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#159 ”かおり”とQOL

嗅覚は「幸せになる」ために,とても大切というお話.

「匂い」と「臭い」

 どちらも読み方は”ニオイ”ですが,「良いニオイ」は匂いを使い,「悪いニオイ」は臭いをと使い分けています.読みは同じでも,感じる「嬉しい」「嫌な」で良い悪いを分けて漢字で使い分けています.

「香り」を嗅ぐ

 匂いである「良い香り」を嗅ぐ(かぐ)と,自然と幸せな感覚を味わいます.たぶん「香り」と聞いたり見たりするだけで,自分にとって「嬉しい記憶」が脳で蘇り(よみがえり),そのモノのイメージが頭に浮かぶと思います.

QOL

 生活の中で幸福を感じることが感じられることを,Quality Of Life(QOL)と呼ぶことが多いです.香りを感じることができるモノとの出会いが多い生活と,それを嗅ぐことができる感覚(嗅覚)が,人生の幸福度を高める大きな要因の一つと思われます.

NHK番組【ヒューマニエンス】

 再放送が深夜に放送されるようですが,NHKBSなので視聴し難いかと思います.個人的には,この番組,とても面白いので地上波で定期的に再放送してもらいたいと思っています.

 この番組内で,不幸にして嗅覚障害になった方のインタビューがありました.

臭いを嗅げないと,
1)5Aランクの高級な牛肉を食べても油のカタマリを食べている感覚
2)焼肉のカルビが,濡れた段ボールを食べている感覚
3)フライパンなどが焦げ付いてもわからない
4)もし火事になっても気づけない

と答えていらっしゃいました.今は,”ニオイ トレーニング”をして回復を目指しているとのことでした.味覚が正常でも,人間の脳は嗅覚と密接に関連して”味わっている”とのこと.当然,視覚も脳で密接に関連付けられていると思います.また,火事や災害発生時に生命の危険回避ができない可能性があり恐ろしいとおっしゃっていました.

 いろいろな国の料理も「目でも食べる」というと思います.盛り付けや色どりに加えて,ノドゴシ・イキ・フウミなど,単に目と口の中だけでなく,喉の通過や喉から鼻腔への戻り香などなどあげるときりがなく,記憶との関連も非常に大きいようです.

嗅覚低下

 嗅覚能力の低下は,能での記憶能力低下を生じる加齢や,嗅覚神経の機能低下を生じる風ウィルスなどの病気で生じるようです.

 いま世界的に新型コロナウイルスの感染者が増え,回復後の後遺症について少しずつデータが集まっています.当然,脳や心臓・肺などの生命維持に必要な基幹機能が重要なのは言うまでもありませんが,味覚障害については,もしかするとあまり注意が払われていない気がします.

 若者がもし味覚障害にかかったら,これからの人生のQOLはとてつもなく低下すると思います.「味気ない人生」などと笑い話で済まされないと思います.もし罹患してしまい将来,『あの時,手洗い・マスク・不要不急の不外出をしていればよかったなぁー』と言わなくても良いようにして欲しいと心から思います.味覚・嗅覚の障害が生じませんように.