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今年見た230本の映画から10本選んでみた。

今年も映画を沢山見ました。

見たものはFilmarksでなんらかの感想を書いているので、数を数えてみましたがざっと230本というところでした。多分、去年も同じくらいだったのではないかと思います。
基本的にDVDかサブスクで見ていて、劇場に足を運んだのは1本もありません。そのせいで新しいものはほぼ見ていないですし、時代も国も関係ないのですが、見たものの中から私の心に刺さったものを10本選んでみました。

中にはシリーズとかもあるのですが、選びきれなかったのでご容赦。順不同です。では行きましょう!


①蒲田行進曲

みなさんも名前を一度くらいは聞いたことがあるのではないでしょうか。

つかこうへいの代表作を深作欣二監督が映画化した作品。私的には「階段落ちがある」「ラーメンズのコントにある」「いい作品らしい」というくらいの知識しかありませんでした。てっきり重厚な戯曲的なものを想像していたので、実際見てみたらコメディでビックリしました。そしてその出来の良さに舌を巻きました。

破天荒で落ち目の俳優、銀ちゃんとその付き人で大部屋役者ヤスの物語。銀ちゃんの子供を身ごもった女優、小夏と結婚するよう銀ちゃんに言われたヤスは、その命令に従って小夏と結婚する。それをきっかけにして環境も考え方も変わってしまう。

ジレンマの描き方が秀逸で、思わず引きこまれてしまいます。舞台らしい絵の作り方も新鮮に感じられて楽しいです。それぞれのキャラクターの強さとその葛藤を的確に描いており、泣きそうになりました。

私の邦画ランキングの中でもかなり上位に食い込んできた既知の黒船でした。


②日本の一番長い日

2015年にリメイクされたものもありますが、見たのは1967年の岡本喜八監督の方です。庵野監督が影響を受けたと公言しており、その対談なども目にしたため、一度は見てみないと思い視聴。大変すばらしいものでした。

終戦の日、1945年8月15日の1日をドキュメンタリーのようなタッチで描いた作品。なによりもカット割りが秀逸で、伝わるか伝わらないかギリギリの尺で次の場面にうつる。カット数が多いとかではなく、極限までそぎ落とされている感覚。不親切にも映るそのカットたちが緊張感を生み、目を離すことを許しません。

その上、戦争が終結を遂げた日。その日だけ見てもこんなにも一枚岩じゃなかったことを私は知りませんでした。ノンフィクションを原作としているため、歴史的な知識を身に着けると言う意味でも貴重です。この機会に見れて本当に良かったです。


③スターシップ・トゥルーパーズ

最高じゃないか。1998年に出たときに話題だったのは強く記憶に残っているのですが、なんだかんだここまで見ることなく来てしまったのを後悔しました。大好き。

虫がワラワラと出てきて、そいつらと戦うSFアクションだという印象だけ持っていましたし、それは間違っていませんでしたが、主人公が軍隊に入隊するところからはじまったりと、意外と青春ものの側面も
そのくせ虫は虫で大変キモチワルイし、数も多いし、当時のCG技術を持ってここまで迫力ある虫を描ききった力量に感嘆してしまいます。さすがポール・バーホーベン監督。

思っていたのの数倍も好きな作品でした。ゴキブリとか大丈夫な人は是非どうぞ。


④死霊のはらわたシリーズ(1,2,3)

高校生のときに一度見たはずで、そのときにもそれなりに面白いと思った覚えがあったのですが、ここにきて見直し。そうしたらこれがまぁ面白いじゃないですか!

グロイ!痛い!しつこい!と三拍子そろった素晴らしいスプラッタホラー。やっぱりサム・ライミは最高だぜ、ということで続けて2と3も鑑賞。そしたら同じ『死霊のはらわた』の仮面をかぶっているはずなのに、もはやコメディで(特に3は最初っから完全にコメディ)そのあまりの振り切りっぷりにはむしろ好感しかありませんでした。最高オブ最高。

直前に見た『ダークマン』もこれまた面白くて、やっぱり才能ある監督はいいなぁと思った次第でした。スパイダーマンとか最近のライミ作品もまた追っていこうと思っています。


⑤劇場版魔法少女まどか☆マギカ[新編]叛逆の物語

まどマギのアニメはリアルタイムで見ていました。今もそうなんですけど、劇場版というものに苦手意識があって映画は見てなかったんですよね。それで、この前岡田斗司夫さんが褒めているのを見て、こちらをやっと鑑賞。度肝を抜かれることになったわけです。

もちろん本編のアニメもかなり強いインパクトがあることは間違いありませんが、その設定と物語を生かしたうえで、真正面から「叛逆」の物語をぶち込める虚淵さんの才能には嫉妬しかありません。すごすぎる。

テレビアニメは最高のバッドエンド。映画叛逆は最悪のハッピーエンド

という言葉がよく表しているなぁと感心いたしました。

アニメを見ていない人はアニメから見てほしいですし、アニメは見たけどこれは見ていないと言う人は人生損しているので早く見てください。映画は本当はこれの前に2本あって、それが確かアニメの総集編のはずなので、それで復習するのもアリです。

確か新作映画もやるんですよね。これ以上どうするの……というか、ここまで来てもうひとつやるとすれば本当のバッドエンドか、本当のハッピーエンドか、どちらかなのかな。こうご期待ということで。


⑥アルプススタンドのはじの方

やっと比較的最近の作品が出てきた(笑 とはいえ2020年の作品。

高校野球を観戦する客席の端っこの方で起こる青春群像劇。この10本の中に残ったのは私的にも想定外でしたが、心を掴まれたことは間違いありません。

もとが演劇なだけあって、本当にほぼこのアルプススタンドの端の方だけで完結するんですけど、登場人物の心情とか思いが、全く映りもしない野球と重なりあって、最終的には見ているこっちも一緒に応援したくなってしまう。どこがいいとか、この作りが、と言える感じではないのですが総体としてよくできている。

このリストにしては珍しくゾンビもゴキブリも出てこないので、安心して見て見てほしい青春作品。


⑦高慢と偏見とゾンビ

大好きすぎる。そもそも「高慢と偏見」が好き。そして「ゾンビ」も好き。そんな私が「高慢と偏見」にゾンビを突っ込んだ快作、「高慢と偏見とゾンビ」を嫌いなわけがない。

アクションにぬるさを感じるときもあるけれど、基本的には戦うヒロインたちはすごくカッコイイし、元が「高慢と偏見」なので、恋愛ものとしても良くできている。それをちゃんとゾンビ入りでうまく料理できている。

どうしてもゾンビを突っ込んだ分、尺が足りなくなってしまった感はあるし、この映画そんなにヒットしなかったせいか、どう見ても続編ありそうな終わり方をしているのに、続編の話は聞こえてこないし、踏んだり蹴ったりですけれど、私は大好きだ。清水寺から叫んだっていい。大好きだぞ。


⑧エクストリーム・ジョブ

韓国のアクションコメディ。

署の落ちこぼれ警察官たちは、麻薬の捜査のために犯人たちのアジトの向かいのチキン屋さんにひそみ敵を監視していた。しかしチキン屋は閉店するという。さあどうしよう。いっそこのチキン屋を買いとって商売しながら監視したらいいじゃないか。そんな捜査のためのチキン屋が大人気になってしまったのだからたまらない。大事なのは犯人逮捕か、チキン屋の売り上げか。

設定が秀逸だし、最初は頼りないと思っていたキャラクターもだんだんその個性と強味が見えてきて、見ているこちらの気持ちも徐々に引き上げられていく。さらっと伏線があったり、とにかく楽しく見られる。

終盤のアクションちょっと暗いな、というところだけは心残りなものの、他は非の打ちどころのない大変楽しいコメディです。大好き。


⑨フォードvsフェラーリ

これも2020年の作品ですね。私が見たのは今年の最初でした。

マット・デイモンとクリスチャン・ベイルのコンビも最高でしたし、男くささ満点で満点です。すごくどこかが抜けているというとりかは脚本や演出、演技、すべてにおいてポイントが高い。去年の「ジョジョ・ラビット」も同じようにいいものを見たな~と思ったかな。

損はしないから四の五の言わずに見たらいい。というジャイアニズムが通用するいい意味で八方美人な作品。


⑩ポン・ジュノ監督作品

きっかけはやっぱりこの『パラサイト 半地下の家族』でして、これが出たのが『フォードvsフェラーリ』と同じくらいの2020年の頭ですね。

パラサイト大好きだったんですよ。基本的にコミカルでありつつも、社会風刺などを挟みながら凄惨な場面もある。そして何よりも、その一枚絵の美しさ。こんなに美しい絵を撮れるのはあとはキューブリックぐらいでしょう。

絵も美しいのに話も楽しいどこの怪物だ? と思いまして、これまでに見たやつもいくつかあったんですけど、ポン・ジュノ監督作品を見直してみたわけです。そうしたらまあどれも素晴らしいじゃないですか。だいたいどれもコミカル調であることも私のツボです。見ることができる監督作品そんなに多くないですしね。

今、好きな監督というランキングを作ったら3本指にはいるかなぁという感じです。ポン・ジュノ監督。多分あとの二人はゼメキスとビリー・ワイルダー。多分。


総括とTOP10には入らなかった作品

そんな10選でした。

古い作品ばっか。まあ新旧問わずで見ていって、古い作品は名のあるものから見ていっているのだから並列で同じ数見たとしたら古い作品の方が刺さっる作品は多くなるのは仕方がないかもしれません。――しれませんけど辛気臭いランキングです(笑

惜しくもランキングを外れてしまったのは、完結おめでとうの『シン・エヴァンゲリオン劇場版』と、『オールド・ボーイ』(韓国の方)でした。

来年も沢山映画を見ようと思います。
映画って本当にいいものですね。

みなさんもこれが面白かった! とかあったら教えてください。


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