発達障害がある方と仲良く楽しくすごすには?その1

※私は専門家ではないので、発達障害持ちの夫と接する中で、私が学んだ事、思った事を誰かのヒントになればと思い書いておきます。

「私には発達障害があります」という事は「私は人間です」くらいの意味しか持たないので、相手の個性はちゃんと自分の頭と心で見極めましょう。

夫は優しい性格なのですが、怒りっぽいです。

それは両立するものなのか?さっそく疑問に思われた方がいるでしょう。DVっぽくないかな?なんて心配に思う方もいるかもしれません。それが両立してしまうのが発達障害のややこしさなのです。

本人の性格と、障害由来の特性を区別しましょう。

相手の特性を性格だと思ってしまったら、途端に一緒にすごすのが辛くなります。私も時々この区別がつかなくなって辛い思いをしました。でも、性格と特性の違いがわかると、途端に楽になってきます。夫といると楽しい、という気持ちが戻ってきました。

でも、性格と特性の違いを把握するのは難しいと思います。発達障害やら心理学やら脳科学やら、いっぱい勉強したり、相手を良く観察+研究したり、なんて事が必要になってしまうかもしれません。

ではどうすれば良いのか?

まず、発達障害をお持ちの方は常に風邪を引いている様なものだと思ってください。

私なりに色々考えましたが、これが一番わかりやすかったです。お酒好きな方には、常に酔っている状態、と思ってもらっても良いと思いますし、読んでいる方が女性で生理痛がある方なら、常に生理中の状態と思ってもらってもわかりやすいかもしれません。

発達障害持ちの夫は常に風邪を引いている様な状態です。

熱が出たり体がだるかったり頭が痛かったり、そんな中で常日頃行動をしているのです。咳でもしていればわかりやすいですが、咳もしていませんからそんな状態だとはわかりづらいですね。例えば、風邪を引いて頭の中がボーッとしている時に、急に話しかけられた状況を想像してください。いつもと違って、何を言っているか瞬時には理解しきれませんよね? とっさに行動が取れないし、色々やってといっぺんに言われても、こちらは風邪の症状を抱えながら行動しているのにどうしよう、となりますよね?

発達障害をお持ちの方と接する時に、能力は申し分ないものを持っているのに、なんだか上手くその能力を引き出せていないな?って思う時がありませんか?

それは風邪を引いている様な状態だからです。

夫は筋トレが趣味で、結構ムキムキしています。ジョギングや水泳もするので持久力もあります。

でもね、疲れやすいんです。

なんでって、それは常に風邪っぴき状態で行動をしているからなんです。本当に風邪な訳ではないので、仕事にも行けるしジムにも行けます。しかし、内部的には風邪っぴき状態の障害を抱えているので、ふとした時に、疲れが出たり、上手くいかない事が出てきます。

風邪で頭が痛い時、いつもより怒りっぽくなりませんか? それは性格のせいでしょうか? 風邪のせいでしょうか?

夫は本来は優しい性格です。なので、私は夫が怒り出した時、一度考えます。これは(発達障害という)熱にうなされて言った言葉か、本心か?

風邪で苦しんでいる時、きつい言い方になってしまって、内心あんな言い方しなくて良かったよな、と後で反省した事はありませんか?

夫も、良く色々言った後に、自分で言ってしまった言葉に後悔して落ち込む事が多かったんです。夫自身が「なんであんな事を言ったんだろう」と悩んでいるのに、それでも何故言ってしまうのか? 『あー、これが障害って事なのかぁ。大変だなぁ』と私は思ったんです。もちろん、夫の性格上こういう事は嫌いだから、こうしたら怒るよな~って事とは区別します。

一悶着あった後、私から夫が謝りやすい状況を作ってみて、夫がおずおずと謝ってくる時は、『熱にうなされて言った言葉として聞き流してあげよう。自分もそういう時はあるし』と心の中で思うだけで、気持ちは楽になります。でも、モヤモヤが心の中に残るようならきちんと「本心ではないのはわかるけれど、言われた事はショックなので気をつけて欲しい。もしも言ってしまった時は後で謝ってね」と、

傷ついた事と、傷ついた時にどうして欲しいかは、はっきり伝えましょう。

言葉は人類最大の発明です。せっかくですから有効に活用しましょう! 素直に正直に。相手の方もそういう気質の方が多いはずです。こちらもまっすぐわかりやすく感情を伝えていきましょう。

しかし、自分の体調が良い時はこれで上手くいきますが、こちらが体調を崩した時は大変です。いつもは聞き流せる売り言葉も思わずお買い上げしてしまって大喧嘩になります。ただでさえ体調を崩している時なのに、夫と言い合いになったら悲しくて辛くて、もう本当に落ち込みます。なので、

事前に自分の体調が悪い事を伝えておきましょう!

「怒っているように見えても、それは今日は具合が悪いからなので、気にしないでね」などと伝えておきましょう。発達障害をお持ちの方の中には、相手が怒っている様に見えると、何故かが推測できなくてオロオロしちゃう方もいると思うので、双方の為に先回りして理由を説明しておくと安心です。

ここで気をつけないといけないのが「気にしないでね」という言葉。相手にこの言葉通り受け取られると、困る時があります。

言葉通りに受け取られるので、言った事の意図は明確に説明しましょう。

「気にしないでね」とだけ言ったら、本当に何も気にせず、いつも通りに仕事を頼まれたりする可能性があります。確かに私「気にしないでね」って言ったからね、こりゃ私の説明が悪かったね、アハハって感じになります。適宜「体調が悪くていつもより作業に時間がかかると思う。もし手があいたら、後で手伝ってもらえる?」とか、家族なら「お夕飯は用意出来ないからよろしくね」など、配慮して欲しい事は伝えましょう。

はい! 今、この伝え方の問題点に気づかれた貴方! なかなか鋭いですね!\(◎o◎)/

「お夕飯は用意出来ないからよろしくね」

この言葉の問題点に気づけましたでしょうか?

長年一緒に暮らしてきた関係ならば、これで通じるでしょう。でもね、これ、発達障害あるなし関係なく、問題を誘発する言葉なんです!

それは、何も明確に指示してないから! です!

もし電話やメールやSNSなどを使って連絡を取るなら、

「今日は風邪でお夕飯が用意出来ないから、貴方は自分の分のご飯を自分で用意してね。私の分も、ヨーグルトかゼリーなら食べられそうだから、両方買ってきてください。頼みます。」

くらいは書いた方が良いです。じゃないと、相手は外食して手ぶらで夜遅くに帰ってきたり、自分の分だけお夕飯を買ってきたり、手ぶらで帰ってきて「俺はカップ麺食べるから良いよ」と言い出したり(しかもストック切らしてる)とか色々トラブルが起こりますので、やって欲しい事は明確に伝えましょう! カップ麺がないなら、カップ麺は切らしていると伝えましょう!(似たような事が実際にありました)

ヨーグルトやゼリーも好きなメーカーがあるなら「これ!」ってのを伝えた方が良いです。たぶん違うのを買ってこられる危険性の方が高いです。「安売りの買ってきた♪」とか、節約家の貴方の好みを考えて良かれと思って買ってきたけれど貴方は「体調が悪いから食欲なくて、いつも買っているお気に入りのメーカーのなら食べられると思ったのに…」、なんて悲劇が待っているかもです(誰も悪くない)

体調不良の時に、ここまで明確に指示するのは面倒かもしれません。何年も一緒に暮らせば、指示がなくても「よろしく」の一言で通じるかもしれません。夫も、最近は「体調悪いなら、なんか買ってきて欲しいものある?」とか色々と自分から聞いてくるようになりました。でもそれは、私が体調を崩した時に毎度、やって欲しい事を明確に伝え続けたから、習慣として身についた結果です。初めから出来た訳ではありません。逆に、初めは出来なくても、出来るようになります。

私は、発達障害は何かが出来ないという障害ではないと思っています。何かが出来るようになる為に時間や工夫が必要な障害で、そのコツさえつかめればノビシロは計り知れないものだと思います。もちろん、人それぞれ得手不得手はあると思うので、なんでも時間さえかければ出来るって訳ではないですが。

でも、一生懸命考えて、明確に指示した上で、それでも間違われたら…?

取り返しのつく事は怒らない!

夫に買い物を頼むと、何かを買い忘れたり、違う物を買ったりと色々と事件がおきます( ̄∇ ̄;)

以前、安売りの三本セットのネギの購入を頼んだら二本セットのお高いネギを買ってきたので「なんで間違えたの?」と夫に聞いたら「二本が三本に見えた」と言って、

え?Σ(´□`;)

となった事があります。発達障害をお持ちの方の特性にもよりますが、こういう事が冗談でなく真面目に悪気なく起こりますので、心しておきましょう。ちなみに、私はこの時、夫の特性になれてきていたので怒りませんでした。だって、一応ネギは買ってきてくれたし、100円くらい値段が違った気がしますが100円くらいの違いなら許容範囲だからです。牛乳を買い忘れた時も、牛乳が一晩無くても生きていけるので、怒りませんでした。生死に関わる様な事なら怒った方が良いかもしれませんが、だいたい

怒るとむしろミスは増えます!

ミスはしたくてやっている訳ではないんです。本人もミスしたくなくて、知らないところで何年も何年も苦しんできていたりしますから、激しく怒ったりすると、ミスする事を恐れるあまり萎縮してしまって、出来ていた事も出来なくなってしまう恐れがあります。怒る事ってリスキーなんです。たまにはネガティブな感情も相手にさらけ出して、自分の弱みを見せたりして、我慢をしすぎないって事も大事ですが、怒ったら色々こじれてしまう可能性の方が高いです。

私は夫に同じ様なミスをして欲しくない時、内心ちょっと怒っていたとしても、なるべくそれはもう悲しそうな顔をして「次は気をつけてね」と言う様にしています。たいしたミスでもない時は「次は気をつけてね! よろしく!」と明るく言うだけです。たぶんその方が怒ってしまった時より上手くいっている気がします。

一回注意しただけで次から改善すると思わない。

貴方が一生懸命誠心誠意優しく相手を注意しても、次も同じミスをする可能性があります。次は上手く出来たとしても、上手く出来た翌日にまた以前と同じミスをする可能性もあります。

なんで!Σ(´□`;)

ってなるでしょう。わかります。私も、

なんで!Σ(´□`;)

って何度もなりました。ミスを誘発する環境があるなら、可能な限り環境を変えた方が安全でしょう。発達障害をお持ちの方が働きやすい職場は誰にとっても働きやすい職場になります。私も仕事をしながら、ふと、夫にとってこれは良い環境か?と考えるんです。すると、職場改善のアイデアが思いつけたりするんですね。誰にとっても働きやすい職場って理想ですよね。家の中も同じです。誰にとっても家事のしやすい家の方が良いですよ。皆で家事分担できた方が楽です。

まだまだ書きたい事がありますが、長くなったので、続きはまた別のnoteで。

(その2につづく)

https://note.com/ajitukinori3/n/n6be809171470

夫いわく、取り分は8(私)対2(夫)という事なので、もしも夫の事を話題にしたnoteでサポートしてくださった場合は、夫にもきちんと分けます。「分け前はまだですか! 先生!」と笑顔で言われる今日この頃です。