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16-3.会員制?の飲み屋さん③


Jさん「ワタシも最初はそうだったけど、自分も相手に好かれたいなら好きって想ってるだけじゃダメなときもあるのよ(笑)」

『誰かを好きになることは、同時に僕も好かれたいと思うことなのかな。もし自分の想いを伝えたとして、断られたり気持ち悪いと言われたら確かに嫌だな….』、『でも、それは相手が男でも女でも同じなの?』僕にはまったく想像もつかなくて、ちょっとだけKさんとJさんがセックスをする瞬間を思い浮かべてみました。一緒にベッドに入って、キスをして、もしかしたらちんちんを触りあって…この時の僕に想像できるのはそこまでてました。どう頑張ってもそれ以上は分かりませんでした。ただ、僕が勝手に想像しただけなのに、Kさんが誰かとそんなことをしてたらなんか嫌だなって思いました。

Kさん「初めて聞く世界なんだから、それくらいにしてやってよ(笑)」

Jさん「ちょっと意地悪しすぎちゃったかしら!?ワタシは男の人しか好きにならないから女の子のことは分からないけど、たいくんがよかったら男のことはワタシがいつでも教えてあげるわよ?(笑)」

僕は2人が話してることがよく分からないからなのか、何も知らない自分がちょっと悔しくて、思わず『僕ももっと知りたい!』と言いそうになりました。その時の僕は、飲みなれない味のお酒はもう本当の味が分からないくらい酔ってたと思います。Kさんは僕を見るとまた優しく頭を撫でながら、

Kさん「色んな人の話を聞いて、たいはたいが思ったようにすればいいんだよ。Jちゃんはちょっと意地悪なことを言ったけど、もし好きな人が男でも素直に好きって言えばいいし、その後のことはその時に考えればいいんだよ(笑)」

と言ってくれました。僕はなんだか心臓の音が速くなってるのが自分で分かりましたが、それはもうお酒を飲んでも抑えられそうになくて、本当はもう少し飲めそうだったけど『いっぱい飲んでちょっと眠くなってきました』と言いました。Kさんはやっぱり優しく笑って『じゃあ帰ろっか(笑)』と言って、Jさんに会計を頼みました。僕は帰り際にJさんと連絡先を交換すると、Kさんとタクシーに乗りました。

ほんの少しの時間のタクシーの中で、今日聞いた知らないことや分からないことが一気に僕の中に入り込もうとして、頭の中がすごい速さで動いてるような不思議な気分になっていました。それと同時に、今日飲んだお酒が急に僕の中に回りだした気がしました。初めて会った女の人みたいな喋り方をするゲイのオジサンは、僕の聞きたいこたになんでも答えてくれて、男の僕より男のことを知ってるんだと思いました。


僕はお気持ちだけでも十分嬉しいのです。読んでくださってありがとうございます🥰