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眠れない眠れない眠れないおはよう。

自分が人より寝る人間だと気付いたのはいつごろだろうか。
中高は夜10時に寝て朝7時に起床。
大学時代は深夜1時に寝て昼過ぎに起床していた。

最低でも8時間。
それを下回ると、翌日は普段より早く寝ないと体がもたないのだった。

最近、寝ることに関してとても神経質になっている。
予定通り11時に布団に入ることができても、うまく寝付けない。

「明日仕事がんばるためにはやく寝ないと」
そういったプレッシャーが私を駆り立てる。思考がとめどなく溢れ、1時間、2時間と経ち、疲労は朝になってもとれることがない。

私の知り合いに変わった女の子がいる。
「眠いから寝るのではなく、体力回復のためだけに寝てる」のだという。
彼女は、布団に入ってわずか5分で眠りにつく。
そして、5時間後ぴったしに自分で起きる。
睡眠不足を感じることは一切ない。
本当に、「寝ないと体に悪そうだから寝てる」といった感じなのだ。

私はこんなに睡眠で苦しんでいるというのに。


眠れなくて、布団の上で後悔するのだけは、嫌だ。

私は飲み物に含まれるカフェイン量を正確に記憶している。
コーヒー、コーラ、紅茶、エナジードリンク。
量に応じて、○時以降は飲まないとも決めている。
ラーメン屋でお茶が出てきたら、店員を呼んでお冷を頼む。
濃厚な抹茶アイスはお茶の成分が多いから、朝にしか食べない。

決めごとを守っても眠れない夜はやってくる。

外で鳴る救急車のサイレン。知らない誰かの叫び声。なにかがぶつかった鈍い音がする独り暮らしの部屋。

耳栓をして布団をかぶる。沈黙が訪れる。

けれども自分の思考がうるさくて、意識が途絶えない。

立ち上がって薬を探す。明かりをつけたら目が覚めそうだから、暗闇の中で探す。

「ドリエル」という睡眠促進薬を二錠、水道水で流し込む。

これで大丈夫。

安心が眠気を運んできてくれる。

私は睡眠薬の効果で眠れているのではない。

眠れる薬を飲んだから大丈夫だというプラシーボ効果のおかげで眠れている気がするのだ。

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