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エッセイ

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2022年7月の記事一覧

密やかに、寂しさを糧にする

密やかに、寂しさを糧にする

 小さな男の子が、大きいリュックを背負って歩いている姿を見ると、泣きそうになってしまう。
 多分、弟と重ねてしまうから。

 小学2年生からサッカーを習い始めた弟。
 上半身よりも大きいリュックを背負って練習へ向かう姿を、私含め家族で見守っていた。

 そんな弟は、高校に入ってサッカーをやめることを決めた。
 事情はさておき、やめることを監督へ伝えた日、「本当にやめるってなるとやっぱり、涙が出た」

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人には人の役回り

人には人の役回り

 半袖のTシャツ、ショートパンツ、白い靴下、本革の靴、頭には3本のダッカールピン、というおかしな格好で、23時過ぎに海へ向かったのは、高校生の弟から「海に携帯落とした」と連絡があったからだ。

「海に携帯落とした。11時を過ぎたら高校生は補導されるから迎えに来てほしい」
「海の中に落としたの?」
「いや、砂浜。目印はあるから、探せる」
「近くに大人の人いないの?」
「大人っぽい人はいるけど、いない

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育てられる私から、育てる私になるまで

育てられる私から、育てる私になるまで

 幼い私は、母に厳しく育てられた。
 食事の仕方、友人との遊び方、目上の人との関わり方、様々なことで怒られた。

 決してやんちゃな女の子だったわけではない。
 読書が大好きで、一日に食べるお菓子の数やテレビを見る時間を決めて守るような、背の順で一番前になることへ責任感を覚えるような、サンタさんの存在を少しも疑うことのないような、そんな女の子だった。
(母に「サンタさんって親なんだよ」と言われる小

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