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#221 ”人間拡張”?

 最近,研究テーマの一つとして,ヒト身体の運動を解析するバイオメカニクス分野について取り組み始めました.

”過去最高”

 昨年12月頃から,”過去最高の忙しさ”が立て続けに起きています.でもよく考えてみると,就職して過去29年間,いつも「それまで経験したことがない」初めての試練がやってくると,いつも”過去最高の忙しさ”と言ってきた気がします.そうです,記録はいつも更新されます(笑).これからも,きっと”過去最高”は更新され続けることでしょう.それが成長の証(あかし)なのでしょう(笑).

初めてのモーションキャプチャ体験

 忙しさの一つが,念願だったモーションキャプチャシステムが研究で使えるようになったことがあります.職場の建物改修で引っ越しをしながら,新しい装置の立ち上げという,”過去最高の忙しさ”を経験しながら,”過去最高の楽しさ”を同時に味わっています.

 被験者として自分がカメラの前で動くと,スクリーン上のCGがほぼ同時に同じように動くのを実際に生まれて初めて体験しました.感動しました.もう一人の自分,あるいは自分の体がもう一つできたような,世界が拡がったような不思議な体験でした.”存在の拡張”を一瞬感じました.

Optitrack社のモーションキャプチャカメラFlex13を6台用いた撮影と,解析ソフトMotiveを用いた人体モデル動画の自動作成の様子.
被験者となり39個の赤外反射マーカを表面に貼り付けて運動を記録し,人生初の”存在の拡張”(仮想の身体)を体験.
リアルタイムで処理されるスクリーン上のヒトモデル,ほぼ自分と同じ動きをするので,”他人”とは思えない.
(https://www.youtube.com/watch?v=BRy_Aj5zoZU)

4つの人間拡張の方向

質問: ”人間の存在の境界はどこにあるのでしょうか? ”どこから先が自分以外”なのでしょうか? 

答え: (その1)自分の体(皮膚)表面? (その2)自分の声が届く範囲? (その3)自分の生活場所・活動範囲? (その4)自分が認識できる範囲内?

答えは,たぶん人それぞれだと思います.関連する「人間拡張」について,例えば次のような定義が提唱されています.

東京大学ヒューマンオーグメンテーション寄付講座では、人間拡張の方向性を大きく「身体」「知覚」「存在」「認知」の4つに分類しており、この4つが相補的に組み合わさりながら進んでいくのが人間拡張だとしています。

人間 × AI × IoT = 拡張(augmentation) → 幸せ?

質問: 人工知能(AI)モノのインターネット(IoT)を人間が”上手く活用”すると,人間拡張が進み”幸せ”になるのでしょうか?

答え: これからの人類,試行錯誤しながら,互いに相手のことを思いやりながら,皆で幸せになりたいと思いながら,答えがでるまで考え続けながら,その時々の”過去最高の試練”に挑みながら,探し続けるのだと思います.それが,私の思う”人間拡張”です.