人に聞けという欺瞞:紙の記録の重要性
しばしば、働いていると、分からないことがある。そして、分からないことは先輩社員から聴けという。それで、解決する場合も多々あるが、それでは解決しない時もある。
例えば、ある毎年行われるイベントがあるとして、それを「まっとうな」企業や自治体などでは、例年の工程や内容を参考にし、今年はどうするか?ということを考える。そのためには、昨年、行なった前任者からの話が重要になる。
ところが、ある組織のある事業部に配属になり、その前任者から話を聴いて、工程表らしきものは目にしたが、まったく、具体性に欠ける内容だったとする。具体的なことについて質問すると、はぐらかされるといった状況だった。
仕方がないので、工程表らしいものを参考に計画を遂行していたところ、その事業部のボスから、この工程では、間に合わないと言われたと。
前年度の前任者から再度聞いても「こんなに早くやる必要はない。」という言われたと。
ボスの話がホントなのか?前任者の話がホントなのか?
そのあたりが新人にとっては判断がつかないと。
こういう状況でさらに上に相談したが、単に「人に聞け」としか言わないと。すでに、相談はしたし、これ以上、どうすんの?と、困り果ててしまったと・・・。
そうしたら、偶然、別の支部の知人から電話がかかってきて、その話をしたら、去年まで、今いる支部にいた人を知っていて、その人が事情を知っているということだったので、話を聴いたら、恐ろしいことがわかった。
まず、その前任者はイベントの日程を組み間違え、失敗をしていた。そして、その上司が、今のボスだったわけだが、そのボスにキチンと報告せず、把握しきれていない状況だったということがわかった。なお、部署の事情がまだわからなかったので気がつかなかったが、どうやら、左遷の部署に配属されていたらしく、このイベントに対して協力的ではないのでは?とその人は疑っていた。
結局、5年前に行われていたイベントの工程表がもっともキチンと作られていたという情報を得たので、それに従い、計画を急ピッチで立て直し、とりあえず、一端は問題は沈静化したということがあった。
また、これは、後で、聞いた話だが、その組織は「口伝体質」であり、紙にトラブルなどの記録を残さず、「口伝」で伝えるということがあった。
実際、クソどうでもいいこと、例えば、FAXの送り方、とか、そういうことばかりを教えたがり、重要な点を誤魔化していたという次第。なお、FAXを管轄している部署の職員に聞いた方が早かったりする。
しかも、失敗を全て、責任として押しつけてくるという状況だった。
えーと、新人に急に押し付けられてもね・・・。
「人に聞け」と言われて、人に聞いたところで、誰が責任をもって教えるのか?という視点が欠けているから、結局、その組織の中で、キチンと答えられる人はおらず、外部の人の方が経緯を知っていたという「お粗末な結果」になってしまったのだから。
こういう状況を経て、重要だと思うのは、記録をキチンと紙や電子ファイルに残すことだと思う。
具体的に、いついつまで、どういうことをすべきか?とか、工程をキチンと伝えることや、イベントに関する事務書類を作るにせよ、どういう風に作るべきか?ひな形の書き方とかね。
少なくとも、私はそうやってきた。実際、前にいた組織では、そうやっていた。
それが意外とできていないというのは驚き。「お役所仕事」としばしば、揶揄する言葉があるけど、そういうレベルも超えてしまっているという。
その組織の中で、キチンと情報が共有されていなければ、もはや、どうにもならん。
そういう意味で、キチンと、記録は残しておくと。そして、次の人を決して困らせないようにすると、当たり前のようだけど、意外とできていないことをキチンとやると、これが私の仕事なのかもしれない。
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