見出し画像

#83 「自分の行動は、”本当に”自分で決めている?」お気に入りのTED talk(5)

TEDの中で、行動経済学者のDan Arielyが、自分の意志で行動を決定しているように思っている場面でも、実は「不合理な行動」をしているとプレゼンしています。興味深い事件結果がいろいろ紹介されています。

アンケートの集計結果は設計できる?

例えば、アンケートの質問項目をどう変えても、自分の答えは変化しないと”思い込んで”いませんか?

このTED talkの9分過ぎあたりの、医師の行動に関する結果から、人間の行動は”ある程度は設計できる”ことがわかります。

私たちは、質問の選択肢の数や、質問の仕方で回答の選び方が変わってしまうことがあるようです。もし、アンケートを行う側がその辺りのことを理解していると、「〇〇の回答を多く得たい。」と思えば、ある程度期待する回答を増やすことができるといことになります。これって、実は恐ろしいことです。「みんなが言っているから従おう。」と思う人がもし多い集団であれば、意見が二分してすぐに出ない結論が、議論を経ずに見かけ上の票数だけで決まってしまう可能性があります。

アンケートの精度は?

私の学生時代の「確率・統計」を担当していただいた先生が、講義の中で繰り返し説明していたのは、「数値を議論する前に、そもそも母集団から抽出した対象集団が、母集団と同じ性質を持っているかがとても大切です。例えば、世論調査をするのであれば、平日の昼間、電話を適当にかけて答えてくれた人の回答が、日本全体の世論を反映しているかは、大いに疑問です。」と熱く語っていました。集まったデータの分析に、統計的な素晴らしい解析を行っても、例えば、平日昼間自宅にいて電話に出ることができて、知らない人からの質問に5分以上答えてくれる人というのが、「平均的な人」でしょうか?

「みんなの意見」

DanさんのTEDプレゼンを見ていると、「みんなの意見」「自分の選択」というのが、実に”不合理な”自分があまり意識しないレベルで決定されていることに驚きます。ネタバレになるので、noteにあまりかけませんが、他のスピーチや書籍も出ているので興味のある方は見てみることをお勧めします。

たぶん大切なことは、与えられた質問や状況を自分で違うパターンを頭の中で想像して、多面的な捉え方をして答えを考えてみる事が一つの対処法かなと、TEDを見た後に思います。これは、『誰かの靴を履いてみた場合』を想像することですね。 "If I were in your shoes,  .....  "  、、、お後がよろしいようで。

(写真:夫婦岩@三重県伊勢市 引用元https://photo.mie-eetoko.com/photo/867)