日記33 noteで作る私の歌集『残り香』part3

こんにちは。

備忘録的に作った短歌を載せていく『残り香』part3です。前回の『残り香』part2はこちらから。

書いていくこととしては、前回と変わらず、

①短歌を詠んだ日付

②短歌を詠んだ題など

③詠んだ短歌

④短歌を詠んだ際の解説など一言コメント

となっています。

また前回と同様、今日、新しくつけるコメントに関しては、○印をつけて書いていきます。句の解釈などは書かないのはいつも通りです。それでは。


2020年8月11日
塾生に夏の良さについて説いてしまった夜
・同じ市に 好きな子がいる 夏は、さぁ
いいもんだよと 塾生に説く我
・同じ市に 好きな子がいる 夏休み
何はなくとも 居心地の良く
・コロナにて 失せし高2の ひと夏は
蜜なるきみとの 邂逅にあり
蜜なる、は密とかけてるだけだが、それなら、深夜、きみとの、の方がいいかと思うのだが、それにしても、私、深夜好きすぎるな。
12/18追記
一応、コロナと春夏秋冬シリーズの夏です。

○バイト先が学習塾なのですが、その時に実際に言ったことです。ちなみに、コロナと春夏秋冬シリーズというものを作って、春夏秋冬とコロナ関連で短歌を詠んだものにもなっています。後付けではありますが。これ以降もいくつか出てきます。

8月12日
シャンプーハットを好きな人が使ってたらいいなと思って。
・『内緒だよ シャンプーハット 使ってるの』
毎晩、出てくる 耳打ちするきみ
8月18日追記
・『内緒だよ シャンプーハット 使ってるの』
毎晩、出てくる 耳打ちしたきみ
どっちだ…

○題意にある通りです。今観てみると、上の句の方が好きですね。ちなみにですが、パート1、2をご覧になった方は覚えていらっしゃるかもしれませんが、私は高校生の時の好きな人を理想視しておりまして、基本的に出てくる女性はその人をモデルにしています。また、時々、その人のことを思い出して感傷に浸る時期、『発作』と私は呼んでいますが、この『残り香』においても、発作の時期は短歌をいくつも詠んでいます。

9月5日
コロナと春夏秋冬シリーズの春
・剣山に 春を止めたる 悪疫よ
我が一張羅は マスクと合わぬ
・悪疫は 嘆く世間の 春止めて
三十路、我らの 春を動かし
9月28日追記
・悪疫は 嘆く世間の 春止めて
三十路、我らの 春は動いて

○コロナと春です。自粛になって、世間は大変さが強調されることが多いけど、逆に仲が深まった人たちもいるのかなと思って。

マスクに隠れる唇が美しい
・不織布(フショクフ)が 隠せしきみの 紅唇(コウシン)は 『密かに濡れぬ』と 残暑が暴き
・不織布が 隠すあの娘の 紅唇は
密かに濡れぬと 残暑は囁き
なんというか、思ってた美しさはでなかったな〜、変態っぽくない?、後日考えたい
・不織布に 隠れしきみの 紅唇に
触れし残暑は 秋を蹴るらし
なんか良いのできた。イ段が多いのがちょっと懸念点だが。

○この句と関係あるかは微妙ですが、ツイッター漫画にマスクをするのが常識になったコロナ後の社会で、マスクの下を晒すことが性的に考えられるようになった社会での恋愛、みたいな漫画を見たんですが、それと近いですね。あと、最近、人のマスクの下をたまたま見ると、意外と、マスクより上の顔と印象が違うことが多いんですが、そういう体験もこもっているかと思います。

9月9日
今日は月が一段と大きかった。古代は今よりもずっと月が大きかったという。
・夏は月 澱みの甚(イタ)く 深ければ
町は江戸にて 月は膨らむ
・夏は月 澱みの甚く 深ければ
町は大坂 夜(ヨ)は縄文

○題意の通り。月の大きかったというあの頃へ還ったような気持ちで。

9月11日
衛星がたくさんあったら夜はもっと美しかったろうに。本当は9日に書こうと思ってたんだけど寝落ちた。
・衛星は 幾らあっても 足りぬから
地球は月と 添ひにけり
・衛星は 幾らあっても 足りぬから
地球は月と 添ひ遂げにけり
添ひにけり、だと5文字になるが、何か付け足す語がうまく思いつかないので一旦、これで。
・『平安は 月が八つも あったのだ』
新説轟き 我、納得す
・『平安は 月が八つも あったのだ』
新説轟き 我、膝を打ち
・『平安は 月が八つも あったのだ』
新説轟き 我、筆を折り

○題意の通り。木星とか土星とか衛星を沢山持つ惑星から観る夜っていうのは、誠に綺麗なんでしょうね。なんせ、月ひとつで古来からさまざまな歌や物語が生まれてきたわけですし。また、仮に平安の世は月の数ががもっと多かったとしたら…、月がひとつだけの夜しか知らない現代人が感動で勝てないような気もします。

9月16日
音は残る
・石蹴れば 夕暮れの音 涼しげに
床掻く音は 秋に響けり
石がコンクリの地面を掻く音が好きなんだけど、これだとあんまり伝わらなそう
・石蹴って 帰る夕暮れ 涼しげに
床掻く音の 秋に響けり
・夏果てて 秋澄(アキス)む夜は 石を蹴り
コンクリを掻く 音を残せり
夏果てて、がちょっと妥協感あるな
・蹴る石の 混凝土(コンクリート)を 掻く音の
残りし街の 秋の澄む夜
・蹴る石の 混凝土を 掻く音を
残せし街の 秋の澄む夜
・石を蹴り 混凝土を 掻く音を
残せし街の 秋の澄む夜
の、が連続するのが調べとして好きなので、最初か真ん中のがいいかな、秋の澄むを使いたかったので、あえて使ったが、使わないとしたら
・蹴る石の 混凝土を 掻く音の
残りし街の 秋の夕暮れ
街がちょっとあれだな。
・蹴る石の 混凝土を 掻く音の
残りし街の 秋は夕暮れ
めちゃめちゃ推敲しがいがあるな…
・蹴る石の 混凝土(コンクリート)を 掻く音の
残りし街の 秋澄む夕暮れ

○小学校の帰り道を久々に歩いた際に詠んだもの。石蹴って帰る道は楽しかったですし、蹴った石が奏でる音が好きでした。

9月24日
面接に敗れた帰り、新幹線から二重の雲が見えた
・面接に 破れ、弾丸 鉄に乗り
見ゆる二重(フタエ)の 雲は道連れ
・夢折れて 我を連れ去り 弾丸の
鉄道、となり 老夫婦あたたか
・夢折れて 我を連れ去り 弾丸の
鉄道、あたたか 老夫婦のそば
・新卒の 春を逃して 新幹線
二重の雲が 我を泣くなり

○昨年の就活失敗した帰り道を思い出して。東京駅で買った牛乳が温かった。

9月26日
正面の家の木がかつて無いほど伸び伸びと繁り、道路の半分を覆っている
・家出れば 繁る隣家(リンカ)の クスノキに
ふとにをひ立つ 去年(コゾ)、秋黴雨(アキツイリ)

○題意の通り。びっくりするぐらい伸びてました。命の眩しさを感じました。

9月28日
足裏が暑くて眠れん!
・足底の 暑さに眠れぬ かの夜は
我蹴るきみの 冷え性のあし
・熱帯夜 47回 捜索隊
目標物は 冷え性のあし

○題意の通り。足裏が暑くて寝れないことありません??

10月1日
朝が寒かったけど、俺は半袖で行く
・秋寒に 昨夜の支度の 半袖を
ええい、ままよと 博打たる秋
・朝冷えに 昨夜の支度の 半袖を
ええい、ままよと 打って出る秋
・朝冷えに 昨夜の支度の 半袖を
ええい、ままよと 博打たる秋
・朝冷えに 昨夜の支度の 半袖を
ええい、ままよと うっちゃって出る秋

○友人に誘われて、九州旅行にこの日から行ってました。夏と秋のギリギリで暑くとも寒くもある日ってこんな博打を打ちがちです。

熊本に平成駅を見つけて
・熊本に 隠遁したるは かの平成
名月、これを 暴きに来けり

○題意の通り。ちょうど中秋の名月の日でした。

会う前の緊張は杞憂に溶けた
・会う前の 青さ固さも 出汁に溶け
我はもつ鍋 君ももつ鍋

○大学卒業してから、初めて会う友人で、2人っきりの2泊3日旅だったので、うまく話せるかとか色々と心配でした。

スマホを落とした人を見て
・三十分 前に電車に 落としたスマホ
三十分前 から、我は人

○題意の通り。スマホから解放された時に人は人たりえるのだろうか。

10月2日
男女二人が別府の砂浜にて
・客引きの 間、すり抜け 別府湾
二人は踊り子 砂に交じりて

○別府湾でカップルが楽しそうにイチャイチャしてるのを見て。客引きの間をすり抜けっていうのは、別府湾に辿り着くまでに色々と客引きにあった私たちの話です。

話しているといつのまにか波が近くでなっている
・旧友と 語るに落ちる 夜の浜
気づけば、波の 近(チコ)う鳴りけり

○友人と別府湾でずっと語ってました。あんなにちゃんと心が解けながら話したのは初めて?かもしれない。

高所恐怖症だから、やっぱり無理だった
・九重(ココノエ)の 連山見えり "夢"吊り橋
我は下向き 友がそう言う

○熊本だったかな?にある日本一高い吊り橋に行った際のもの。

阿蘇山の第二火口がプール見たくみえた
・阿蘇山の 第二火口の プールには
泳げるのを待つ アグルチネートあり

○阿蘇山に行った際のもの。アグルチネートというのは、マグマが何とかなって縦状に連なっているもの、だったような。絶景でした。

乗馬体験の帰り際に見た馬の眼が生きていた
・牛の去り 荒れたカルデラ 馬と我
かの眼、滾(タギ)れど 偽大将乗る

○教科書に載っているあのカルデラで乗馬体験した際のもの。本来はあそこには馬や牛が沢山いるらしいんですが、色々あって、今はもうおらず、草が例年になく生い茂っているようです。

10月3日
赤水の夜道、月だけが道を照らす
・名月の 照らす赤水 田舎道
ふと、友に問う 第二の衛星
12/18追記
・名月と 言えども暗し 赤水は
虎の臭いと 狼の声

○赤水というところで宿をとりました。この時にさっきの衛星の話を友人にしていました。宿までがめちゃめちゃ暗いのに遠かったんですよね。

ヨーグルトと一緒の旅だった
・我と汝(ナ)と 乳酸菌とで 西日本
廻る我らに 巌窟王も驚けり

○赤水でヨーグルトを買ったんですが、それを残りの日程ずっと待ち続けていました。結構というかかなりでかいヨーグルトでした。

10月5日
初めて見た人からすれば本当に地獄であったろうな
・門や柵 ありて地獄と 為すならば
裸、竜巻、 血の池は、さて
・門や柵 ありて地獄と 為すならば
原始の竜巻、 血の池は、さて

○別府の地獄巡りに行った際のもの。時間の都合で、血の池と竜巻のみでしたが、あれを初めて見つけた人の恐怖や感動を聞いてみたい。ここで、旅はお終いです。

10月11日
嵐山の竹林にナメクジがはっていた
・秋霖(シュウリン)に 出でし蛞蝓(ナメクジ) 嵐山
竹林好めば 竹酢(チクサク)も効かじ
・青竹(アオダケ)に 銀路(ギンロ)這わせて 蛞蝓の
遅き歩みは 誰に似るなり
10月15日追記
・青竹は 月橋立 ナメクジの
渡りし姿は かぐやの行幸(ミユキ)
良い感じだなとは思うけど、竹をナメクジがはっていることを想像できるだろうか。ぎょうこう、と読んだ方が語感はいいな。
・青竹は 月橋立 ナメクジの
渡りし姿は かぐやの還御(カンギョ)
・青竹は 月橋立 ナメクジの
渡りし姿は かぐやや、還御

○家族で嵐山に行った際のもの。竹にでけぇナメクジが這ってました。

10月15日
金木犀の香りがする!ってよく聞くけど、実際どの匂いかわからないの
・星見れば "あ"は"そ"と言えど わからぬに
似たるは、かほる 金木犀
・星見れば "あ"は"そ"と言えど わからぬに
似たるは、かほる 金木犀かな

○題意の通り。金木犀の香りのする季節って言われてもよくわからない。

10月25日
スズムシって見えるけどわからんよな〜
・聞こえれど 姿は見えぬ スズムシの
住処に飛び込む 翁、誇らし
・聞こえれど 姿は見えぬ スズムシの
住処に飛び込む 翁は涼し

○題意の通りですが、ちょっとギャグっぽい歌です。

11月1日
発作、一緒に寝てるところを妄想し。
・草枕 共寝すきみの 口元を
伝うよだれに 髪は触れさじ

○先述した発作の時期です。基本的に理想の人は私と共寝しているみたいですね。いいな。

推しに会っても知らないフリしつつ、応援したい
・推しのVと 似てる声色 話し方
昨日ぶりです 『はじめまして』
12/4追記
・推しのVと 似てる声色 話し方
一年ぶりです 『はじめまして』
転生が昨日ぶりはおかしいと思ったので。

○題意の通り。今回は発作なのにそれ関連の句はさっきの一つだけですね。今回の発作の原因はよくわかんないです。中の人ってすごい気になります。こんなに魅力的で人とは少し違う声がどんな人から出ているのかすごい興味があります。最近は、雪花ラミィちゃんが好きです。

11月4日
理容室に早くもストーブが入っててあたたかい
・ストーブの 匂い、あたたか 霜月の
晦日に思う 正月の寒(カン)
・ストーブの 匂い、あたたか 正月の
尾を掴みたり 霜月、初め
晦日と朔日を間違えました。

○久々に髪を切りに行った際のもの。ストーブの匂いは、兄がまだ家にいた頃に一緒に寝てた部屋の冬を思い出します。

なんとなく
・幸せは きっと誰かの 借り物の
夢で見る夢 我が夢もまた
・幸せは きっと誰かの その夢の
借り物、我の 夢もまた、ほら

○こんなふうに何となく作るものがたまにあります。深い意味はありません。

11月7日
マスクすると電車でも歌える
・マスクせば 歌うもわからぬ 紅唇に
せでも伝えぬ 声は届かじ

○基本的にマスクする生活が始まる前もよく口ずさんでましたが、今はもっと気軽にできますね。

11月12日
〇〇にも××にも同じ川が流れている。
・流るるや 同じ小川の 母校にも
我、破れたる 母校にも
・中学の 草船流るる 細流の
蜘蛛手ならでは 梅も育たじ

○記号のところには私が落ちた高校と行くことになった高校の名前が入ります。どちらも同じ川の沿岸にあります。

11月14日
人間の重さを実感するのは
・ニンゲンの 重さがわかるは 泥酔と
水から出る時 命は不溶

○パート2の時に、泥酔の先輩を介抱した時のことを書いたのですが、その時のことを思い出して。

11月19日
消えかけのパチパチという外灯を見て
・消へかけの 外灯見れば 夜顔と
迷ふ神戸の 綱渡りをば
夜顔は一夜の人の隠喩と解釈してほしい。若かった頃のある思い出深い人とのたったの一夜を思い出す。という感じなのだが、若かった頃というのが読み取れるか?
どうでもいいが、夜顔は香りが強いらしい。

○題意の通り。読み取れますかね?

11/27
この情報化時代に毒キノコに当たるのは、まさに現代に潜む原始を感じざるを得ない。
・ITの 秋山深し 毒キノコ
当たれば今も 原始も痛み
・ITの 秋山深し 毒キノコ
枯れ葉暖か 古代は未だ
枯れ葉柔らか、とどっちがいいかな?枯れ葉って柔らかいイメージも暖かいイメージもありそうで、どちらでも凡庸な気はするが…。

○原始と今の繋がりとかって好きです。毒キノコに当たるのって、そういう意味では本当にいいですよね。不謹慎ですが。

12月5日
鍋がカセットコンロに乗る時の一大行事
・鍋持て来(キ) 『見て』と言う我 きみならで
カセットコンロの 冬は来るまじ
もうちょい推敲したいな、一旦留め置く。

○カセットコンロに鍋を置く時に、我が家では、ちゃんと鍋が五徳に乗ってるかを周りの人に確認させるんですが、そういう関係性っていいなと思って。

12月9日
回転棚にハンコを選ぶ人を見て
・きみの名を もらう深夜の 文具店
五秒の捺印 きみの二十余年
・きみの名を 奪う深夜の 文具店
五秒の捺印 きみの二十余年
・きみの名を 奪う深夜の 文具店
プラの判子に きみの二十余年

○夜、帰り道に文房具屋のハンコの回転棚で選ぶ人を見て。

12月14日
侑を押し倒す歩夢を見て
・筒井筒 井筒にかけしと 見し夢を
誰とやみるべき 我ならずして
返歌作りたい。来週の放送を待とう。

○ラブライブのニジガク12話を見て。返歌まだ書いてません。書かなくちゃな。できたら、追記します。ちなみに、これは歩夢→侑への歌です。

12月16日
コロナと春夏秋冬シリーズ、冬
・爪を噛む 癖もマスクで 去(イ)にければ
おしくらまんじゅう きみが手を見る
・マスクにて 爪噛む癖の 去にければ
おしくらまんじゅう きみが手をみる

○題意の通り。冬です。

12月25日
クリスマス
・待ち針に 留まるサンタよ トナカイよ
胸に開きたる 穴をば埋めよ
・待ち針に 留まるサンタよ トナカイよ
穴の開きたる 胸をば埋めよ

○クリスマスで一首。

12月26日
蝋燭でなにか詠みたかった。
・夜半、醒(サ)むと 襖、隔てて 題目を
唱ふる祖父の 待ち遠しさや
・夜半、醒むと 襖の窓の 仄光(ホノヒカリ)
祖父の唱ふる 題目のひかり

○題意の通り。祖父の家に泊まるのが好きでした。

1月2日
普通を受け入れて始まる
・普通とは なにかと求めて 来た道の
普通で無きを 今はただ恨む
・通俗を 嫌ふほどにぞ 『流行り病』
我が心の 普通を曲げむ
・流行を 嫌ふほどにぞ 悲しけれ
己(オノ)が心の 滾りを止(トド)む

○普通を受け入れるのって難しいですが、それに反発してると、本当にやりたいこともできなくなってしまう。

きみの現状を知るのはSNSのアイコンの写真だけだ
・アイコンの 俯くきみは 逆光に
変わらぬ便り 最新のきみ
ちょっとキモくなってない?

○理想の人の現状を知るにはラインとかの変わらないアイコンとかしかないんです…

1月6日
夜で歩くと匂いに驚いた
・正月の 夜半のにほひは かくあるか
と、歩(アリ)く下宿の すがほのわたし
・正月の 夜半のにほひは かくあるか
と、歩(アリ)く近所の 素顔の私
・正月の 夜半の匂いの あたらしさ
に驚くなかれ 私は素顔
・正月の 夜半のにほひは かくあらむ
かと歩(アリ)けるは 素顔なりけり
2/18追記
当時はそう思ってなかったけど、コロナと春夏秋冬シリーズの冬じゃん。

○題意の通り。久々に深夜、自販機に外にマスクなしで出たら、こんな匂いだったかと驚きました。

1月8日
雪を降らす雲で山が二重に見える
・雪雲の 地平線より 高ければ
生駒の山も 二重になるなり
・粉雪に 見上ぐ生駒の 二重山
乱層雲の 三重(ミエ)になるなり
増えた。

○題意の通り。

1月15日
深夜徘徊の途中、ムカデが足を這った感じがし、めちゃびびる。
・死神に 誘われサンダル 短パンの
夜はムカデの 我が足を這う
・死に憑かれ 彷徨う草履の 葉月夜(ハヅキヨ)は
足、舐(ナ)むムカデ 魂の煌めき

○ずいぶん前の記憶を思い出して。ふらふらと深夜、散歩のような徘徊をしてた時のものです。ぼーっとしてたんですが、足をもぞっと、おそらくムカデが這って、自らの生の躍動を感じました。

1月19日
家を撫でつけるような風の轟音をうつ伏せで寝ながら聴くと、背中が剥がれる心地がした。
・家撫での 風、うつ伏せで 受けければ
背中、剥がれる 音ぞしにける

○題意の通り。頑丈な家の中で家に風が当たる音が好きです。

1月24日
ビニール傘の雨滴
・イグアナの 外皮に似たり ビニル傘
霧雨を蒔き 小、大、小
・イグアナの 外皮に似たり ビニル傘
霧雨を蒔き 微、小、微、大
・イグアナの 鱗に似たり ビニル傘
霧雨を蒔き 小、大、小

○題意の通り。

1月31日
夢で好きな人が自分にぴったりと身体をつけてきた。夢とはパラレルワールドなのかもしれない。
・へばりつく きみをうざがる 我ありし
平行世界を 覗けし、今朝、夢

○めちゃくちゃいい夢でした。もっかい見たい。

バイトが長い
・講習の 授業は果て無く 6時間
二酸化炭素の 巣窟に、我、あり
・講習の 授業は果て無く 6時間
二酸化炭素の 巣窟にあり
そうくつ、じゃなくて、すくつ、にするとぎりぎり字余りの許容範囲だな

○題意の通り。クソ長いバイトがこの時期はあります。

2月3日
模試と冬
・塾を出て 一人、暗記の 海を漕ぐ
時化る航路は またso that
・塾を出て 一人、暗記の 海を漕ぐ
時化りて、風は so thatの風
・赤き春 夏の黄色に 秋の青
変わらずの冬 模試は我が色
模試に一喜一憂する我の色は?

○題意の通り。この時期は暗い寒空が広がる孤独な闘いを強いられますね。


と、これでpart3は以上です。意外と少なかったですね。

備忘録的なので、作ったやつ全部放り込んでるので、全部が全部、傑作とはいきませんが、その中でもお気に入りをあげるとすると、

・蹴る石の

・会う前の

・きみの名を

の三つでしょうか。

色んな思い出や意味がこもっていて、お気に入りです。

またもや緊急事態宣言で、外に出れなくなり、何というか色んなものを見て歌の着想を得る私としては、作りにくくなっていますが、妄想と発作で何とか作っていきたいと思います。

次回のpart4では、もっと自分なりの表現を磨いていきたいところです。


ご覧いただきありがとうございました!

みなさまのお気に入りの歌などが見つかれば幸いです。


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