なぜ30kmに壁があるのか


今回は30kmの壁について考えていきます。
ランナーの間でよく使われる言葉【30kmの壁】。
30kmの壁は存在するのか?なぜ30kmに壁があるのか?を私なりに考えてみましたので一つの意見として参考にしてもらえたらと思います。
それでは、いってみましょう!

30kmの壁とは

そもそも30kmの壁とはなんなのでしょうか。
一般的には、30kmを過ぎると【脚が急に動かなくなる】症状のことです。
30kmまでは順調に走れていたのに突然動かなくなり、大失速、、
多くのランナーが経験することから【30kmの壁】という名前で広く認識されるようになりました。

30kmに壁がある理由

ではなぜ30kmを過ぎると壁が出現するのか?について考えましょう。
大きく、身体的要因と心理的要因があると思います。

【身体的要因】
1.筋グリコーゲンの減少
2.オーバーペース


1.筋グリコーゲンの減少
筋グリコーゲンとは、筋肉に貯蔵できる糖質(=筋グリコーゲン)のことです。
人間が貯蔵できる糖質は一般的に肝臓に約100g、筋肉に400gと言われています。
糖質1gあたり4kcalなので400kcla+1600kcal=2000kcal。
つまり人間は糖質を最大2000kcalほどしか溜め込んでおけないのです。

そこでフルマラソンの消費エネルギーを考えましょう。
ランニングの消費カロリー=距離×体重
体重60kgの人がフルマラソンを走ると
42km×60kg=2520kcal
そう、途中で2000kcalを超えちゃうんですよね。

普通に走ると単純にエネルギーが切れちゃうから、30km付近で急に動かなくなってしまいます。

2.オーバーペース
2つ目はオーバーペース。
オーバーペースになると、乳酸(=糖質を分解したあとの代謝物)がたくさんでる閾値(=乳酸がたくさん出始めるライン)を超えてしまいます。
超簡単に言うと、閾値を超えるようなオーバーペースはたくさんの糖質を使うからそりゃバテるよねってことです。車で例えるとアクセル踏みまくってると、燃費も悪いと似た理屈となります。

【心理的要因】
1.不安からのストレス
2.認知的不協和


1.不安からのストレス

人間は不安になるとストレスホルモンを分泌します。
例えば、ノルアドレナリン、アドレナリン、コルチゾールといったホルモンが有名です、
これらは、肝臓で糖の合成を促進、血糖値の上昇、脈拍・血圧上昇といった働きをします。
身体の糖が枯渇している状態で合成の促進、血糖値の上昇といったさらにエネルギーを生み出そうとすると、それでは余計に枯渇が進んでしまいますよね。

2.認知的不協和

2つ目は認知的不協和。
認知的不協和とは、自分の思考や行動に矛盾があるときに生じる不快感やストレスのことを言います。そして、人間はこの矛盾を解消しようとします。

具体例でいうと
ある人のことが好きで告白しようと思っていたときに、その人が別の異性と交際していることを知り、告白するのをあきらめたとします。
このストレスに対処するために、「どうせあの人は浮気性に違いない」「そもそも、そんなに好きではなかった」と思う人は多いのでは?
このように、合理化させて矛盾を解消させようとするのが認知的不協和の解消です。
マラソンでいうと、
「どうせこのまま走っても自己ベストは難しくなる」
「最後まで頑張りたいけどキツい」
この矛盾を解決するためにペースを落としちゃう。簡単な言葉でいうと【諦め】てしまいます。

まとめ

以上大きく身体的要因と心理的要因に分けて考えてみました。
つまり「ペースを乱さず、エネルギー補充して、楽しんで走れば」万事解決ですね。笑
他にもこんな理由があるんじゃないかっていうものがあればぜひコメント下さい。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!


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