見出し画像

自然災害と家とお金:3-6 地震のあとに火災。やっぱり火事は怖い。

【この記事で分かる3つのこと】

1.地震の後に火災が発生する。首都圏直下地震が発生した場合、死亡者の7割が火災によって亡くなると予測されている!

2.火災は住宅密集地で発生しやすい。火災を起こさないための対策が重要。逃げる前に必ずブレーカー落として!

3.火災なのに、地震による火災は火災保険の補償の対象外!

地震、雷、火事、親父。
やっぱり地震も火事も怖いものです。
この2つ、まさか同時に起こらないよね……!?


***

こんばんは。あじさいです。すっごくご無沙汰になってしまいました。
この数ヶ月間、社会人になってから最も忙しい日々を過ごしております。
まだ先が見えない……。そして書きたいことはたまる一方です(笑)

***

今日は地震のあとに発生する地震後火災についてお伝えします。

9月1日に書きたかったネタやっと書きました。
そして、このシリーズおなじみの絵も最後の1つになりました。

画像1


前回の土砂災害の話はこちらから↓


地震のあとに火災が発生する

9月1日、防災の日は1923(大正12)年9月1日に関東大震災が発生した日にちなんで制定されました。

関東大地震はマグニチュード7.9と推定される、近代化した首都圏を襲った唯一の巨大地震であり、南関東から東海地域に及ぶ地域に広範な被害が発生した。死者105,385、全潰全焼流出家屋293,387に上り、電気、水道、道路、鉄道等のライフラインにも甚大な被害が発生した。

なんと正午2分前に発生したんですよね。
お昼前ということは、昼御飯作りであちこち火を使って料理をしている……

水道が断水して、しかも強風によって火災はたちまち延焼してしまいました。もちろん、当時の家は木造平屋建て……。

結果、多くの方が亡くなり、家屋が焼失しました。

内閣府:関東大震災のページより

もうひとつ有名なのが阪神大震災。

1995年1月17日の朝5時46分に発生しました。
地震の揺れが震度6強や7の地域を中心に地震後に火災が発生しました。

また、地震発生から数時間後~数日後に電気系統のトラブルによる火災も多発しました。

地震なのに火災による死傷者が7割!?

首都圏直下地震が発生した場合、中央防災会議の想定では、死亡者数約16,000人と想定されており、その約7割が火災による死亡と予測されています。

16,000人の7割って、1万人越え!

下の図は都心南部直下地震が発生した時の全壊、焼失棟数を示しています。
色が濃いほど棟数が多いです。

東京東部がドーナツみたいに真っ赤になっています。

この辺りは木造の住宅密集地です。

画像2

250mメッシュ別の全壊・焼失棟数(都心南部直下地震、冬夕、風速 8m/s)
出典:中央防災会議 首都直下地震対策検討ワーキンググループ(2013)

都内で想定される住宅消失数は約69,000、うち68,000が23区内で発生すると予測されています。

都心のあたりを拡大してみるとこんな感じです。

重ね合わせ

上記の図をGoogle Earthに張り付けてみました。
環状線沿いで火災が多発しているのがよくわかります。
(あじさいはペーパードライバーのため、道路には詳しくありません。環七とか環八であると思われます。)

◆どんなところが危険なのか?

戸建て住宅の密集地です。まさに下の写真のようなところ。

画像3

戸建ての場合、木造住宅が主です。
火災発生時、すぐに消火活動が出来ず延焼してしまうために被害が大きくなってしまいます。通常の火事なら119番で消防を呼んで消火してもらうことが出来ますが、地震発生時はまず難しいです。そのため、火災が発生してしまうと延焼して被害が大きくなるけいこうがあります。

地震後火災の対策

火災といえば、初期消火が大切と言われていますが、非常時に初期消火が行えるとはとても思えません。
いちばん大切なのはそもそも「火災を起こさないこと」、これに尽きます。

なので出来ることといえば、

1.ぐらっと来たら「火」をすぐに消す

2.避難前にはまずブレーカーを落として通電火災が起きないようにする

ですね。特に、2は一度電気の供給が止まった後、再度、電気の供給が行われた場合にブレーカーを切っていない場合に火災が発生するとされています。阪神大震災で発生した「通電火災」と言われるものです。これは、ブレーカーを切れば防げるので、まずはすぐに火を消す・ブレーカーを消すの2点を徹底することが大切です。

ガスの場合、ガス会社によりますがある一定の強さの揺れが発生した場合、ガスの供給システムを自動で止める仕組みがはいっていることが多いとされています。

火災保険で補償され……ません!

えっ?あじさい、何言っているんだ!?
火災でしょ、火災保険でカバーに間違いないじゃん!

実は、前回の土砂災害と同様に、火災であっても地震を理由とする火災は補償されません!実はかなりの盲点でして、この点注意が必要です。

画像4

じゃあ、地震で隣の家が出火して自宅が燃えた場合なら補償されるよね!?

この場合も、自宅が地震保険に入っていないと補償されません。地震の場合、さすがに火元の家が故意(わざと)・重過失(明らかに火元の家に落ち度)にはなりません。その場合、地震の保険で賄うとされています。

失火責任法という法律があって、火災の場合、故意(わざと)・重過失(相手方に大きな落ち度がある。)以外の場合、もらい火でも相手方に責任を負わすことができず基本的には自分達で加入している保険からお金を請求しなければなりません。

火災が発生して近所5件の家に火が延焼した場合、例えば5件分の損害賠償請求されると火元の家は賠償金を支払うことが難しいですよね。

なので、自分の家は自分で守る、これが大切です。

最後までご覧くださいましてありがとうございました!

あじさい

サポートのお気持ちは、ぜひ被災地への募金やサポート、もしくはみなさんの「備え」にお使いください!noteを読んで「スキ」をいただけるのがいちばんのサポートです☆