No.71～75

No.71　灯台の下は暗いので、

　あの上には灯台守さんがいます。日々、遥か遠くを見据えています。下に居る私には気付きません。でも、それでいいのです。あなたがそこに居ること。夜を灯す役割を持つこと。その事実が、私を温めてくれるのです。

No.72　コーヒーとゴーリー

「本当は、コーヒーの方が好きなんだ」「ホットミルクしか注文しない人が？」「昔はよく飲んでたんだよ」「今からでも淹れましょうか？」「あんたはあんたのばあさんによく似てるが……それだけじゃ、だめなんだ」

No.73　揶揄の実

　花みたいだね（すぐに摘まれてしまうから）。そういうところ、僕は好きだよ（騙しやすいから）。今度は、どこに行こうか（最後だから、選ばせてあげる）。楽しみにしてるね（首の付け根から、摘んであげる）。

No.74　Q&Q

　ここはどこ？「ここはどこ？」君は誰？「君は誰？」真似しないでよ。「真似しないでよ」僕、気付いたらここに……。「……」君、僕に似てる気がする。「君、僕に似てる気がする」君は僕なの？「思い出した？」

No.75　（non）automatic

　a、今朝の天気を教えて。【バッテリーが不足しています】a、花瓶の水を換えて。【バッテリーが不足しています】a、朝食の用意をして。【バッテリーが不足s】a。バッテリーくらい、自分で補充しなよ。