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一日一句【菜根譚】#35『持身勿軽 用意勿重』ー自己修養と徳の構築への道



私たちの生活において、自己修養と徳をどのように築くかは非常に重要なテーマです。この考え方は、「持身勿軽 用意勿重」という言葉に見事に表されています。これは、自己抑制と意志力をどのように適切に使うかについての教訓を含んでいます。

まず、

「持身勿軽」

とは、自分自身を軽んじないことを意味します。軽率な行動や短絡的な思考は、自己の真の価値を見失わせ、結果として物欲や外部からの影響によって自己が動かされるようになります。私たちは、自分自身の行動や思考に責任を持ち、自己の核となる価値観や信念に忠実であるべきです。

一方、

「用意勿重」

とは、意志や目的を重んじすぎないことを意味します。目標に対する執着が強すぎると、ストレスや圧迫感を感じるようになり、結果的にゆったりとした静けさや生き生きとした自由さを失ってしまいます。目標に向かって進むことは大切ですが、過程を楽しむことも同様に重要です。

この二つの原則は、

バランスの取れた生き方

を提唱しています。自己を軽んじることなく、同時に目標に対して執着しすぎないこと。これは、自己修養と徳の構築において極めて重要なポイントです。

この考え方は、

弁証法的なアプローチ

に基づいています。つまり、相反する要素の間でバランスを取りながら、自己成長と発展を遂げることを目指します。自己を知り、自己に忠実でありつつ、柔軟かつ開かれた心を持つことが求められます。

最後に、この哲学は日常生活のあらゆる面に適用されるべきです。仕事、家庭、人間関係、個人的な趣味や目標において、このバランスを見出し、実践することが、より豊かで充実した人生への鍵となります。

「持身勿軽、用意勿重」を心に刻み、自己修養と徳の道を歩んでいきましょう。

一日一句【菜根譚】#36『淡即真味 常即主人』知足常楽の心がけ

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