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頭に、テグスを巻かれている。 それ以上きつく縛るでもなく、緩めることもなく、そのまま。 …
誕生日だった。 30歳。特になんの感慨もなく、目が覚めた。 「なんか、感慨とかあった?」 …
ハッピー、かはさておき、バースデーが来た。ぼくの。 ぼくは、30歳になった。30代デビュー。…
隣室の物音が、いい加減わずらわしくて起きた。いつもなら気にならないことが、気になる。 ま…
フリッツ・ラング監督の『M』を見た。90年以上前の映画。友人がディスクを貸してくれた。 「…
まだ、寒い匂いがする。 雪が積もっているんだから、それはそうなんだけど。 何年ぶりくらい…
かなり寒い日は、この一ヶ月でもあっただろうに。それでも、あたたかい方だったんじゃないかと。昨日からの冷え込みに思う。 着る毛布にくるまって、ブランケットを肩にかけて。着ぶくれして不格好なぼくが、台所に立つ。 コーヒーのために沸かすお湯と、あたたまっていく牛乳から立ち上る湯気に、手をかざして。 冷めてしまったカフェオレをすすりながら、雪だるまの完成形を想像して、少し笑った。
「今回の更新で、精神手帳の等級が上がります」 「手帳が」 「はい」 「(障害)年金の等級…
シチューに、じゃがいもを入れ忘れた。あったのだけど、忘れていた。 ほんの些細なこと。 シ…
一昨日の夜は、落ちるところまで落ちて、昨日の夜は、それなりにまともだった。 「まとも」と…
夜になると、憂鬱になる。夜だけじゃないけど、特に、と言えばいいのか。 (話には関係ないけ…
中深煎りと中~浅煎りの違いがわからない。色の違いが。コーヒー豆の話。 焙煎を始めて、1年…
唇に、なんか、ニキビのようなできものがある。いつのまに。 なんだろう。というか、どうした…
昨日の夜、久しぶりにココアを飲んだ。 あたたかくて、甘すぎなくて、おいしかった。 そこで、アルネはようやく、頬をゆるませた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 ぼくの話を聞いているのかいないのか、アルネは、ペースト状になったそれを牛乳で伸ばしていくのを見て、また顔をほころばせた。 ささやかな甘い匂いが、部屋の中をゆるやかに漂う。 約束をして、ぼくらは同時に、カップに口を付けた。 そして、同時に空だったことに気付いて、笑った。