発達障害がある方と仲良く楽しくすごすには? その2

前回の「発達障害がある方と仲良く楽しくすごすには?」に、書ききれなかった事を書いていきます。前回の内容と重複する部分もあると思いますが、より深堀した感じの内容になっているかな?と思います。

(その1へのリンク)

https://note.com/ajitukinori3/n/n56a90a8487f7

人によって脳の癖が全然違うので、得意な部分を探る。

発達障害の話で良く言われるのが、『聴覚優位』と『視覚優位』。『視覚優位』の方が多いのか、良く発達障害をお持ちの方向けには図を盛り込んでマニュアルを作ると良いと言いますよね。うちの夫は恐らく『聴覚優位』なので、これはほぼ意味がありませんでした。

『視覚優位』か『聴覚優位』かは、字を書いてもらったらある程度見分けられるのかもしれません。

夫は恐らく図形などの認識が苦手な為、どんなに頑張っても字が綺麗に書けません。夫自身で書く必要のない書類はなるべく私に書いてもらいたがります。私には夫からプレゼントを贈ってもらう時に、メッセージカードを添えてもらいたいという野望があるのですが、出会ってこの方10年くらい、夫には頑なに拒まれています。私は字なんか汚くても良いんですけれどね。ただ夫からのメッセージカードが欲しいだけなのに…( ;∀;)ショウガナイカー

それくらい、字が上手く書けない事を夫は気にしています。誤字脱字が多いのも、文章の読み上げをする時の読み飛ばしが多いのも、図形などの認識が苦手なせいかな?と思っています。

一方、『聴覚優位』の夫はラジオが好きです。音楽を聴きながらのながら作業も好きです。

『聴覚優位』の人は聴覚に集中しすぎるので、何かを聞きながらの作業は向かない

と解説している情報も見たので、この辺りは個人差が大きいのかもしれません。発達障害があるとマルチタスクが苦手、なんて言いますが、少なくとも夫の場合はラジオや音楽を聴きながらというのは割りと平気なのです。家事なんかの慣れた作業をする時は、むしろ音がなくて静かな方が嫌がります。

他に、メールよりも電話の方が好きだったりもします。文字を打ち込むのも大変だし、文章で説明するのが苦手なので、込み入った話になると隙あらば電話してきます。

(でも、夫は趣味で小説を書いたりしているのですけれどね…メールは嫌なのね…)

あと、『聴覚優位』が関係あるかは微妙ですが、周りがうるさくても平気で眠れます。隣で私がドライヤーを使っていたのにも関わらずこたつで寝落ちた時は「マジか」と思いました。周りがうるさくても寝られるのは夫の特技と言って良いような気がします。発達障害由来の多眠傾向が関係ありそうな気もしますが…?

夫は地図を読むのも苦手です。『話を聞かない男、地図が読めない女』なんて本がありましたが、私の方が地図を読むのは得意です。余裕のある時は夫に地図を渡して道案内を任せてみるのですが、まぁ、時間がかかります。夫に話を聞いたら、初めての場所に行く時は、自分が迷う可能性も考えて、かなり早めに移動するように気をつけているそうです。

では、その特性『聴覚優位』を踏まえてどうすれば良いのか?

夫に料理を練習してもらう時には、私は口で極力説明をするように気をつけました。目の前でお手本を見せても「?」と夫はなります。目では情報をあまり上手く処理出来ていないようです。なので、夫が料理をしている横で「右手に力をいれすぎない様にした方がやりやすいよ」など、コツを逐一囁きます。すると、正直私の予想以上に手際良く料理をこなしていけたのです。職場でも、なるべく口頭で仕事内容を説明してもらうように配慮してもらっているようです。

仕事においては、一生懸命メモをとったりもしているようですが、字が上手く書けないので、自分でも自分の字が読みにくかったりして、メモを取るというのは色々大変なようです。コツを都度都度、二言三言、少しずつ口で伝えながら覚えていってもらうと上手くいくのかもしれません。

『聴覚優位』と、『視覚優位』を勘違いして物を教えると、かなり辛い事になると思います。「発達障害だから」と見切り発車をせず、ちゃんと、接している相手の得意不得意を考えてみてくださいね。

ほめられるとぐんぐん能力がアップする事もある。

発達障害をお持ちの方の中には、怒られてばかりで、ほめられた経験があまりないという方もいます。本当は自分だってほめられたいのに、人の役にたちたいのに…。そんな経験を踏まえて自分の能力を過小評価していたり、逆に過大評価したりと上手くバランスが取れていない事もあります。

素直な性格の人なら、人にほめられたらその事が凄く嬉しくて、自分をほめてくれた人の役に立とうと物凄く頑張ってくれるようになったりします。(夫は割りとそういう人です)なつかれすぎて困る。なんて事も状況によってはあるかもしれませんが、悪く思われるよりは好かれる方が、きっと諸々上手く行きます。

ほめる時は良いところを明確にしてほめましょう。

やみくもにほめると、ほめられたところを勘違いして、明後日の方向に努力してしまう事があります。「貴方にやってもらうと△△を□□しておいてくれるから、それがわかりやすくて助かる」などと、良いところをズバリ言いましょう。なんとなくでやっていた事でも、ほめられれば、恐らくその良いところを続けていってくれると思います。

感覚過敏に配慮する。

発達障害をお持ちの方の中には、感覚過敏があって、大きな音が苦手とか、肌触りに敏感とか、はっきりした色使いだと目がチカチカして見辛いとか、特定の味や食感が苦手だったりと色々あるようです。

夫は私が見ている限り嗅覚過敏がありそうです。家の掃除をしていて、ゴミを片付ける時に、生ゴミの匂いをかいでしまったらしく、「その後ぐったりしてしまって、他の事が出来なかった」と話した事がありました。同じゴミの匂いを確認で私もかいでみたのですが、私はそこまで臭いと思わなかったので(でもちょっと臭かったw)、「たぶん、貴方は私より鼻が敏感なんだと思うから、次からは掃除の時はマスクをしたら良いと思うよ。私も臭い物を片付ける時は割りとマスクして作業しているよ」と伝えました。

夫は偏食が凄いですが、これも嗅覚過敏が関係していそうだと思っています。青臭い匂いの野菜、きゅうり、ピーマンなどが苦手です。ピーマンは調味料で味を濃くつければ、ギリギリ食べられます。キュウリは姿を確認したら、その料理には絶対に手をつけません。夫はポテトサラダが好きなのですが、それはキュウリの入っていないポテトサラダに限られます。ポテト、ベーコン、オニオン、ニンジン、コーン、みたいな組み合わせのポテトサラダだと喜んで食べます。紫蘇も香りが気になるのか、ダメです。

他に、色々な味が混ざった複雑な味わいの物も苦手です。味つけはシンプルな方が安心して食べられるようです。人が味だと認識しているものの正体はほとんどが匂いと言われていますから、実際は匂いが色々混ざった状態が苦手という事なのでしょうね。

ネギ、ニラ、玉ねぎ、白菜、水菜、の様な鍋に良く使う系の野菜はむしろ好きな方なので、野菜を取って欲しければ、それらを使います。根菜類も割りと好きで、料理だときんぴらが好きなので、作ったり惣菜で買ってきたり、良くしています。ほうれん草も好きですね。

偏食の原因が感覚過敏だった場合、無理強いをするのは、アレルギーのある人にアレルギー食品を勧めるくらい酷な事になると思います。好き嫌いが多い人が身近にいて気になっても、体調に害を及ぼすレベルの偏食でなければ「人それぞれ色々あるよね」と思って、そっと見守りましょう。

結婚した当初はサラダを割りと嫌がるので(レタスも好きじゃない)、食事を作っては「無理」と言われる事が多くて疲れました。でも、色々作ったり本人に好みを聞いたり調理方法を工夫したりしているうちに、段々と食べられる物がわかってきたので、今は以前ほどは食事の用意に困らなくなってきました。夫自身もだいぶ料理が出来るようになりましたし。でも買い出しが主に私担当な事もあり、油断すると、冷蔵庫に私の食べ物は沢山あるけれど、夫が食べられる物がほとんどない、みたいな事はままあります。

面倒になったら鍋、ポトフ的な物を作るか、「今日は予算○○円の中であなたの好きなものを買ってきなさい!」を発動します。

相手に合わせて無理をしない!

発達障害持ちの人は協調性がないだの、共感力が低いだの、周囲に配慮が出来ないだの、好き勝手いう人がいますが、本当でしょうか?

夫を見ている限りでは、内心めちゃくちゃ周りに気を使っていますよ。ただ、上手くそれを周りに伝えられなかったり、気づかいの仕方が相手の望む形とは噛み合っていなくて、かえって良くない結果になったりしているだけです。

相手には障害があるのだから仕方ない…とあなたが遠慮する必要はないです。

結構、発達障害持ちの相手も色々考えてくれています!

遠慮せず「こうしてくれた方が私は嬉しい」と要望を伝えましょう!

だって、あなたの気持ちはあなたにしかわからないのです。定型発達同士でも、相手の本心なんかわかりゃしません! 相手が誰であれ、きちんと情報共有をしましょう。発達障害持ちの人に限らず、多くの人は、ストレートに要求を言ってくれた方が楽だと思っています。

『アサーティブ』

という考え方があるようです。

自分の気持ちを攻撃的にならず、卑屈にもならず、相手を尊重した上で、相手が受け入れやすいように伝える方法です。『アサーティブ』な伝え方をすると、人間関係が上手くいきやすいので、興味がありましたら、是非『アサーティブ』で検索してみてください。言葉としてはつい最近まで知りませんでしたが、私が夫と接する時に心がけていた事とほとんど同じ考え方です。

さて、私が今回紹介したのは、ほとんど夫との話を元にした話なので、汎用性はあまりないかもしれません。

でも、あなたの「あの人と仲良くしたいのにな」「どうしたらストレスをためることなくすごせるかな」なんて気持ちに少しでも役立てていたら幸いです。

一生懸命、色々調べてこのnoteに辿り着いたあなたに、きっと良い事がありますように。



夫いわく、取り分は8(私)対2(夫)という事なので、もしも夫の事を話題にしたnoteでサポートしてくださった場合は、夫にもきちんと分けます。「分け前はまだですか! 先生!」と笑顔で言われる今日この頃です。