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異常遠征狂記(26)〜秋旅2022❶〜

いやーーなんか遠征したくなってきたなーーー


0.はじまり

今回の秋遠征が決定した最大のきっかけは、こちらにちょこっと書いたSecrets of the Moonの最期のライブです。

SotMはDark Fortressの次くらいに好きになったジャーマンブラックメタルのバンドで、溺愛するバンドのひとつだったので解散はとてもショックでした(その後に重すぎる鉄槌をくらったのでだいぶ薄れていますが)。

SotMの最期のライブを観ることと、チケットを所持していてコロナ禍で延期になったライブを観ることの2点を軸に、観れるだけ観たいと遠征日程を組み、完成した日程がこちらになります。

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出国→✈️チューリッヒ着🇨🇭
→Der Weg einer Freiheit/アーラウ🇨🇭
→Hell Boulevard/シュトゥットガルト🇩🇪
→Obscura/ミュンヘン🇩🇪
→Solar Fake/エアフルト🇩🇪
→Watain, Abbath, Tribulation, Bølzer/ハンブルク🇩🇪
→Deaf Heaven/ミュンヘン🇩🇪
→Vienna Metal Meeting/ウィーン🇦🇹
→Moonspell, Insomnium/ブダペスト🇭🇺
→Evergrey, Fractal Universe/ブダペスト🇭🇺
→Cradle of Filth, Alcest/ブルノ🇨🇿
→Lord of the Lost, Nachtblut/ブダペスト🇭🇺
→Wolves Den, Nocturnis/フュルト🇩🇪
→Amon Amarth, Machine Head, The Halo Effect/ライプツィヒ🇩🇪
→Secrets of the Moon/ハンブルク🇩🇪
→Cradle of Filth, Alcest/ミュンヘン🇩🇪
→Arch Enemy, Behemoth, Carcass, Unto Others/ウィーン🇦🇹
→✈️帰国🇯🇵
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長いし多いのよ。欲望に忠実です。
15公演1フェスに行く過去最大規模の遠征となりました。
何故かこの時は魅力的なツアーがものすごく多かったんですよね、コロナ禍の反動かしら...と思いながら好き勝手したらこうなりましたが、頑張ってやっていきましょう。

出国日が国葬と被ったせいか成田空港には警官の姿が多く見られましたが、旅行客の姿は少なかったように思います。

今回はエティハド航空でアブダビ経由です。

安定の主翼

機内食で出たケーキが美味しかったのでまた食べたい。

ブレブレ

股関節・腰及び背中に睡眠を拒否されたため寝不足気味の状態ですが無事にスイス入りできました。

1.スイス滞在

チューリッヒ空港に到着後、空港でe-simがネットに繋がらず焦りましたがチューリッヒの街中で繋ぎ直してようやく一安心。ただこの日は天気が悪く、気温も秋通り越して冬。到着した時点でチューリッヒの気温は10℃とめちゃくちゃ寒かったです。
宿はチューリッヒから電車で1時間ほどの街アーラウに取っていたものの早朝に着いたおかげでチェックインまで相当時間があったので、グリュイエール(Gruyères)にあるギーガー・ミュージアムに行くことにします。


チューリッヒからベルンを経由し、電車を乗り継いでおよそ2時間半ほどでグリュイエール駅に到着。ギーガー・ミュージアムは、丘の上にあるお城に向かう道の途中にあり駅からは離れているため、バスで登りました。
通り沿いの景色も中腹から見る山々の景色も素敵でしたね。

静かな佇まい
素朴な雰囲気
山が美しいです


ミュージアム内は静かで不気味で穏やかな空間にギーガーの作品の数々が展示されていて、ちょっとした異世界でした。

Triptykonのアルバムジャケットになっている作品
入口も凝っています

少々電車では行きにくさがありますが、時間があればおすすめです。ギーガー好きな方はとてもおすすめです。

グリュイエールチーズのお店のようだ


あまりにも寒かったのでフライブルクの売店でホットチョコレートを頼んだら650円くらいしました。スイス価格ですね。

数時間かけてちょっとした西への小旅行を楽しんだところでアーラウまで戻り、旧市街にある宿へ向かいます。

アーラウはホテルの数が少なく、駅前のホテルはライブ会場からは少々遠く感じたのでAirbnbで民泊を予約しました。
宿主さんと到着時間のやり取りをして、着いたところで入口が分からずウロウロしてたら宿主さんが出迎えてくださいました。
この民泊は寝室が個室、キッチンとバストイレは他の宿泊客と共有というシステムです。
寝室はこじんまりとしていて、アート作品などもディスプレイされている静かで心が落ち着くとても素敵なお部屋でした。

夜は早めに寝ようと思ったものの、弊オタクの遠征初日では恒例のお腹の調子によりあんまり寝られず、アミノ酸のサプリを流し込んで疲労感をなんとかします(良い子のみんなはちゃんと休もうな!)。

翌日も雨が降っており気温1桁でどんよりと寒かったのですが、日中は暇なので体を動かすのと食料調達を兼ねて散歩に出かけました。ちょっとした路地やすみっコは特別な感じがしてテンション上がりますね。

長崎的階段

街中がなにやら賑やかだと思ったら市場をやっていました。チョコマフィンを買って食べました美味しかったです。

可愛らしい列車
いい眺めです


そしてこの日の夜は遠征1つ目のライブ、ジャーマンポストブラックDer Weg einer Freiheitを観に行きました

帯同はフランス産ポストブラックRegarde les Hommes Tomberと、ロシア出身でノルウェーを活動拠点としているブラックメタルBizarrekultという美味しい組み合わせです。

会場であるKIFFに行くならバスで行くといいよ、と宿の主人がおそらく観光客向けだろうバスチケットをくださったので、宿近くのバス停からバスで向かうことにします。しかしバトルジャケットに裏起毛パーカーを装備しても寒くて震える。

いつも通り周辺に誰もいなさすぎて会場があってるのか不安になるオタクでしたが、開場が近づくにつれてちょっとずつブラックメタルのオタクが増えてきて安心しました。初めて行く箱はだいたい入口が分からなくなるし、1つの建物内に違うキャパのステージが3つあるとかだと尚更分からなくなりますが、KIFFもそういうタイプなのでステージまでちゃんと確認する必要があるなあと思いました。

入場して、物販でDWeFソースを売っていたのでちょっと気になりましたが持ち帰れるか不安だったので止めました。
フロアは柵なしタイプです。

広めな感じ


1番手のBizarrekultは、凍りつくようなブリザードが吹きすさぶブラックメタルで良きでした。

Bizarrekult

ボーカルがInferno festivalのクルーTシャツを着ていてちょっと感動しました。ニアミスしてた可能性あるのか...

続くRegarde les Hommes Tomberのライブは、蝋燭が揺らめき精神が導かれる轟音儀式でした。

Regarde(以下略
絵になるなあ

なお始まる前にはお香が焚かれていましたが、おばあちゃん家の仏壇の匂いがしてノスタルジックになりました。向こうの人にとっては神秘的な香りなんだろうかと思いました。

儀式を終えて清らかになったところで、メインのDWeFが登場です。

近い近い
どことなく幻想的

宵闇のトレモロから甘い旋律まで素晴らしかった最新作「Noktvrn」からの曲も生き生きと空間を震わせており、最も好きな曲『Aufbruch』のイントロが演奏された瞬間は思わず拝んでしまいました。
遠征の出だしから素晴らしいブラックメタルを浴びて大満足の夜でした。

2.Hell Boulevard

翌日はドイツのシュトゥットガルトへ電車で移動します。
ここでようやく3日ぶりに太陽を見ましたが、シュトゥットガルト中央駅がまだ工事中だったため目的地の方向に出るのにかなり歩く羽目になり大汗。宿が坂の上だったため更に汗。日が出ると途端に暑くなりますね。

その後宿で休憩して買い物に行こうとしたら、イヤホンのイヤーピースが消えてて呆然としました。あと3週間をイヤホン無しでは耐えきれないので、早急にイヤホンのイヤーピースを入手する必要が出てきました。ああ...買い物の予定が増えてしまった...

嫌なこともありましたが気を取り直して、シュトゥットガルトではスイス産ゴシックロックバンド、Hell Boulevardのライブを観ます。

ゲストはドイツのゴシックロックバンドSoulboundです。

どちらもライブを観るのは初めてでしたが、移動と買い出しによる疲弊と抜けきらない時差ボケの結果、夜ゆったりと重役出勤になり、会場に着いた頃にはSoulboundの演奏が終わりかけているところでした。

ゴスお姉さま方に混じって小さな女の子がいたのですが、ステージにあげてもらっていて優しい空間ができていました。ちょっとした癒しです。

Hell Boulevardはダークな雰囲気を漂わせつつも耳が惹かれるキャッチーな楽曲が揃っていて、ステージングもおちゃめでかっこよくとても楽しかったです。

😈

途中でSoulboundとデュエットしてたのもツアーならでは。
想像以上に素敵だったので、ぜひまたライブが観たいですね。

ライブ良かったのと可愛かったのでつい...


3.Obscura

翌日はゴシックな世界から一転、プログレッシブでテクニカルな音楽の世界を味わうためミュンヘンに向かいます。
片耳イヤホンで若干もやっとしつつ、2時間半ほどで中央駅に到着。

ここで観るのはObscuraPersefoneDisillusionの3バンドです。
というかDisillusion生きとったんか...

さて、私が行くのはツアー最終日の10月1日のライブになりますが、この時期のミュンヘンといえば...
そう、

オクトーバーフェストです。

...最悪である。よりによってミュンヘンが最も混雑する時期とぶち当たってしまいました。宿もべらぼうに高いし全然空いてないしで、この日の宿探しが間違いなく一番大変でした。

電車に関しても、ICEはそれほどでもなかったのですが、ミュンヘン中央駅から宿方面の地下鉄が地獄絵図。ようやく苦労して取った宿がよりによってオクトーバーフェスト会場の近くだったという罠にかかり、人が多いだけなら日本の満員電車程ではないのでまだしも、酒臭いしパリピうるさいしで早く逃げ出したい気分でした。弊オタクはライブを観に来ただけなんだ...!

宿に逃げこんだ後は心底ホッとしました。

体力と気力をチャージしたら、再び混沌の地下鉄で中央駅に出て、市電に乗り換えて会場のBackstageへ。

1番手のDisillusionは堅実なプログレデスを披露、時々顔を覗かせる哀愁が心地よいステージでした。

メタルっぽくない光景な気がしなくもない


続くPersefoneは最終的にギターのお兄ちゃんがフロアでヘドバンしながら弾いてて面白かったです。
画像が見当たらなかったのでライブの様子は下記より動画をどうぞ。

そしてヘッドライナーのObscura、出戻りのChristianの演奏には少々不安定な部分も見られましたが、バンド全体として圧巻のテクニックを駆使しつつも上品で耳馴染みのいい旋律や美しいベースラインを聴かせるかっこいいステージでした。

ギター隊
ミュンちゃん

『Akróasis』のベースラインはいつ聴いても胸が弾みますね。Steffenの笑顔はいつも通り満開でした。個人的にはもう1人出戻ったはずのベースのJeroenがいなかったのがちょっと寂しかったです。
でも酔っ払いの喧騒から離れてたっぷりと好きな音を浴びられる時間は至福で、全てを忘れられるライブの時間は本当に貴重で尊いなと思いました。

翌朝は軽くミュンヘンをぶらぶら。

デカ


推しの笑顔を見返して癒されつつ、次回はエアフルトに向かいます。

オクトーバーフェストに向かう行列

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