピング」の行方

高さ243メートル、48階、新宿副都心に聳え立つ東京都庁第一本庁舎の東側壁一面に映し出される巨大なプロジェクションマッピング。先日、偶然通りかかった際に、ちょうどやっていたので、歩みを止めて見た。
(↓ Instagramに掲載した動画をご覧ください)

「最大の建築物へのプロジェクションマッピングの展示(常設)」としてギネスの世界記録にも認定されたという、このプロジェクト。実際見たインパクトは、予想以上で、結構息を呑むものだった。

毎日何回か上映するようだが、私が見た回は、日本のサブカルをモチーフにしたものや、3Dの幾何学模様のデザインが展開されていた。

私は都庁の一階の高さの道路から見たが、後ろの議会棟の方を見ると、下には大勢の人たちが集まって上を見上げ、歓声をあげていた。そこでは音楽もちゃんと聴こえるようで、本来その議会等の前から見るものだったようだ。終わった後は拍手が沸き起こっていた。

個人的な感覚では、これは、インバウンドの外国人の目的の一つに入るものになるかなと思った。

しかし、機器の設置やコンテンツ制作、保守点検などであわせて7億円、さらに新年度には9億5千万円の巨額が計上されていて、批判も招いているという。それに対して小池知事は「経済波及効果は18億円」と説明しているそうだ。

こういう大きなプロジェクトは、とかく、政治的な、(この言い方は嫌いだが)”左右”で見解が別れることが多い。インバウンドへの効果で経済の底上げを期待する意見と、”その巨額の予算はもっと困窮している人々に使うべきだ”とする声と。そして両者がいがみ合う。

私はいつもそういう時、その左右の二項対立から離れたどこか「ねじれの位置的なところ」に正解がある気がしている。しかし、それはなかなか見つからず、正解は結局ないのだろうけれど、最低限、きっとそういう発想から、次の道が拓けてくる気がしている。

このプロジェクションマッピングの場合は、そのクオリティーが今後大きな観光の目玉になれるかの検証と、お金の使われ方が正しいかどうかの検証は、まずは別々にしてから、バランスを考えるべきだろうと思った。とかくそれがごちゃごちゃになって、それぞれの陣営が善悪を二項対立で語ってしまい、いつものところにスタックしてしまう。

ただ、批判が生まれる背景には、やはり政治不信があり、私もその感覚は強く持っている。五輪、万博・・・そこではどんな問題がこれまで炙り出されてきたか。そこにどういう人たちが関わっていて、誰が美味しい汁を吸っていたか。それに対して理不尽に切り捨てられる層の存在。そこへの強い憤りは常に持ち続けている。

しかし、そういう自分もまた、上記のようjなクラシカルな二項対立に縛られてしまっている面もあるのかもしれない。自分の信念や怒りの根源は大事にしながらも、頭は柔らかくしていこうといつも思っている。

だから、このプロジェクションマッピング。他の時間の回も、今度見に行こうと思っている。周囲の人の反応、外国人観光客の反応も気にしながら・・・


=========================ー
きょうも最後までお読みいただき、ありがとうございました。
AJ 😀

この度、生まれて初めてサポートをいただき、記事が読者に届いて支援までいただいたことに心より感謝しています。この喜びを忘れず、いただいたご支援は、少しでもいろいろな所に行き、様々なものを見聞きして、考えるために使わせていただきます。記事が心に届いた際には、よろしくお願いいたします。