Ajitoアミ

中野坂上の路地裏で小さなカレーbarをやっています。

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中野坂上の路地裏で小さなカレーbarをやっています。

最近の記事

カレー屋が実験に至った物語〜後編〜

かくして気が付いたら常連さんたちを個々に集めてレコーディングした曲"モーモーチャーチャー"(常連間ではモーチャーと呼ばれている)を匿名グループで全世界リリース配信したのが2021年冬のこと。 とりあえず巷のグループらしく、匿名グループ"カレー屋と常連たち"でTwitterとInstagramとTikTokでアカウントを作ってみた。匿名が故になかなか何を伝えたら良いか分からない。一体誰をフォローして誰がフォローしてくれるものなのやら。自分たちですらほぼフォロー不可なアカウントを

    • カレー屋が実験に至った物語〜前編〜

      この話は2020年末頃に遡る。 コロナ禍で初めての年末の東京。 夜は殆どお店を開けられていなかった頃。 よく来ていた常連さんが"また皆でカラオケとか行けたら良いですよね…。"と遠い目をして呟いた。 思えばあの一言からすべてが繋がっている。 皆でカラオケはなかなかハードル高かったあの頃、それならば私が曲を弾いて歌って貰えたら少しは気が紛れるのでは💡と、お店の隅に立て掛けてあったミニギターで弾けるレパートリーを増やし始めた。冬っぽい曲が数曲弾けるようになった頃には春になっていた。

      • 今年の季節

        みんな、夏が終わるらしいよ☆ 今年はイベント事など殆ど無かったせいか季節感がからきし無い。容赦ない暑さは感じても夏は感じられていない。 カレー屋でBARの当店でも例年ならば盆踊り帰りの浴衣姿のお姉さん方にモヒートをお勧めしたりする時期。5坪も無い狭い店に10人も入ればエアコンと扇風機をフルにしても誰かしら団扇で仰いでるお客さんがいて、ハイボール、キンミヤのライム炭酸割り、モヒート…そうこうしてるうちに氷が足りない、つぎのビールが冷えない…など様々なトラブルを抱えてカウンタ

        • あばらやタイム2020夏〜名前は口馴染みの良さ〜

          路地裏のカレー&barがランチ後のおやつ時間に平日2日、二時間だけ限定メニューをこさえ開いている時間。それがあばらやタイム。 コロナ禍により三月よりお休みしていたが、近々再開しようと新しい限定メニューの開発に勤しんでいる。 いや、全然勤しみ感はない。 開発とは言っても小さな店を一人でやっているので、営業時間外は仕込みと片付けと買い出しに追われている。その合間にちょいちょい何かを作ったりして味見してぶつぶつ独り言を言いながらメモを取る…などの瞬間たちの積み重ねを、めちゃく

        カレー屋が実験に至った物語〜後編〜

          あばらやタイム〜スパイスバターぜんざいの反省②〜

          路地裏のカレーバーが、2019年冬に新商品"スパイスバターぜんざい"をひっさげて新たに始めたあばらやタイム。 生姜の千切りが甘いもの?しょっぱいもの?と見た感じ困惑を呼ぶ。が、最終的にはまとまり役になってもらった。 玄米餅には、数年前にお店の年始でお雑煮などに焼き入れて出した時以来ずっとハマっている。磯辺焼きも最高!餅と言えば玄米餅!玄米餅無しにぜんざいはたぶん浮かんで来なかった。なにしろ小豆の粒々とクミンシードの粒々と玄米餅の粒々を一緒に食べたら口の中が楽しい筈だ!と信

          あばらやタイム〜スパイスバターぜんざいの反省②〜

          あばらやタイム〜スパイスバターぜんざいの反省〜①

          何が書きたいのか。それは去年の冬に遡る。 路地裏で細々とカレーバー(昼はカレーなどのランチ、夜はカレーと各種お酒を提供しているお店)を営み12年目。 肉系、野菜系タイ風…などから2、3種類日替わりみたいに仕込む当店のカレーの中に、見た目ぜんざいみたいな"あずきジンジャーカレー"がある。 昨年10月辺り、このあずきジンジャーカレーを作っているときにふと、"自分好みのぜんざいを作ってみたい!"と思い立ち、そこから試作を重ね、料理上手な常連さんにも味見してもらったりしながら自

          あばらやタイム〜スパイスバターぜんざいの反省〜①