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#78 日本語を学ぶ学生

NHK Eテレの「旅するイタリア語」のシチリア編後半シリーズで、イタリアで日本語を学ぶ大学生が登場しました。皆とても熱心に日本語を学んでいました。

外国語を学ぶ

母国語は、どんなに難しくてもそこで生活するために、文法より先に用例をひたすら覚えこんで使いこなしていくので、”誰でも話すこと”はできます。正しい文法で、正しい単語で、正しい綴りで、わかりやすく、要約して、伝えることは、まったく別ものです。

日本語の敬語は難しい

たまたま車の運転中に、NHK第二放送で日本語講座を聞いていたら、敬語の使い方、日本人の私はかなり間違えていました。海外からの留学生の皆さんが受験する日本語検定、日本人が受験したらどれくらいの割合で通過できるのでしょうか?留学生の皆さんが、とても綺麗で丁寧な日本語を話せるのは、この検定のおかげだと思います。日本人より、日本語のレベルが高いことがしばしばあります。

中国での日本語授業に参加

以前、中国で日本語を学ぶ学生さんの授業を聴講したことがあります。皆とてもまじめで、宿題の予習と、授業中の緊張感、みな目がキラキラして先生の方を集中して一言も漏らさないように聞いています。私が日本で行う授業とは、かなり違う風景でした。

何か日本の紹介をするように言われて、「三重県には”伊賀”があり、忍者博物館の近くで手裏剣を投げれます。」と言った後に、漫画でよく見かける手裏剣を連続で投げるふりをして「シュ、シュ、シュ、シュー!」としたら、大うけでした。アニメの「Naruto」の影響で、みな日本=忍者と言う、凄いステレオタイプのイメージが刷り込まれているようで、その本拠地三重県からの来校者と言うことで喜んでもらえました。

IceBrakeはアニメの話題

日本語を学ぶ人、日本に興味がある人で、日本のアニメ、あるいは歌謡曲に興味がほとんどの人あります。「飛行機揺れましたか?ジェットコースターでしたか?」「時差大丈夫ですか。こんばんはー。」と言ういつもの定型挨拶をした後に、しばらくしてから必ず話題に上がるのは、「DORAEMON」「PIKACHU」「ONE PIECE」、年代が上の方には「OSHIN」「KITAGUNINOHARU」あたりでひとしきり場を和ませるIceBrakeができます。

翻(ひるがえ)って日本人は?

さて、我々に日本人は、今でも勤勉でしょうか?海外の大学の先生に以前、「最近の日本からの留学生、昔に比べて真面目でない人が増えましたね。」と言われたことがあります。「普通の国になりましたね。」と言葉が続きました。資源のある”普通”の外国に比べ、日本には鉱物資源が露天掘りのように簡単に安全に安価に取り出すことができる場所がありません。種類は豊富ですが、海底や地中深くなど難しい場所にしかありません。「人が資源」なのが日本だと思ってきました。たぶんこれからも、そうでしょう。”人材”を”人財”と書くのを時々見ます。お金として用いられていた貝(かい)が漢字のつくり(左側)にある「財」です。

海外の日本語を学ぶ熱心な学生さんの姿を見て、日本の宝である学生さんたちに如何に力をつけておらうか、自分から学ぼうと思うように”流れ”・”環境”を作るかが、大人の我々の腕の見せ所かなと思う今日この頃です。