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架空の喫茶店「マム」、本日開店します。

突然ですがタイトルの通り、「AJINOMOTO PARK」編集部のnoteでは、この度、喫茶店をつくることにしました!といっても、リアルに店舗を作るのではなく、想像を膨らませて作り上げる“架空の”喫茶店です。

個性的な看板、ショーケースに並ぶ食品サンプル、店主がいれるコーヒーの香り、喫茶店ならではのフードメニュー。喫茶店と聞くと、みなさんの頭の中にも、それぞれお気に入りのお店が浮かんでくるのではないでしょうか。

想像するだけでも、どこか懐かしく、あったかい気持ちに浸れる。喫茶店には、そんな力があるような気がするのです。

「そんな空気感とまとったなにかを、わたしたちも作ってみたい……。」

その想いをかたちにすべく、立ち上がったのが本企画。「ロゴはどんな風にする?」「看板メニューはこんなのがいいよね!」というように、意見を出し合いながら夢の喫茶店をつくっていきたいと思います。

「AJINOMOTO PARK」編集部のnoteが、この企画を始めるワケ。


突然の“架空の喫茶店”をオープンするという知らせに、「それってどういうこと?」と頭にハテナが浮かんでいる方もいらっしゃるかもしれませんが、まずは、この企画を始めることになった理由を説明します。

1つ目は、わたしたちが「AJINOMOTO PARK」やSNS、そしてさまざまな商品を通して消費者のみなさんとコミュニケーションをとってきたなかで、まだ接することができていないみなさんともなにか共感できるものを持つことで、新たな可能性を見出していけるのでは?と思い立ったから。そのためには、なにか新しい企画をやろうと、立ち上がりました。

2つ目は、なにか企画をやるなら、自分たちだけはなく創造力豊かなクリエイターの方々と一緒に作り上げていきたい、という想いです。味の素社という素材を、クリエイターの力で調理していただきながら、一緒に成長していける形が理想だと考えました。

そしての3つ目。上記のふたつをかなえる企画ってなんだろう?と考えたとき、アイデアとして浮上したのが喫茶店企画でした。喫茶店の持つレトロな雰囲気はもちろん、なんでも受け入れてくれるホッとできる空間がたまらないよね!その感覚を落とし込める企画があったらおもしろそう!という話で大盛り上がり。この企画のメンバーが喫茶店好きだったというのが、一番大きな理由かもしれません。

企画立ち上げの際に作成した喫茶店のイメージボード。1909(明治42)年発売の「味の素®」のハイカラなボトルデザインも、喫茶店の雰囲気とマッチしています。

というわけで、今日からnoteを通して、架空の喫茶店づくりをスタートすることにしました。お店自体は架空のものですが、ロゴ、店舗イメージ、看板メニューなど、さまざまなお店づくりにまつわることに実際に取り組んでいき、わたしたちが思う理想の喫茶店を描いていく。そして、その取り組みのなかで、味の素社のこと、味の素社製品のこと、食のことなども楽しくお伝えしていけたらと思っています。

味の素社製品ユーザーの方はもちろん、おいしいものや喫茶店が好きという方、それに、デザインやものづくりに興味のある方なども、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。

どんなお店にする?まずはお店の顔、店名&ロゴ制作からスタート。


企画が決定して、まず初めに取り組んだのは「店名」と「ロゴ」づくり。お店の顔になるため、味の素社らしさや、伝えていきたい想いを反映することを重視しつつ、喫茶店のもつレトロで思わず心躍るような雰囲気も大切にしたいことから、店名候補をデザインに落とし込みながら話し合いを進めていくことにしました

ここから本企画にジョインしていただいたのは、グラフィックデザイナーの浦口智徳さん。

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浦口 智徳 / シカクデザイン
1987年生まれ。グラフィックデザイナー。
専門学校卒業後、デザイン事務所を経て独立。福岡を拠点にフリーランスのデザイナーとして活動。デザインで未来を描き、より魅力的に磨きたいという想いのもと、グラフィックを基本とした、広告、動画、プロダクト、ウェブ、音楽など多岐にわたりデザイン制作に携わる。
WEB:http://ckak.design/
Instagram:https://www.instagram.com/ckakdesign/
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浦口さんを交えてまず話し合ったのは、店名に入れ込みたい要素。挙がったのは、喫茶店からイメージする「親しみやすさ」や「個性」、本企画へ取り組む姿勢として盛り込みたい「新しさ」、そして「味の素社」につながるもの。それらを表現できるワードはなにか?を考えていきました。

「味の素社」から抽出した「ノモト」や「モット」、「味」から連想する味蕾(みらい)なども挙がりました。
マークと一緒に展開してみたときのイメージも。

ワードがいろいろと挙がったら、今度はそれを浦口さんの手によってデザインに落とし込んでいただき、検討していきます。喫茶店をイメージする“マーク”と一緒に展開させたときのイメージもみながら、これショップカードにしたらかわいいかも!コースターにしたい!と、夢を膨らませながら話し合いは進みました

そして決まった名前は、喫茶「マム」。

ネーミング決定時の資料。

いろいろな案が出た末に、決まった名前は喫茶「マム」。マムとは、おふくろの味を連想する「お母さん」の意味を持つとともに、お花の“菊”の英語名(mum)でもあります。なぜ、ここで菊が使われることになったのでしょうか。

その由来は、幕末に生まれ、激動の明治維新を化学の道で切り開き、「うま味」を発見することで味の素社創立の中心人物となった池田菊苗博士の名前です。

今や一般的に使われるほど浸透した「うま味」も、発見されたのは池田菊苗博士の研究があったからこそ。妻が買ってきた昆布をきっかけに味覚に訴えかける調味料の研究に可能性を見出し、長年の研究の末、旨味成分のグルタミン酸を発見しました。

参考記事:うま味発見から商品化への軌跡ー池田菊苗物語

うま味の発見者、池田菊苗(いけだきくなえ)博士

池田博士が困難な研究をつづける源となったのは、留学先のドイツで、ドイツ人の体格と栄養状態の良さに驚いたことで湧き上がった、「日本人の栄養状態を改善したい」という強い想いだったそう。今、わたしたちの生活のなかに当たり前にある味の素社製品は、そんな池田博士の日本のために貢献したいという想いがあってこそ生まれたのだと思うと、胸が熱くなります。

そんな、味の素社誕生に秘められたストーリーを、今回の喫茶店の名前に載せられたらと、喫茶「マム」という名前を採用することにしました。

店名のコンセプト資料。

名前が決まり、喫茶「マム」のコンセプトも固まりました。菊のイメージからたどり着いた「“はな”のある喫茶店」です。喫茶店文化が象徴する、親しみやすさ、愛らしさ、個性を大切にしながら、西洋で学び日本で結果を出した池田菊苗博士のストーリーにあやかって、新しいミライ(未来・味蕾)がはなひらくお店を目指していきます。

店名の次は、ロゴデザインも完成。イメージは昆布?!

お店の名前が決まったあと、さらに話し合いを詰めていき完成したのがこちらのロゴデザイン。コンセプトである「“はな”のある喫茶店」から着想を得た、華やかで個性的なイメージのデザインです。

どれも素敵で捨てがたかったデザイン案。左下のB案を採用し、最終調整してデザインが決まりました。

もちろん、他にもデザイン案がいくつかあり、味の素社としては新しい直線を基調としたデザインや、湯気や香りが立ち上る様子を表現した案がいいのでは?という意見が出ながらも、最終的に一同を納得させたのが、ロゴを決める打ち合わせ中に挙がった「昆布にみえる!」という言葉でした。池田菊苗博士がうま味を発見するきっかけとなった昆布。それをも連想させるロゴデザインなんて、完璧ですよね。

ロゴ検討時に作成した、メニューとの組み合わせ展開イメージ。

ネーミング、ロゴデザインでみえてきたこと。


架空のお店の名前を考えるという楽しげな企画でありながら、それを考える作業は、味の素社をどう表現するか?どういう想いを載せるのか?という深いものに。

池田菊苗博士がうま味を発見するに至った想いを振り返ったことで、「味の素社って、昔からずっと日本の食卓が豊かになることを願いながら商品を開発しているんだ」ということを、あらためて気付かされるよいきっかけとなりました。

喫茶マムのロゴをビジュアル展開したイメージ。このままグッズにしたいという声も。

企画を走らせて、もう一つわかったことは、喫茶店好きのメンバーでの打ち合わせは、いつも脱線しがちで、つい夢が膨らみすぎてしまうということ!まるでリアルにお店を作るかのように、グッズやお店のデザインなどまで話が行き過ぎてしまいます。

いつか、本当にかたちになる日がくるのか?!それを夢みて、がんばっていきたいと思うのです。

次回は、店舗イメージをイラストに!


喫茶マムの店舗のイメージを膨らませ、それをイラストに仕上げていきます。喫茶「マム」は、どんなお店になるのでしょうか?お楽しみに。