悪夢を見ていたんだ【ショートショート】【#155】
「うわっぁぁ……!」
悪夢にうなされて俺は勢いよく半身を起こした。しかしすぐに見慣れた自分の部屋であることに気がつき、落ち着きを取りもどした。横には向こうを向いたまま妻が寝ていた。
「どうしたのあなた……?」
妻は布団の中で身じろきをし、俺に問いかけてきた。半分寝ぼけているようで眠そうな声をしている。
「ああ、起こしちゃったか、ごめんな」
俺は再びベットに体を横たえながら答えた。体中に汗をびっしりかいていた。
「いや……悪い夢を見てたんだ。すごい怖い夢だったよ。昔話した