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異常遠征狂記(27)〜秋旅2022❷〜

前回の狂記はこちら

現在地はミュンヘンから電車で2時間半、ドイツのエアフルトです。

4.Solar Fake

中央駅から歩いて宿に到着したところで、早速問題が発生します。今回はホテルではなく、アパートメントを予約していたのですが、なぜか送られてきたチェックインコードで部屋に入れない事態に。何度部屋番号を確認しても何度試しても入れず、メッセージアプリで連絡してみるも20分返事が来ず...
もうこれは格闘するだけ時間の無駄だと判断し、駅前の普通のホテルに行ったら部屋の空きがあると言うので、そちらに泊まることにしました。高くつきましたが野宿するわけにもいかないので仕方がありません。
そんなこんなで部屋に落ち着いたらどっと疲れました。ホテルのお部屋はこじんまりとしてなかなか良い空間でした。初めからこっちにしとけば良かった...と思いました。

エアフルトでは、ドイツのシンセポップSolar
Fake
を観に行きます。今回の遠征で唯一のメタル外です。

全体的に短め

退廃的で艶やかな歌唱に甘くも陰りのあるシンセが煌めいていて大好きなんですが、なかなかライブを観る機会がなかったのでようやく観られて嬉しいです。
よかったら聴いてください。

会場に着いたのは確か開場時間の40分くらい前だったと思いますが、黒い人達がそこそこ並んでいてちょっとびっくり。メタルのライブよりは明らかに開場待ちの客が多かったです。オタクも並んで開場待ちしてたら突然かなりの雨が降ってきて焦りましたが幸いすぐに中に入れたので、あまり濡れずに済みました。

いつも通り最前列のすみっコを確保してのんびりと開演を待っていたところで更に事件発生のお知らせ。
この後行く予定だったWatainAbbathのハンブルク公演がキャンセルになり、代わりに急遽別会場で別のイベントとして開催するとの情報が飛び込んできました。
ハンブルク市内でやるようですが会場が未定ではホテルを取り直すかの判断もできず、気を揉むことに...

そんな厄介な状況はさておき、念願のSolar Fakeのライブは隅々まで美しく輝いていてとても心高まる時間でした。

尊いな

画像に収められない程度にはキーボード兼ベースのAndréさんが所狭しと跳ね回っていてとっても元気でした。
2時間強のセトリでたっぷりと観客を踊らせ、終演は真夜中すぎという体には優しくない感じでしたが、好きな曲を連発されそんなことも忘れるくらい夢中で観ていました。
弊オタクは基本的にロン毛が好きですがSolar FakeのSvenさんは例外です。声が良すぎる...!

ツアーTシャツもゲットして大満足でした。

ここまで4公演を連続で観てだいぶ疲れた身体を引きずりつつ、翌日はハンブルクに移動します。

5.ハンブルク滞在/Tribulation

ハンブルクまでの道中でひとまず代替イヤホンをゲットし、片耳だけイヤホンからは解放されてストレス減。道中全く音楽なしはなかなかこたえますね。

目下最大の懸念Watainの件の続報がないのを気にしつつ20分ほど歩いてホテルに到着、こちらは内装の面白さで選んだホテルでしたがエアコンが三菱だったりと快適な空間で穏やかに過ごせました。

かわいい〜〜

中央駅からは少し遠いですが、また機会があれば泊まりたいホテルです。

一通り部屋を見てのんびり休んでいたあたりで、懸案事項だったWatainの会場についても箱が決まったとの情報が来て一安心。クラブや箱の多さから「ハンブルクの歌舞伎町」ことReeperbahn周辺になるだろうと踏んでいましたがこれが当たり、今いるホテルからもあまり苦労しないで行けそうでホッとしました。

問題がほぼ解決したところで、そういえばハンブルクに何回も来ているにも関わらず赤レンガ倉庫に行ったことないな、と思ったので買い物がてら倉庫方面に散歩に行くことにします。

日暮れ時の景色は昼間とは違った色合いが見られていいですね。

船や
重厚


静けさの中をゆったり歩くのは実に心地がいいもので、適度な運動のおかげもあってかこの日はぐっすり眠れました。

翌朝はわんちゃんのレスキュー隊が活躍する子供番組『Paw Patrol』の放送を見て、お昼にはコインランドリーを回してる間にSaturnにお買い物に行くという詰め込みスケジュールをこなします。
ハンブルクのSaturnはいつ行っても楽しいですね、アルバムをそこそこ買ってしまいました。

ランドリーを終えて一旦宿に戻って支度をしている間にAbbathが出演キャンセルというニュースが入ってきましたが、キャンセル公演に代わって当日券のみキャパ300で人数制限ありの突発黒いメタルライブを観に行きます。

こええよ

なお私の1番のお目当てはTribulationですのでAbbathのキャンセルはあまり問題になりませんでした。

開場1時間前くらいに着いたら道路に長蛇の列ができていて目を疑いましたが、チケットを持っていれば入れるいつものライブとは違ってある意味「先着順」なので、ぎょっとするくらいの行列ができていたのも納得です。入場できるかハラハラするくらいの人数がいましたが、無事に入れました。

開場前に並んでいた人の量からして最前列は諦めかけていましたがなぜか空いてたので滑り込み、とりあえずステージの狭さに困惑。

キュッ...

でもアングラ感強くてこれはこれでテンション上がりますね。

そんな中登場した1番手のスイス産ブラッケンドデスBølzerは、2人だけのステージながら力強い音を聴かせていました。

レミースタイル


そして本命の耽美で瑞々しいゴシックデスTribulationは、妖気に溢れた麗しいステージでした。

『In Remembrance』は美しく舞い、『Melancholia』はいつ聴いても鳥肌。Abbathがキャンセルして持ち時間が伸びたのか、ツアーのセットリストには入っていなかった『Lacrimosa』が聴けたのも嬉しかったです。
隣にいた女性もTribulationファンだったようで、2人して盛り上がっていました。

Tribulation後に最前から離脱して物販へ行ったらあばっさんが普通にいらっしゃってちょっと笑ってしまいました。気さくでおおらかな方でした。

トリのWatainはゆるりと最後尾から眺めましたが、最後尾でも煙臭いしチラチラ見える炎がえぐかったのであのまま最前列にいたら恐らく目と喉が死んでいたと思います。音は強かったです。

物販エリアではTribulationのJohannesにも遭遇、今度は日本でお会いできたら嬉しいですねっていったら言ったら「book us!(呼んでよ)」と仰っておられました誰か呼んでください。

サインもらいました

しかしわずか1日ちょっとで代替公演の開催に漕ぎ着けたのは相当な労力だったでしょう、このライブが実現したのはとても嬉しかったです。

翌朝はハンブルクに別れを告げ、再びミュンヘンに向かいます。ハンブルクからミュンヘンまではICE直通で6時間かそれ以上の長旅ですが、弊オタクの場合長距離列車の座席は結構広くて快適なため全く苦にはなりません。
今回はベルリンで大量乗車してきたサッカーファンらしき集団の治安が悪く(酒を飲み大声で応援歌のようなものを歌う)若干苦笑いでしたが、それでも長距離列車は好きです。

6.でっへぶん

オクトーバーフェストも終わりすっかり元の静けさに戻っていたミュンヘンで、今回はブラックゲイズDeafheavenを観ます。

帯同はベルギーのシューゲイザーSlow Crushという夢見仕様です。

箱はFreiheitshalleという初めて訪れる会場で、最寄り駅は中央駅から市電で2駅なのでアクセスはいい方だと思います。
行ってみたら倉庫のような場所、文字通りの「箱」で面白かったです。

高さのある空間です

バンドTシャツ着用があまり見当たらず、普段との客層の違いを実感しました。

開場後すぐは人がまばらでしたが、始まる頃には適度に埋まった状態に。

眠気を引きずりながら観たSlow Crushは甘い歌声と浮遊感のある轟音に包まれて多幸感のあるライブで、Deafheavenは激しく歪みながらも繊細に舞う音が空間中に増幅されていて、天上の夢が降りてきたようでした。

でっへぶん

観客も思い思いに揺れていて、ボーカルのニューウェーブ的ムーブも含めて楽しく幻想的で穏やかな空間でした。
2バンドのみなので気軽に行って気軽に帰れるのもいい。体力の消費はさほど感じませんでした。

帰りがけに駅を通ったのですが、夜の人気のないプラットフォームに止まっている車両はどことなく現実味が薄くていいですね。

翌朝は次の目的地ウィーンへの移動まで若干時間があったので、遠征恒例のランツフート巡礼を敢行します。

駅から出てランツフートの空気を吸ってUターンしました。

滞在時間10分くらい?

ミュンヘンに戻ったら、RJXでウィーンまで一直線。

次回はウィーンでフェスに行きます。

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