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「毒親とまでいかないけど、親が辛い」状況から抜け出すには?

【この記事を書いているのは】
混合性不安抑うつ障害を克服した20代医療系会社員、乾ぬいです。
「知るだけで楽しく生きやすくなる」をモットーに、メンタルヘルス、人間関係、自己実現で悩んでいる人へ向けて、実体験と知識をもとに克服してきた方法を発信しています。

「毒親とまではいかないけど、親といるのが辛い」の解決方法

ややニッチかもしれませんが、きっとこれで悩んでいる方はいると思います。
今日は実体験から、「親といるのが辛い」状態から抜け出した方法について、ちょっと長いですが書いていきます。

1.あからさまな毒親ではない、「隠れ毒親」

昨今、「毒親」とか、「親ガチャ」という言葉が流行っていますが、何となく「暴力的、支配的、強制的」な親をイメージしませんか?

「そこまではいかないし、毒親と呼ぶのは憚られるけど、親が辛い…」
「そんなことを思っている自分って、ひどいのかな?」
と思う方がいたら、私と似ていますね。笑

私の親は暴力的でも支配的でもなくて、愛情に溢れていて、子のためなら何でも頑張る親でした。私はそんな親に依存的で、とても甘えん坊な末っ子でした。
親の言うことは正しいと信じてきて、褒められるために勉強を頑張ったこともあります。

でも1 0代に入って徐々に、親に対して、
「あれれ?おっかしいぞー?」
と思うことが増えました。親の価値観に染まっていた自分と友だちとの価値観のずれとか、自分と親の価値観のずれを認識し始めたのです。

大好きなはずの親へもつ違和感、疑ってしまう罪悪感、原因のわからない嫌悪感、家での「自分の居場所がない感」に押しつぶされそうになって、リビングで過呼吸を起こしました。
親元を離れてみてから思ったのは、悪い影響が顕在化していない「隠れ毒親」ではないのかということでした。

2.特殊すぎて人に理解されない、ネットにも解決方法がない

ネットで「親がしんどい理由」と調べても、なかなか自分の状況にヒットする記事はありません。家庭環境は千差万別だから、そりゃそうですよね。
私も原因がわからなくて苦しみました。
「健康に育ててもらったのに…」
「自由にさせてくれたのに…」
「でも一緒にいると、とても苦しい…」
「親に対してこんな感情を抱くとか、親不孝じゃん!」
自分が恥ずかしくなりました。

少し気を許せるようになった人に相談してみても、うちの家庭環境が特殊すぎて、理解に苦しまれました。

(どれだけ特殊かは、また別の記事で書きます。)

誰も、自分以外の家庭環境のことは理解できません。
そこに理解や慰め、承認を求めても無意味な努力でした。

でも「自分が辛いと思う気持ち」は確かなので、自分で自分を認めてあげましょう。「何かがおかしい」という直感を信じてあげましょう。
自分の心は、自分しか守れません。

(将来、パートナーとなる人からは理解されていたほうが良いかもしれません…。両家の挨拶とか、結婚式のしきたりとかを重んじる人であれば家族のことは切っても切れないので、価値観のすり合わせは必要です)

では、何が辛いのか、どうしたら辛さから解放されるのか?
それは自分で分析するしかありませんでした。

3.何が辛いか分析する

どんなときに、「辛い」と思いますか?
これはかなり個人差があるので、自分で「辛い」と思うときの状況を分析してみてください。

私の場合は、
・偏った価値観で世間を批判しているのを聞いたとき
 (「外国人が日本にいっぱい住んでる…!(怒)」とか、一定のお国とか音楽ジャンルを批判するとか、アイドルの楽曲名を「意味がわからない」と一蹴するとか)
・子を平等に愛するあまり、私がきょうだいから辛い言葉をかけられていても、「でも、あの子本当は優しい心の持ち主だから…」と謎のフォローしていたとき
など…

気づくのにはとても時間がかかりました。
言語化できるようになったのは、家を出てしばらくしてからです。
家庭環境はとても狭い一つのコミュニティなので、当事者が気づかないそこだけの「当たり前」が横行しがちです。
少し距離を置いたり、他の家庭の話を聞いたりすると、「辛さ」の原因が顕在化するかもしれません。

4.解決できそうなら、話し合ってみる

自分の辛さに気づいたら、それを親に伝えて関係修復を図ってみるのも一つの手です。
血の繋がりのある唯一の家族だから、仲良くしていたいですよね。
私もそう思って、辛い理由を話してみました。

…自分の倍以上を生きた親はもう価値観が固まっていて、私の場合は理解してもらえませんでした。

例えば、
(きょうだいからかけられ続けた辛い言葉が、私の人格形成に大きく影響を与えていて、自己肯定感をもつのにとても時間がかかったこと、それが大きなハンデとなって、ひいては社会でとても生きづらさを感じていること、それを親には理解してほしかったこと…)

私の考えを根気強く話しましたが、
「うんうん、きょうだいってそんなもんよ。別に辛く思わなくていいよ。私もね…」
と、本当にこのセンテンスが永遠と繰り返されました。
「そうじゃなくて、苦しかったことを理解してほしくて!」と何度話しても、
「だから、きょうだいってそんなもんよ。私だって…」
と話が並行していきました。
糠に釘のような、ぬるっと流されていく感覚。こんなに絶望したことはなかったです。

同時に、「あ…私が過呼吸になるほど辛かった本当の原因はこれか…」と思いました。

【私の親は、自分の価値観からはみ出ることは、実子の価値観でも理解できない】

一番の理解者でいてほしい親ですが、私からするとそれはドラマの世界でしかありませんでした。

5.話にならなかったら、距離を置く

小さい頃は神様のように見えていた親も、人間です。
そして家族といえど、全く別の個体です。

「合わない」と思ったら、距離をおいてもいいんです。
程よい距離感が、良い関係を保つ場合もあります。
炎は近すぎると火傷をするけど、程よく距離を置いたら心地良い温かさですよね。

私は今、飛行機を乗り継がないと会えない距離にいます。
連絡は月に1回程度、むしろ父親とは住所と連絡先がわからずもう何年も話していません。

しんどかったら、無理に一緒にいる必要はありません。
たまに、「親も心配してるでしょ」「寂しがられるでしょ」と人から言われますし、最初の頃は「親不孝だ」と自分を責めました。
でも、辛いのに無理に一緒にいる必要はどこにもありません。
最初にも言いましたが、自分の心は自分で守るしかないのです。

6.過去の辛さに囚われない。自分の人生を生きよう!

私はしばらく、「隠れ毒親」から受けた影響を引きずっていました。
(これがなければ、私はもっと違う生き方をしていたかも…やりたかったことに挑戦できていたかも…)
自分に自信がない原因も、会社で人とうまくいかない原因も、家族関係に結びつけて、「家族という小さなコミュニティでさえ上手くいかなかったんだから、社会で上手くやる方法がわからないよ」と落ち込んだり憤ったりしていました。

ある日、なににつけても「家族のせい」に至っていることに気づきました。

「もっと大きな声で喋りなさいって言われた…きょうだいから『声が気持ち悪い』って言われ続けたから、小さな声しか出なくなったんだ…親が止めていてくれたら。私はもっと自信が持てたかもしれないのに!」

…こんな感じに。
でも、親が辛い原因がわかった今、そして距離を置くことで対策している今、自分のこれからの人生をまだ家族のせいにしているのは違わないか?と思ったんです。

自分の力ではどうしようもできない範囲=「過去」を悔やんでも、これからの人生がよくなることには繋がりません。

それよりも、「どう行動したら、未来が良くなるか」に注力することにしました。

この記事を最後まで読んでくれた人がいるなら、きっと同じように「隠れ毒親」に悩んできた人なのかもしれません。
もう十分苦しみましたよね。
がんばった自分を褒めて、認めましょう。少なくとも私が寄り添います!笑


今回は、「毒親とまではいかないけど、親といるのが辛い」の解決方法についてお話ししました。

  1. 「隠れ毒親かも?」と思ってネットで探しても、ドンピシャな事例はありませんが、「辛い」と思う自分を責めないで、受け入れてください

  2. 辛い原因を考えてみてください

  3. 親に話して解決できそうなら、話してみてください

  4. 無駄だったら、距離を置いてください

  5. 過去はもう、自分で変えられる範囲ではありません。一緒に未来に目を向けましょう。

私は今、「どうしたら、未来が良くなるか」を常に考えて行動しています。
このブログもその一環です。

これからは幸せになる方法を一緒に探して、もっと楽しく、生きやすい人生にしていきましょう。




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