No.81~85
No.81 All Kidding Aside
はい、こちらコールセンター「 」です。……はい、はい。自分をころしてしまい……。かしこまりました。今すぐ派遣いたします。……何を?あなた、まだ生きていますよね?ですから……切れてしまいましたね。
No.82 Filthy Philosophy
「死んではいけません」「なぜですか?」「悲しむ人がいるからです」「そもそも、あなたは誰ですか? 僕が生きるのは、悲しむ人(笑)のためなんですか? 僕の人生は無視ですか? 定型文は、嫌いなんですよ」
No.83 終末デイト
「大丈夫だよ」「……何が」「死ぬときは一緒」「死んだら一人だろ」「“一人”ですらなくなるかもね。意識、なくなるんだよ?」「お前なあ」「……最期の言葉、考えた?」「まだ」「じゃあ、もう少しだけ遊ぼう?」
No.84 幼
「だれですか?」と、見知らぬ子。「どうしたの?迷子?」「ぼくのことは、きかないでください」「そんなわけには、」よく見ると、その子は仄暗い影を背負っていて。「だれですか?おなまえは?おしえてください」
No.85 in the Blue
口を塞がれている。どろりとした「青」に。「何をしてるの?」誰だろう。返事もできない。「飲み込みなよ」でも。「いいから」そして、僕は「青」になった。おかげで、窒息しなかった。けれど、一年後。僕は。
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