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インド太平洋について


インド太平洋は、安倍元首相が提唱したわけだが、私はインド太平洋という枠組みについては疑問に思っている。

 ①NATOにユーロ大西洋パートナーシップ理事会という機関があり、協力するために話し合いの場を設けている。メンバーにはロシアもベラルーシも含まれており、ウクライナ戦争には役に立っていない。この機関は、ソ連が解体した1991年に設立され、その頃は、ロシアはエリツィン大統領で協力的だったが、現在は状況が違ってしまっている。

②IPEF(インド太平洋経済枠組み)が合意した。しかし、関税削減のない経済枠組みがバイデン政権後も持続するかはわからない。

③安倍元首相は、ロシアとも友好関係を維持しようと努力した。インドはロシアの友好国なので、中国を包囲するには日露が敵対していない方がよいであろう。だが、現在の状況では、それも困難になった。

④アジア太平洋という呼称は耳にしなくなった。代わってインド太平洋という表現が目立つようになった。たが、インドのロシアからの原油輸入量は、昨年の12月に中国の輸入量を抜いており、インドに経済援助しても、そのお金でロシアの資源を買われてしまう。

⑤インドは上海条約機構のメンバーであり、BRICsの一員でもある。インド太平洋の枠組みが、有事の時、果たして有効に機能するか、心もとない。



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