映画好きにおススメしたい漫画3選【レビュー】【漫画】
星の数ほど映画はありますが、「映画に関する漫画」も沢山あります。
作り手の情熱や苦労を描いた漫画や、いち映画ファンとしてすでに世に出ている映画を再発見する漫画。すこし変わった映画を集めた漫画などその切り口は様々です。
今日はそんな「映画に関するオススメ漫画」を3つ選んでみました。
■邦画プレゼン女子高生 邦キチ！ 映子さん（服部昇大 ）
「邦キチ」とは「邦画キ○ガイ」の略です。
女子高生にして邦画大好きな映子さんが、邦画の……それも非常にコアな作品ばかりを紹介する漫画です。『コア』といっても心配するなかれ。「知名度は低いけれど、隠れた良作をこっそりご紹介！」というような良心にあふれた作品ではありません。
邦画ではないものが入るのはご愛嬌なのですが、まずはこのラインナップを見てください。
「デビルマン」
「DRAGONBALL EVOLUTION」
「CASSHERN」
「進撃の巨人ATTACK ON TITAN」
「ドラゴンクエスト ユア・ストーリー」
「テレフォーマーズ」
あなたも一度はこれらの作品の悪名を聞いたことがあるでしょう。
一言で言えば「駄作」「失敗作」として後世に語り継がれるような作品たちを、真正面からどこまでも『真面目』に、そして『前向き』に紹介していくのです。
大事なのは『前向き』であること。映子さんというキャラに愛を持って語らせることによって、私たちは世間を凍らせたあの駄作にも、違った楽しみを見出すことができるのです。
ひどいと言われて、見に行くのをやめたあの駄作や、口コミが酷くてレンタルを止めたあの失敗作。そんな作品ももう一度見てみようかな……と思わせるだけの力に満ちています。
そして再び見たあなたはきっと思うでしょう。
ああ……駄作はやっぱり駄作だった、と。
そこまで一連の行動を起こさせるのは、この漫画の素晴らしい切り口あってこそです。そこに込められた情熱の高さゆえです。そんな古くて新しい体験を私たちにくれる斬新な映画漫画といってもいいでしょう。
既刊3冊です。
■水曜日のシネマ（野原多央）
今日紹介する3つの中では、一番正統派の映画漫画というべきでしょう。
既刊5冊になります。
レンタルビデオ屋さんでアルバイトするようになった主人公、藤田奈緒。映画はあまり知らないけれど、店長の奥田一平から毎週水曜日におすすめの作品を教えてもらうことに。一緒に観ていくうちに、徐々に心の距離も近まって……
と、まあそんな恋愛×映画という漫画なので、出てくる映画も正統派です。
「ニュー・シネマ・パラダイス」
「Back to the Future」
「レオン」
「Ｅ．Ｔ」
……と、皆さんも映画館や、テレビなどでも見たことがあるでしょう。
押しもおされぬ名作ぞろいです。
名作と言われる作品は、紛れもなくいい部分があります。そしてそこにはメッセージがあります。そんな名作を通じて、心を通わせていく様は、自分が映画を見たときの感動をリフレインさせるようで、作中で行われる恋愛が他人事とは思えなくなってくるのです。
「映画って本当にいいものですね」
という注釈が入ってきそうな、正統派な作りがにくい一作です。
■映画大好きポンポさん（杉谷庄吾【人間プラモ】）
pixivからの刊行で既刊2冊です。
続編の「映画大好きフランちゃん NYALLYWOOD STUDIOS SERIES」が1冊出ています。「マンガ大賞2018」では10位にランクインしていますね。
これは上の二つの漫画とは違い、『映画を作る側』を描いた作品です。
著名映画プロデューサーの娘として、そのコネクションに加えて、才能も受け継いだポンポさん。しかしなぜかＢ級映画ばかりを好んで作る。そんなひねくれた天才映画クリエイターを師事する制作アシスタント、ジーン君こそがこの漫画の主人公です。
可愛くデフォルメされた絵柄に騙されるなかれ。
登場人物はそれぞれ「好きな映画」が紹介されるのですが、これがキャラクターによってはなかなか個性的でマニアック。主役の2人があげている作品はよく知られている作品ですが、他のキャラでは比較的知名度の高くない映画が沢山出てきます。
セッション
デス・プルーフ
フランケンウィニー
（ポンポさんが好きな映画）
スティング
タクシードライバー
ファイトクラブ
（ジーン君が好きな映画）
単に「好きな映画」とはいえ、そのキャラにあったものでなければ意味がありません。それを3作づつ出すだけでも、かなりの量の知識が必要になります。
そんなかなりの熱量をもった映画好きが、熱量を注いで映画を作る人々を描いた作品が面白くないはずがないのです。創作に悩み、思い悩むさまは映画でも漫画でも同じ。そんな作り手の苦悩が、こちらまでひしひしと伝わってくる、そんな漫画です。
絵柄にくせがあるのは確かですが、pixivコミックで5話まで読めますので、手始めにどうぞ。
■まとめ
以上、『映画に関する漫画3選』でした。
映画漫画ってとても多いんですけど、なるべく普通じゃないものを選んでみました。手に取っていただいて、楽しんでいただけたら幸いです。
「欲しいものリスト」に眠っている本を買いたいです！(*´ω｀*)