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お産の姿勢の衝撃と、便秘。

2002年に知人から、これ素敵だからぜひ読んで、と薦められて読み、感動と衝撃と、とにかく深く感銘を受けた本があります。

「宙(そら)からのおくりもの」須江孝子著(太陽出版/2002年)

宮城県の”伝説の”と言われる助産師さんが、お母さんと赤ちゃんとの神秘的なつながりを語っておられます。私自身に出産経験がないので確かめようもないのですが、本当に宇宙のような神秘的なことが起きているのかと衝撃を受けながら読みました。

その中でもかなりショッキングだったことの一つに、「分娩台の非常識」がありました。私自身には妊娠経験もないので、子宮頸がん検査のために重い腰を上げて初めて産婦人科を受診した時のことですが、台の上に仰向けになり、複数の人の前で光々とした照明の下に下(しも)を晒すのは、感覚的に非常に違和感がありました。きっと、初めての方はみなそうですよね?
分娩の時にも同様の姿勢になりますが、あの姿勢、慣れてしまえばどうってことないのかもしれませんし、それが当たり前だから仕方ない、と思って受け入れてこられましたよね。でもそれが当然ではなかった!と知ったら、衝撃です。

須江さんの著書によると、17世紀のフランスで、それまでは分娩椅子重力を利用して出産していたのを、多くの愛妾の出産をのぞき見していたルイ14世が、もっとよく見えるようにせよと、高いテーブルの上に仰向けに寝かせて出産させるようになったのが始まりだというのです。それ以来、王家がしていることなら良いに違いないということで一般にも広がっていったということ。
須江さんによると、お産を介助する側には都合がよいけれど、人間の体の構造からみると非常に不合理だそうです。唖然としましたが、当時の私にはこの本をこれから出産する友人に贈るくらいの事しかできませんでした。

 ※検索すると他にもブログで書いておられる方を見つけました。
   ルイ14世って・・・ 自宅出産への道のり

それからしばらく忘れていたのですが、少し前、久しぶりに便秘になった時にピンと閃きがありました。更年期に入っているということもあり、力むときにはちょっと、氣をつけているのですが(というのは、既往はありませんが、私の場合、力むと頭の特定の場所の血管に圧力がかかっているのが分かりますので、これから血管の老化が進むと、トイレで力んで脳の血管がぷっちん、ということがあり得るからです。)、

ある時、心臓から上に上がる血液を分散すればよいのだと氣付いて、両腕を心臓と頭のてっぺんとの間の位置に保って、息を吐きながら、出すようにしてみました。すると、圧力がかなり緩和されるのが分かり、私の場合はこれはよいのではないかと思い、便秘の時はそうしています。そこで、氣付いたのは、これ、出産でも同じなのではないかな?、と。

昭和の始め以前の設定のドラマか映画などで、日本の出産シーンを見たことがありますが、薄明りの中、浴衣を羽織り、天井から吊るした1本の紐を頭の位置ほどで両手で強く握り、膝をついて腰を浮かせて座ったり、高く積み重ねた布団に伏せるように上半身を委ねたりして力んでいました。(勿論演技ですが) この方法も、子宮口が下を向き赤ちゃんが降りてきやすい、上半身を起こした姿勢で、母体にも力んだ時の身体への負荷が少ないと想像できるのです。同様に、水中出産が楽だと言われるのもそういう理屈もあるのではないかと想像しています。もとより四つ足の動物は、自然に生み‐落としやすい姿勢を取っていますね。

しょっぱなの投稿がシモのネタでよいのか迷いましたが、これはぜひ、広く知ってもらうべきだとずっと考えてきたので、ようやく私の中からひとつ、生み出すことができたのでホッとしています。かれこれ20年近く前の本ですので、今では既にもっとよい状況になっているとよいのですが。

とはいえ、どこであろうと、安全なお産であることが第一だと思います。

どうか、これから出産される方々が、幸せなお産ができますように。

♡素敵な写真をお借りしました。エリカさん、ありがとうございます。

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