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源氏物語「雨夜の品定め」の書のところの話

私が初めて源氏物語をちゃんと読んだのは

大学院に入ってからでした。

それまでの私はというと、

古典の授業で習ったこと以外ほぼ分からないというのに

勝手に「源氏物語って光源氏が好き放題女をとっかえひっかえする話でしょ」

と思っていました。

本当にすみませんでした。

めちゃくちゃ面白かったです。

読んだことない方、おすすめです。

とりあえず主人公死んでからも話が続くとか斬新すぎですよね。

文語だからとあなどるなかれ。

序盤から光源氏が

「なんかこの家から女の子の声がするからちょっと車停めて!」

とか言って従者が「おいおいまたかよ」とうんざりするシーンとか

ちょっと「普通」が違うだけで考えることは今と変わらないと思います。

、、、

おっと、話がそれました。

で、その雨夜の品定めについてなのですが。

そこで、書の話が出てきます。

そのまま書くと↓のようになっています。

「手を書きたるにも、深きことはなくて、 ここかしこの、 点長に走り書き、そこはかとなく 気色ばめるは、うち見るにかどかどしく気色だちたれど、なほまことの筋をこまやかに 書き得たるは、うはべの筆消えて見ゆれど、今ひとたび とり並べて見れば、なほ 実になむよりける。」

私が勝手に意訳すると、

「書道においても、どこかの線や点をながーく書いたりとかしてぱっと見だけが上手そうに見える底の浅い字は、正統派に比べて派手で良さそうでもよくよく見返してみると底の浅さが目立つよね。」

という感じでしょうか。

今でも十分通じそうでちょっとにやっとしませんか。

雨夜の品定め自体はもっと長くて女性の品評会みたいなのを男同士で夜通しする話なんですが、

この一部分だけでも源氏物語が面白そうに見えてきませんか。


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