MIU404 最終回

MIU404最終回見ました。
価値観がかわるくらいに心が震えた。

ネタバレあり。





これまで積み重ねてきたストーリーはもちろん、11話の最後の数分。


この終わり方は新しいし、難しい。
役者の幅によっては、納得いかない…ってなる可能性だってあった。

なので菅田将暉をあえて「ゲスト」として出したキャスティングがまず最高。

もともとめっっちゃ演技うまいと思っていたけど、わたしはまだまだ彼を軽く見てた。


映画ドラマ含め40作くらい見たけど、(いま全部見る企画一人でやっていて、たまたま見ていたらMIUにもいきなり登場した)

登場から強烈な存在感を残した。


最後の久住(と呼ばせてもらう)の憂いをはらんだ横顔が、最後の病室での言葉が離れない。

志摩さんに血を押さえてもらった久住の瞳、見た瞬間泣いた。

なんで泣いたのかわからないままに泣いた。

あの少年のような幼い表情は、これまでのちょっと演技がかった関西弁のサイコパスな犯人像とは全く違っていて、空っぽな幼さがあった。

ゾッとするほど虚無にも見えるし、初めて人から温もりをもらったような救いのようにも見えた。
あの目を見た瞬間、理解する前に嗚咽した。


「生きて、俺たちとここで苦しめ」


志摩さんのこのことばが印象的すぎた。
許されなかったけど許されたのかもしれない。

久住だけじゃなくて、「俺」だけじゃなくて、俺たち。この言葉は、今までみてきたひとはみんな震えると思う。


久住の携帯にはたくさんの仲間の連絡先。これまでいっぱいの協力者。
最初はいろいろ従えているのかと思っていたけど、ずっと一人だった。それは明らかだった。

自慢していた「仲間」は自分がてがけた「ドーナツEP」でおかしくなり助けてくれない。


血を出しても。


絶望の横顔、後ろ姿。

夢の中であっさり殺されたとこは何も思わなかったけど、助けられて、血を押さえられてあんな目されたら、わたしたちは感情をどこにおいてみたら良いの。


犯罪=悪だし、今回手を染めたことは殺人、薬物、、、めちゃくちゃわるい。こいつにどんなに悲しい過去があったとしても、同情するかと思っていた。


捕まって、その過去はいずれ語られると勝手に思ってた。思い込んでた。これまでいっぱいいろんな「物語」みてきたし。


病室で、顔を覆って語った唯一。


「おれはだれの物語にもならない」


「ん???」って威嚇するとこと、手で顔を覆うそのシーンを見て、また衝撃を受けたな。


ドラマはドラマだけど、ノンフィクション=現実にもわかりやすい物語を求めてしまうことが多い。
なにかあるたび、だれかの人生を悲劇として理解しようとしてしまう。
そしてまた忘れて、消費する。繰り返す。


だれの物語にもならないと、菅田将暉に言わせる脚本。終始、エンタメとして十分な面白さに加え、現代社会のいろんなところに訴えかけるメッセージ性が節々にちりばめられていて強かった。

エンタメ系の地上波ドラマでこういう終わり方は挑戦的で心が躍る。


楽しい・悲しいだけが物語じゃない。説明的な描写はなくてもいい。


現実でも、みんなが本当に知りたいことは、語られていないことの方が多いのかもしれない。


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余韻がさめない。

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