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とある日のインタビュー【ショートショート】【#18】

「知り合ってもう一年以上だし、今日はフランクな感じでいかせてもらうわね」
「はいはい、ご自由にどうぞ」
「最初の印象から話すと、最初はちょっとお高くとまっているなこの人、って思ったわ。有名人を引き連れて、おしゃれな雰囲気出してます!みたない感じ」
「酷い話だな(笑 もちろん著名な人が僕のために集まってくれたことはありがたいことだけれど、それは僕のせいじゃないだろ」
「まあね。でもそれで尻込みしていた人もいるんじゃないかと思うわよ?」
「それは、僕に言われてもなぁ。もちろんどう見せるかっていう方法論は沢山あったと思うけれど、ツイッターとかだって、『最初は有名な人が使っているから』って人が集まったじゃないか。ある程度は仕方がないと思ってるよ」
A「でも最初あんまり印象良くなかったって話聞いたよ?。人当たりが悪くて、お金ばかり取られるなんて」
B「まぁ、そういう風に言われてた時期があったのは否定しないよ。でも、何事も最初から100点なんて出せないし、その時期があっての今だなって僕は思ってるよ」
「ふうん。まあでも、そんなふうに始まって、今では何千万人があなたのファン。上手くやったものよね。最近はネットであなたの名前を見ることも多いし、悔しいけど時流に乗ってる感あるわよね。秘訣を教えなさい、秘訣を」
「いや、秘訣って……(笑 これをやったから人気者になりました!なんていえるほど、わかりやすい秘訣なんてないよ。おこがましいことだけど、僕には他の人にはない魅力があるのだと思う。それがみんなに伝わったら嬉しいし、伝えるように努力しているつもりだよ」
「じゃあその『魅力』ってなんだと思うのよ?あなたの考える、あなたの『魅力』はなんですか?」
「気恥ずかしい質問だな。でも、来るもの拒まずで、どんなジャンルにも対応できる対応力があるし、それを仕事に結びつけることもできる。このあたりのバイタリティじゃないかな」
「ふーん。まあそうかも。でもきっと他にもあるわよ。当ててあげる。あなたのその、『おおらかさ』だと思うわ。それにいいと思ったら、誰彼かまわず引っ張り上げるその『大胆さ』もそう。多分みんな、あなたのそんな部分に魅力を感じてるんだわ」
「おお、そうなんだ。他には?」
「そうね、あなたが居たおかげで、いろんなつながりが出来た、とか。いろんな価値観に触れられたとか。もちろんあなたと繋がりのある人だから、あなたのことを悪くはあまり言わないと思うけれど、あなたという存在は、日に日に大きくなるばかりってところかしら」
「うれしいこと言ってくれるね。そして、なんだか僕がインタビューしているみたいになってきたな(笑 でも、自分のことは自分にはわからない部分もあるから、色々率直に言ってくれるとありがたいよ」
「じゃ好きな色は?」
「エメラルドグリーン」
「やっぱりね」
「やっぱりってなんだよ。まあでも好きなモノは好きなんだよ。シャレてるだろ?」
「そうね。嫌いじゃないわよ」
「いちいちトゲのある言い方だなぁ。せっかく忙しい中、今日のインタビューを受けてやったのに、もう来てやらないぞ!」
「まあまあ、そうも言わないで。あたしとあなたの仲でしょう。そういえば、まだお名前お伺いしてなかったわね?今をトキメク人気者さん、お名前お伺いさせていただいてもよろしいでしょうか?」
「はぁまったく。どんなインタビュアーだよ。……名前は『note』と言います。若輩者ですがよろしくお願いします。どう?下手に出て感じいいだろう(笑」
「自分でゆっちゃったら台無しじゃない(笑」


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