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映画 ラストマイル 感想

ずっと楽しみにしていた「ラストマイル」
初日にさっそく観に行きました。

※以下ネタバレあり※

アンナチュラル、MIU404のドラマを見てきた人間にとって、見ないという選択肢はありませんでした。

野木さんの脚本に主題歌は米津玄師さん。

期待しかない!!!

どこから感想を書くか迷いますが、物流の問題と、この映画は切っても切り離せないと思うのでそこから。

昔、私自身が通販系の会社にいた際、よくお客様から言われていたことがありました。

「◯◯ゾンはすぐ届くのに」

いや、知らん。
うちは◯◯ゾンやないし。
それなら買うなや。

毎回のように心の中でツッコんでいました。

注文すれば翌日に届く。

そんな便利な世界に生きていますが、当たり前じゃないんですよね。

注文を受付するシステムがあり、物流に指示がいき、ピッキングや梱包され、配送会社から発送され届く。

そのどれにも莫大な人が必要です。

でも費用を抑えるために人件費や送料は最小限に抑えられ、その代償を受けるのは働く人たち。

自分の便利さと引き換えに誰かの人生を搾取している。

自分が生きている限り衣食住何にでもどこかにいる誰かが関わっている、そのことを頭に常に入れておきたいとあらためて感じました。


発送元と宅配会社とドライバー、この関係性の描き方も見事でした。

指示されたらそのとおりに動かざるを得ない、自分1人が反抗しても巨大な社会の前では意味をなさない。

ストライキや周りと協力して対抗していく流れに、人は1人では生きていけない、人との関わりが強く出ている映画でした。

うーん、言いたい感想が言葉になかなかできないな。頭のなかで色々とっ散らかってる。

もう少しだけ。

エレナが犯人かと思わせる表現がうまい!

えっ、まさかの主人公が黒幕なんて??ってハラハラしながらみた。

実のところ予告見て、勝手に火野正平さんが犯人なんじゃね?安いお金で働くことに嫌気がさしてやったんじゃね?なんてうっすーい考えしてたら全く違う方向から犯人がやって来てそっちか!って。

そりゃ素人が考えたことが当たるわけない。

この映画は観る人によって色んな解釈ができるし正解がない。

だから奥が深いしおもしろい。

ロッカーに書かれたベルトコンベアの速度と停止する重量。

その重量がちょうど人の体重くらいで、止めるために飛び降りるという発想になってしまうくらい追い詰められてたヤマサキが辛すぎた。

エレナからセンター長を引き継いだコウがロッカー前でする表情は、止まらない(止められない)ベルトコンベア(仕事)に対する絶望なのかなと。

自ら体を張って止められなかったヤマサキ、仕事に追い詰められたエレナのように自分もなってしまうのでは、そんな恐怖心とやるせなさが出たのかな。

映画見たときは全然意味が分からなくて見終わってからその意味をずっと考えて私の解釈はそうなった。

火野正平さん演じるお父さんがとても良かった。
70代父親と40代息子。
会社が倒産して職を失った息子に自分の仕事を教える父。
息子を思う父がね、泣ける。
あとこの世代間の働き方に対する考え方の違いも浮き彫りになってたのよかった。

最終的にこの映画って、あなたならどうしますか?って問うてるのでは?

誰かの働き方を変えるには自分の生き方も変える必要がある。

世界は大きくて、そんな世界の一部にすぎない会社で目の前の仕事をすることにどう関わるのか。

普段の生活をどう変えるのか。

仕事や生活、生きるための行動をどうしていくのか。

色んなことを投げかけられたように思う。

また見に行こう。

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