自然災害と家とお金:6.ねえ、地球温暖化って言うけど、どう影響するの?
関東は今日、とても暖かくてコート不要な1日でした。
もしかしたら、身近なところでも最近の気候変だなあ、変わったなぁって何となく気がついていらっしゃるかもしれません。
よく、地球温暖化・異常気象ということが言われています。
地球の温度が上がるんでしょ。そうなんです。
地球温暖化の対策の有無や程度にはよりますが、21世紀末には世界の平均気温が2℃~4℃上昇すると言われています。もはや待ったなし、温暖化。
結局、私にどうかかわるの?
そんな地球の将来のこと話されても……「今もしくは近い将来の私」の生活にどう影響するの?というところが気になる話ですよね。
自然災害と家とお金、これまでとはちょっと違った観点で、「地球温暖化」をテーマにお届けします。
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実は、地震のキャリアよりこちらの方が付き合いが長い「地球温暖化」。元々、大学では物理や化学を学んでいたので、その中で地球温暖化についても学んでいました。
まさか、ここまでずっと付き合うとは……。
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前回の記事はこちらから↓
自然災害の未来?
今回は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第5次報告書(AR5)や気象庁など国が公開している資料等を元にお伝えします。
①温度
21世紀末には、……と話すとどんだけ未来の話なんだ!もう生まれ変わってますし!と思う方もいると思いますので、近いところでお伝えすると、例えば2040年、今から19年後は地球の平均気温が0.5℃~2℃弱上がるようです。
体温で0.5℃~2.0℃あがるというと、平熱36.0℃の人の平熱が38.0℃……もはや発熱。この差は結構大きいぞ。
②降雨
全国平均で見た場合、大雨や短時間強雨の発生頻度・強さは増加し、雨の降る日数は減少すると予測されています。
1時間降水量50 mm以上の雨(非常に激しい雨)が降る日というのが、1.6~2.3倍になると言われています。
2007年ごろ、ゲリラ豪雨ってありましたよね。ああいうわっと降る大雨の回数が増える見込みです。
出典:文部科学省・気象庁:日本の気候変動2020
大雨が原因で、浸水害(内水氾濫)、河川氾濫、高潮、土砂災害が発生するというのはこのシリーズでもお伝えしてきました。では、その4つについて考えてみます。
1)浸水害(内水氾濫)は、短時間の大雨が増えれば発生する回数も増えそうですね。
2)河川氾濫、これも発生する可能性が高そうだと。
河川氾濫については、現在100年に1回発生するレベルの洪水が、温暖化の状況においてどのくらいの頻度で発生するのか?という研究成果も公開されています(Hirabayashi et al., 2013)。
日本の研究者の方が執筆された論文です。日本語版の資料もありました。
リンク先のP.5に世界地図が掲載されているのですが、日本を含めアジア地域では洪水の発生頻度が増加すると示されています(平林他、気候変動による河川洪水の変化)。
*この段落のリンク先はいずれも同じサイト
3)高潮
水面上昇+低気圧の発達で、波がさらに高くなるといわれています。
もし、温暖化対策をせずこのまま気温が上がりっぱなしになると、21世紀末には海水面が最大で1mくらい上昇します(IPCC AR5より)。1m上昇した海面に低気圧が発生すると、さらに波が高くなります。
例えば標高1.0mくらいのところに今住んでいたとして、21世紀末にはその標高の場所が海面と同じ高さに。そして、低気圧の発達でさらに波が高くなる……浸水してしまいます。沿岸部のおうちは浸水リスクが高まります。
4)土砂災害はというと。
短時間に強い雨が降ると発生しやすい斜面崩壊(がけ崩れ)や土石流は発生回数が増加すると考えられます。土砂災害というと、地形や地質など、色んな要素が関わりますが、やはり大雨・台風の時にはより一層注意が必要になりますね。
③台風
世界平均で見ると、意外にも台風の発生数が減ると予測されています。
ただし、強い台風が増加して、その際の降雨量が増えると言われています。
これは、台風のエネルギー源である大気中の水蒸気量が増加するためです。
結局、どうすればいいの?
今回の話で何をお伝えしたかというと、
地球温暖化により、やっぱり自然災害リスクは高まりつつあるということ。だからこそ、「今、自宅は大丈夫!?」と振り替えることが大切なんだと思います。
今から対策することで避けられる被害もありますし、ここは危ないから保険に加入しておこうとか、水害のリスク高そうだから水災補償付けておこうかなとか何かしら手当はできるはず。
これから家を建てる方は、水害のリスクが高いところはちょっと避けた方がいいな、ハザードマップ見ておこうかなとか、少し対策しておけば少なくとも自然災害で大泣きするリスクは減らせるはず(他は保証できませんが)。
暑い夏!温暖化だよ、これ!なんて思ったら、一度、ご自宅は被害の発生が増えそうな自然災害に対して大丈夫かな?って思い出してみてはいかがでしょうか。
最後までご覧いただきありがとうございました!
参考文献
IPCC第5次評価報告書 第1作業部会報告書 技術要約 気象庁訳
あじさい
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