今でも答えの出ない事~これはLGBTQへの無理解?ですか?~

ずーーーっと心に残っていて、自分の中で答えの出ない過去の出来事。

初めての喧嘩

夫と出会い、付き合い始めてから一年くらいは、喧嘩をする事もなく穏やかに付き合っていました。

しかし、初めてした喧嘩は、私に取ってはかなり大事(おおごと)で、即、別れ話になりました。

私は生い立ち等の事情もあり、彼氏や夫という関係の人が異性と二人きりで遊ぶのは無理です。想像するだけで精神的に不安定になります。実は複数人で遊びに行く時に異性がいるのも正直ちょっと嫌なのですが、私も男友達がいない訳ではないし、流石にそれを気にするのは私の精神の問題なので、なんとかトラウマの様なこの症状を克服しようと今もずっともがいています。

喧嘩(むしろ別れ話)のきっかけは、電話で話していた時に、夫(当時は彼氏)から、

彼「実はこの前、女友達と二人きりでカラオケに行ってきた」

と聞かされた事です。

あまりのショックに手が震えだし、気づいた時には号泣していました。ああ、無理だ。私がこの程度の事でこうなってしまうのは、私の問題なのだとはわかるけれど、この程度の事でこうなるって事は、たぶん当面自分の努力では改善が出来ない。こんな苦しい思いをするのでは、付き合い続けると私の精神が持たない。でも、彼は私に正直に話してくれた通り、なんのやましい事もない友人関係なのに、その友人関係に制限をするのは私の我が儘だ。

私が泣き出すと思っていなかった彼は、電話の向こうで凄くうろたえていました。

私は泣きながら、

私「私は異性と二人きりで遊びに行かれるのは無理です。これからも、異性の友人と二人きりで遊びに行きたいなら、私とは別れてください。お願いします」

とやっとの思いで声を絞り出しました。

なんで別れ話に??

と、混乱する彼の様子がまた電話越しに伝わってきます。

私「ごめんなさい。異性込みの複数人で遊びに行くのまでやめてとは言いません。でも二人きりは無理です。嫌なら私とは別れてください」

そう繰り返す私に、彼は

彼「泣くほど嫌だとは思ってなかった。ごめん。もう二人きりで遊ぶのはやめるよ」

と慌てて言いました。

瞬間、こんなすぐに回答を出すって事は深く考えずに言っているだろうから、時間が経てば、ばれなければ良いと思ってまた遊びに行くだろうなぁと思いました。

私「ばれなければ良いって事じゃないからね。本当に? この先ずっと異性の友達と二人きりで会わないって約束出来るの? 私は異性と二人きりで遊ぶ事を良しとする考えの人とは付き合えないよ。これは貴方と出会う前から心に決めていた事だし、私の価値観は生い立ちから考えてもこの先も変わらないよ。貴方はそれで良いの? 納得出来るの? 嫌じゃない?」

その後彼がなんと答えたか、細かい事は忘れてしまいましたが、「なんでいきなり別れ話になるのさ」と、途中少し怒っていたように思います。

私は、異性込みで複数人で遊びに行く時は、駄目とは言わないから、事前に一言教えておいて欲しいとお願いしました。それも彼は了承してくれ、別れ話は取消になりました。

不思議な質問

それから少し時間がたって、ある時、彼にちょっと不思議な質問をされました。

彼「ねぇ、同性から告白されたらどうする?」
私「ん? まぁ、彼氏がいるから断るけれど、好きになってくれてありがとう、と伝えるかなぁ」
彼「例えばだけれど、もし彼氏がいなかったら? どうする?」
私「え? 相手によるかな~。別に付き合っても良いと思ったら付き合う事もあるんじゃないかな。めちゃくちゃ性格の良い子だったら、私も好きになる事もあるかも知れないし」

私自身は異性愛者ですが、同性愛等もありだと考えているので、深く考えずにそう答えました。

彼「じゃあ駄目だなぁ…」

彼がポツリと呟くのが聞こえましたが、その時は深くその言葉を追及しませんでした。

またしばらくたって、二人きりでカラオケに行った女性と、その女性の女友達と、彼の三人でカラオケに行った事が偶然、私の知るところになりました。彼は、言ったら私が嫌がるだろうと思って『二人きりではないし私には黙って遊びに行く』という選択をしていました。

私「事前に言ってくれれば、異性込みでも複数人で遊びに行くのなら良いよって言ったよね? なんで隠すの? 私の事が信頼出来なかった? 確かに男一人に女性複数って状況は事前に言ってもらっても無理だったかもしれないけれど、私に嘘ついてまで遊びに行くって、そこまでしてその友達と遊びたいならいくらでもそうすれば良いよ、私はもう別れるから。貴方は自由ですよ。約束が守れないなら、せめて私と別れてから遊びに行けば良いのに、なんで私を傷つける様な事をするの? 異性と遊びに行く云々の前に嘘つくのも無理だから。私の生い立ち話した事忘れたの? 私が嘘で苦しんだ事を知ってて良く嘘ついたよね?」

悲しいを通り越して激怒した私にオロオロする彼。

私「だいたいそこまでして遊ぼうとするって事は下心もあるんじゃないの? だったらその人と付き合えば? その人も彼女がいるってわかってて貴方と二人きりで遊んでるんだから、貴方と価値観も合うでしょ?」

相手の価値観を尊重しないで付き合うとか、あり得ねぇクズ野郎だなと私は怒り心頭でしたが、なんだか彼の様子が変です。なんやかんやすったもんだした後、彼が言いづらそうに口を開きました。

彼「あの…、実はその子、レズビアンなんだ」
私「……え?」

もちろん、とっさについた嘘の可能性はありましたが、彼の様子からは嘘をついている感じはありませんでした。

私「……はぁ?!?  なんでそんな大事な事をもっと早く言わないの!? 勝手に他人にそういう事を言うのは良くないかもしれないけれど、私達は遠距離恋愛だから、その人の知り合いに私が勝手に話す事はないし、第一私の事、信用出来なかったの? 差別でもすると思ったわけ!?」
彼「いや、そういう訳じゃないよ。ごめん。その、だから、心配する様な事は本当にあり得ないんだ。俺に取っても、女友達というより、男友達に近い感じで……」

この時は思い出せませんでしたが、後で彼に

彼「ねぇ、同性から告白されたらどうする?」

と聞かれた時の事を思い出し、凄く腑に落ちました。

その前に、私が、

私「私が会った事ある人とだったら、二人きりで遊びに行っても私も気にならない様になるかも知れないし、一度その女友達と貴方と私で遊びに行くってのはどう?」

と、譲歩案を出していたので、彼はそのレズビアンの友人と会わせてみようと考えて、でも、私が同性愛OKだったら会わせるのは、

彼「じゃあ駄目だなぁ…」

って事!?!

いや、男友達には私の事会わせたじゃん?

確かに会わせてもらった男友達の女性の好みは、話を聞く限り私とは全然違う様だったけれど……。じゃあ、そのレズビアンのお友達の好みは彼と近い(つまり私に似た)タイプで、会わせるのは心配だから駄目と思ったって事??

え? 逆に私が心配されてたの?

はぁ……?

ややこしいなぁ???

それから、色々考えたのですが、

私「その人の性自認が女性なら、やっぱり貴方に取っては異性になるし、二人きりで会われるのは私は無理」

と伝えました。

そもそも彼と異性が二人きりで遊びに行くのが嫌なのは、恋愛関係になる可能性を考えての事な訳だから、相手が女性でも同性愛者で、彼を好きになる可能性がないなら気にしなくて良いのでは?と何度も思いましたが。

彼から話を聞く限り、その女性はいわゆるBL好きらしく、BLに興味があるのなら、バイセクシャルとは違うのか、いや、男性のBL好きなら友人にいたけれど、彼は異性愛者だったなとか、同性愛という事ではBLというテーマは共感しやすい部分もあるのだろうとか、その前に恋人が出来たのを知ってて異性と二人きりで遊ぶタイプの人は私苦手だわとか、じゃあ、友人が男性でも同性愛者なら二人きりで遊びに行くのは嫌だと思うのかとか、そもそも私の彼は異性愛者だから、相手がどうであれ異性と遊びに行くのが無理って事なんだよなとか、色々とぐるぐる考えました。

何より、私のこの言動は差別になっていないのか? 私は全然LGBTQの事を理解出来ていないんじゃないのか? 私の言動は人としてどうなんだ?

と。

私の心が狭いのじゃないかとも思いましたが、泣くほど辛い事を我慢してまで付き合う必要性も感じなかったので、まぁ、彼が納得して私に合わせるというならそれで良いし、嫌なら私もすがる気はないから私と別れれば良いだけだしと思いました。(結局その後も何度かそのレズビアンの友人の件ではもめたのですけれどね……)

私もゲイの友人がいたのですが、元々二人きりで遊びに行くほどまでは仲が良くなく、私は、相手がゲイであれ、恋人を不安にさせる様な異性との関わり方は絶対にしたくないと思っていたので、尚更、彼の異性の友人との関わり方は受け入れられないなぁと思いました。

今でもたまに思い出して、悩みます。レズビアンの方も、異性の友人の彼女から勘違いされるのは嫌だろうなぁと思うと、申し訳ない気持ちになる部分もあります。(実際にその友人が納得出来ないと言っているという話が夫から伝わってきました)

ただ、今は引っ越した事もあり、夫はその友人とは疎遠になったので、私はホッとしています……。

一番は私の心の問題が解決して、妻としてドンと構えていられれば良いんでしょうけれどね。

いまだに異性込みのお出かけは、仕事がらみでもモヤモヤします(涙)

夫いわく、取り分は8(私)対2(夫)という事なので、もしも夫の事を話題にしたnoteでサポートしてくださった場合は、夫にもきちんと分けます。「分け前はまだですか! 先生!」と笑顔で言われる今日この頃です。